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「まちづくり」と「観光」の視点で課題解決のソリューションを提案し、新しい社会をつくる ―enXross協賛企業インタビュー・パナソニック

皆さん、こんにちは。
enXross事務局です。

日本最大級のエンターテインメントシティ・東京ドームシティの新プロジェクトenXross(エンクロス)は、デジタル技術を活用した経済圏創出や、お客さまの感動体験アップデートの実現を目指す取り組みです。

こちらのnoteでは、世界のエンターテインメントとイノベーションの交差点・enXrossのプロジェクトに携わるスタッフや、web3・ブロックチェーン領域の有識者、協賛企業の皆さまへのインタビューを通じて、イベントのビジョンと魅力などをお伝えします。

今回は、enXrossゴールドスポンサーで、デジタルを活用したまちづくりや観光DXを推進するパナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社 ビジネスソリューション本部の金子司さんに、デジタル技術の導入による都市や観光の課題解決について、お話をうかがいました。

お話をうかがった、パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
ビジネスソリューション本部の金子司さん

メーカーとしての知見を生かし、多様なビジネスソリューションを提供

― 日本を代表するメーカーであるパナソニック様はenXrossにゴールドスポンサーとして参画されています。近年、特に力を入れている事業や、金子さんが所属する部署のミッションについて教えていただけますか。

金子さん パナソニックグループは、2022年4月にパナソニック ホールディングス株式会社を持株会社として、8つの事業会社と関係会社で構成される事業会社制に移行しました。

1918年に大阪で創業して以来、今日でも多くの方はまだ家電メーカーのイメージをおもちだと思いますが、現在は家電メーカーとしてのモノづくりの技術を活かし、B to Bパートナーと共創しながらソリューションやサービスを提供するビジネスモデルにも軸足を置いています。

中でも私が所属するパナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社 ビジネスソリューション本部は、グループの横串機能を担っており、東京オリンピック・パラリンピックや、大阪・関西万博などの国際イベントや国家的プロジェクト、また自社工場跡地を活用したまちづくりである「サスティナブル・スマートタウン(SST)」などの中長期プロジェクトを通じて、新規事業機会を生み出す取り組みを進めてきました。

また、2025年大阪・関西万博、2029年開業を目指す大阪IR(統合型リゾート)、そして2030年の未来都市「大阪スーパーシティ」など、関西経済発展への貢献とパナソニックグループの事業機会拡大に向け、グループ横断で取組む「関西25・30プロジェクト」を進めています。

パナソニックグループは、「幸せの、チカラに。」をブランドスローガンとして、物も心も豊かな「理想の社会」の実現に向け、社会課題に正面から向き合い、新しい価値を創造しています。ビジネスソリューション本部では、他社との協業・共創を通じてさまざまな社会課題を解決するビジネスの創出支援をミッションとしています。

パナソニック ホールディングスの体制図。金子さんが所属する
パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社は、各事業会社に横串を通し、
社会課題を解決するビジネスの創出を支援する役割をもつ

藤沢・綱島・吹田… 100年後を見据えたまちづくり「サスティナブル・スマートタウン」

― 家電から発展して、まちづくりも手がけていらっしゃるんですね。具体的にはどのようなまちづくりを進めているのでしょうか?

金子さん 現在、神奈川県藤沢市のFujisawa SST、神奈川県横浜市のTsunashima SST、大阪府吹田市のSuita SSTの3つのプロジェクトが進んでいます。一番初めに開発が始まったFujisawa SSTは2014年にまちびらきを迎え、2024年秋に完成します。

パナソニックのまちづくりのシンボル的な取り組みである
「Fijisawa SST」。住民と一体となって未来を見据えたまちづくりを進めてきた


Fujisawa SSTは戸建て中心の環境配慮型、Tsunashima SSTは集合住宅や商業施設・企業のR&D(研究開発)拠点が集う次世代都市型、Suita SSTはウェルネスや「健都」をテーマとした多世代居住型のスマートタウンで、それぞれ異なるまちのコンセプトをもっています。

大阪府吹田市の「Suita SST」ではウェルネス・健康を
テーマとしたまちづくりが進む


当社は家電メーカーとして、くらしの価値からさまざまな家電を生み出してきたという歴史があります。SSTでのまちづくりでも、「くらし起点」という発想で、100年後のスマートライフを想定しながらインフラ構築などを考えています。先進的な実証実験もいろいろ行っていて、最初にスタートしたFujisawa SSTはシンボリックな取り組みになっています。

私たちがまちづくりにおいて最も重要視していることは、住民のみなさんと一緒に街をつくっていくということです。特にFujisawa SSTにはお住まいの方だけでなく、周辺地域の方も訪れるようになっており、まちとしての息づかいが感じられるようになったと思っています。

インバウンド急増に対応した観光DXにも取り組み

― まちづくりを通した社会課題の解決以外に、「観光DX」にも取り組んでいるそうですね。

金子さん はい。新型コロナウイルス感染症の影響で冷え込んだ日本経済を元気にするための方策の一つとして、インバウンドの需要回復に向け、政府は2025年までに旅行消費額6兆円という目標を掲げています。

観光地では、地域に人を呼び、地方創生に生かしたいというニーズがある反面、決済のスマート化やリピーターの獲得、オーバーツーリズムへの対応など、海外旅行者への対応が課題となっています。また、旅行者側には、パッケージ化されたツアーよりも地域のあまり知られていない魅力を体験したい、といった個別化されたニーズがあります。

先ほどお話ししたように、パナソニックでは東京オリンピック・パラリンピックに向けた新規ビジネス提案の経験やノウハウがあり、2025年に予定されている大阪・関西万博に向けた関西地域の活性化等にも取り組んでいます。これらのナレッジを活かしてさまざまなインバウンド(訪日外国人旅行)の課題に取り組んでいます。

インバウンドにおける課題解決の一環としては、道頓堀商店街のセルフ観光を支援するアプリの開発や、大阪駅北側のうめきた地区でのイベントを京都での観光につなげる送客実証、謎解きアプリを通した越境ECへの誘導といった施策を行ってきました。

今年の4月に大阪府門真市の弊社工場跡地に開業した複合ショッピングモール「三井ショッピングパーク ららぽーと門真・三井アウトレットパーク 大阪門真」では、門真市連携のもと、万博機運醸成イベントに参画。
弊社技術・ソリューションを活用した賑わい創出ソリューションで貢献する中で、アバターを介した接客サービスの実証を行いました。

また、年に3回開催されている天王洲エリア(東京都品川区)の地域活性化イベント「天王洲キャナルフェス」に参画し、観光DMO設立も見据え活性化を目指している天王洲で、インバウンドに対応した観光DXソリューションを活用してアートを巡るツアーや観光案内所の整備を実施しました。

ほかにも、さいたま市大宮盆栽美術館で盆栽のライトアップ演出とアプリを使った送客実証をするなど、観光DXをテーマにさまざまな取り組みを展開しています。

― 観光のDXを実現するときには、どのような視点が重要なのでしょうか。

金子さん 我々は「旅マエ、旅ナカ、旅アト」という言い方をしていますが、訪日旅行者が出発する前から帰国後までを一連の体験フローと捉え、デジタル技術によるワンストップでのアプローチを検討しています。
旅マエでは賑わいイベントを計画してPR、集客を行い、旅ナカでは顔認証決済、SNS広告、VRガイド、ARフォト等で送客、回遊につなげます。そして旅アトには越境ECでサービス提供を行うなど、旅マエから旅アトまで総合的なソリューションを展開予定です。

当社では、日本到着後の旅行者の傾向を分析したターゲティング広告はもちろん、アバターによる多言語対応の観光ガイド、謎解き・デジタルスタンプラリーなどと組み合わせて、海外旅行者が手軽にサービスを利用し、エリアを回遊できるような仕組みを構築しています。

こうした取り組みについては、パナソニック1社だけでなく多くの方々と協業して進めたいと考えています。今後は、地域に人を呼びたいと考えている自治体の方などからもご意見をいただき、協力できたらと思っています。

パナソニックでは、旅マエ、旅ナカ、旅アトの各フェーズを
通じたDXソリューションを提案している

「まちづくり」の観点で見る東京ドームシティの魅力とは

― enXrossが開催される東京ドームシティは、「まち」と「観光」、両方の要素をもった場所と言えます。enXrossの取り組みや東京ドームシティに感じる魅力について教えてください。

金子さん 東京ドームシティは東京の中心に位置し、アクセスがよいことが魅力の一つだと思います。観光名所である浅草や秋葉原等からも離れていないので、東京ドームシティを起点に東京を堪能することもできるでしょう。
我々日本人にとっては野球や格闘技といったスポーツの印象が強い東京ドームシティですが、ホテルやアトラクション、スパ、ミュージアム、グルメなど、非常にバラエティに富んだ施設です。それに加えて、小石川後楽園などにも隣接しており、日本文化に触れることもできます。年齢や性別、国籍、文化等を問わず、幅広い層のお客様に楽しさ、感動を提供できる、日本でも唯一無二の場所だと言えるのではないでしょうか。

今回のenXrossのテーマであるブロックチェーン、web3といったデジタル技術と我々が進める「DXを活用したリアル空間の特別な価値体験」を掛け合わせることにより、日本だけでなく海外への発信も可能な、世界のロールモデルとなるまちづくりが実現できると期待しています。

enXrossの会場では「次世代観光体験空間創出」をテーマに、ロボティックモビリティと(XR)クロスリアリティ技術を掛け合わせることで、演出効果を高め、快適で楽しい移動時間を提供する自動走行ロボット「PiiMo」×VRを活用した観光体験のほか、旅マエ、旅ナカ、旅アトのDXにかかわるさまざまなソリューションをご提案しますので、ぜひご来場いただければと思います。

― 社会課題解決を軸に展開される多彩な取り組みの様子がよくわかりました。enXross当日の展示も楽しみです。本日はありがとうございました。


東京ドームシティの新プロジェクトenXrossについてはhttps://www.tokyo-dome.co.jp/enxross/をご覧ください!

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