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月の本棚 under the new moon

2023年を振り返って、何よりうれしかったことは、夢だったハードカバーの文芸書を出せたことでした。

読書エッセイで、パン屋さん「ル・プチメック」の文化発信基地だったオウンドメディア(残念ながらいまはclosed)で連載していた『月の本棚 清水美穂子のBread-B』をきっかけに生まれた『月の本棚 under the new moon』です。

コロナ禍で、先が見えない暗闇のような日々、こんな本を読んでいました。月に見惚れるように、憧れを持って、あるいは果てしない気持ちになりながら。


以下は目次より、書き出したもの。
この本の中に登場する本です。

魅力的な図書室
『マザリング・サンデー』グレアム・スウィフト『雲』エリック・マコーマック

見えないものに導かれる感覚
『オーバーストーリー』リチャード・パワーズ

月を眺めるように読む
『アップルと月の光とテイラーの選択』中濵ひびき『月の立つ林で』青山美智子

ルールとゲーム。御伽噺の娯楽
『アディ・ラルーの誰も知らない人生』V・E・シュワブ

パンデミックの時代に
『断絶』リン・マー
『そのひと皿にめぐりあうとき』福澤徹三

過去に属している場所
『土星の環 イギリス行脚』『アウステルリッツ』W・G・ゼーバルト

パティ・スミスの本棚
『Mトレイン』パティ・スミス

読書の連鎖
『優しい鬼』『インディアナ、インディアナ』『ネバーホーム』レアード・ハント

遊歩者の小説
『オープン・シティ』テジュ・コール

ジュンパ・ラヒリの第三の言語
『わたしのいるところ』『べつの言葉で』ジュンパ・ラヒリ

瞬間の連なりのアート
『いちばんここに似合う人』『あなたを選んでくれるもの』ミランダ・ジュライ

dbベーカリーとの再会
『おるもすと』吉田篤弘

茶道の稽古
『日日是好日』『好日日記』森下典子
『一日一菓』木村宗慎

一杯の白湯のような本
『まなざしの記憶 だれかの傍らで』植田正治・鷲田清一

それはもう遠い国ではなかった
『ガザに地下鉄が走る日』岡真理
『西欧の東』ミロスラフ・ペンコフ
『テヘランでロリータを読む』アーザル・ナフィーシー
『ロリータ』(ウラジーミル・ナボコフ)
『消失の惑星(ほし)』ジュリア・フィリップス
『夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く』奈倉有里

本棚の写真を撮った日
『さよならまでの読書会』ウィル・シュワルビ
『夜の舞』イサアク・エサウ・カリージョ・カン『解毒草』アナ・パトリシア・マルティネス・フチン

小説と日記のあわいに遊ぶ
『雑貨の終わり』『すべての雑貨』三品輝起
『冬の日誌』『トゥルー・ストーリーズ』ポール・オースター
『ケンブリッジ・サーカス』柴田元幸

無声映画とキャッツテーブル
『無声映画のシーン』フリオ・リャマサーレス
『名もなき人たちのテーブル』マイケル・オンダーチェ

マイ・ブックショップとブラッドベリ
『華氏451度』『たんぽぽのお酒』レイ・ブラッドベリ

アメリカの路上で
『アメリカの〈周縁〉をあるく 旅する人類学』中村寛・松尾眞
『大草原の小さな家』(ローラ・インガルス・ワイルダー)
『語るに足る、ささやかな人生』『ボイジャーに伝えて』駒沢敏器
『彼女たちの場合は』江國香織

台風に閉じ込められた日に
『庭とエスキース』奥山淳志
『ある一生』ローベルト・ゼーターラー
『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズ
『まほうのクリスマスツリー』(リー・キングマン)
『使者と果実』梶村啓二

名もなき人たちのささやかな生と死
『奇跡も語る者がいなければ』ジョン・マグレガー

見つける
『こびととゆうびんやさん」カレル・チャペック『きみがぼくを見つける』サラ・ボーム

いとおしきもの
『おやすみ、リリー』スティーヴン・ローリー
『友だち』シーグリッド・ヌーネス
『ある小さなスズメの記録』クレア・キップス

以上

2024年もたくさんの素晴らしい本と出合えますように。


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