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「100の命を預かる」という責任と、その重さ

こんにちは、編集部の長谷川です!現在、北海道・中標津にある自社牧場でお手伝いをさせてもらっています。

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今回は、牛たちの命と直接関わる牧場で感じた、「第一次産業の責任の重さ」についてのお話をしたいと思います。

牛=会社のメンバー

私たちの牧場では、牛を"会社のメンバー"だと考えています。ファームノートグループでは、"人、動物、自然"が持続可能な状態になっていることを目指しているため、こういった考え方を持っています。

牛たちも“一緒に働く大切な仲間”だと考えいているため、"物"ではなく"人"に接するときと同じ姿勢で接するように心がけています。

牛がなるべくストレスを感じず、のびのびと働いてもらえるような環境作りに取り組んでいるのです。

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これは何も綺麗事を言っているわけではなく、牛のストレスは乳量や疾病率など、牧場経営に関わる数字として如実に現れます。つまり、牛が幸せなら人も幸せになれるのです。

“牛も人も幸せ”を実現するための、命を預かる覚悟

牛も人も幸せな牧場を実現するためには、牛が生涯を健全に過ごせる環境を整える必要があります。ただ、実際に働いてみると、それがいかに難しいことかを痛感します。

仔牛が生まれたり、病気になってしまう牛がいたり、道具や設備に不調が出たり。毎日いろいろなことが起こって、全く同じ日なんて1日だってありません。

そういったイベントだらけの中で、搾乳・給餌・掃除など、毎日決まった仕事もこなさないといけないのです。

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そして、その仕事一つひとつの責任は、とてつもなく重いものです。たった一つの些細なミスでも、牛が命を落とす原因になります。

「命を預かる」という責任と、その重み

実は私も牧場に来てから一度、疾病の牛を見落としてしまったことがあります。第四胃変位という疾病で、指摘されてからよく見てみると、他の牛より痩せてしまっているのが素人目でも分かりました。

幸いにも治療の後は回復傾向ですが、もし手遅れだったら……と、痛々しい手術痕を見るたび本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

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牧場は初めてだからとか、久しぶりに体を動かして疲れていたからとか、異変を見逃した理由はいくらでも挙げられます。けれどそのどれもが、“命”の前では何の意味もありません。

100頭を超える牛たちの命を預かる牧場で、“第一次産業に携わるという責任の重さ”を感じた体験でした。

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ただ、「疲れていたという理由は命の前では無意味」と言いはしましたが、疲れていればミスが起こりやすくなるのは当然です。

疲れによるミスを防ぐためには、そもそも“ミスを起こすほど疲れる”という仕組みを変える必要があります。(今回の場合は私がこれまで極度の運動不足だっただけですが……)

今回の記事の中で“牛が幸せなら人も幸せ”という話をしましたが、逆を言えば“牛を幸せにするためには人も幸せでなければならない”のです。次回はその辺りのお話ができればと思います!

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