見出し画像

化石ハンター展(国立科学博物館)

はじめに

7月の終わり、上野の国立科学博物館で行われている化石ハンター展に行ってきた。

化石ハンター展

開催時期:2022年7月16日~10月10日
予約入場制。
アメリカの博物学者であり探検家であった、ロイ・チャップマン・アンドリュースが中央アジアを探検してから100周年ということで企画された展覧会。目玉はチベットケサイという大型で毛の生えている絶滅種の化石から復元した模型。

暑い日。噴水が天国のように見えた。木陰は嘘のように涼しい上野の森。
クジラの骨格

インディ・ジョーンズ

ロイ・チャップマン・アンドリュースのキャリアはクジラの研究から始まったらしい。大きなクジラの標本。日本も訪れたそうで、着物姿の写真がのこされていた。

非常に美形で知的で、パイプをくわえた姿が様になり、絵から抜け出てきたような探検家である。

インディ・ジョーンズのモデルとも言われている。
さもありなん。いや、ハリソン・フォードよりもかっこいいかもしれない。



探検家ブーム

私の子供のころ、つまり40年前~50年前くらいは、一大探検家ブームであった。
古代遺跡がたくさん発掘されたし、恐竜の化石もたくさん発見された。
子どもたちはインディ・ジョーンズや、ドラえもんの『のび太の大魔境』などの映画に心躍らされ、知育雑誌はこぞって古代文明のミイラや恐竜の絶滅について語っていた。コロコロコミックも、小学〇年生も、学研も、ページを開けば秘境や古代のことばかりを語っていた。

その当時を思い出させる懐かしい展示である。

そういった理由から、第二次ベビーブーム世代に強くお勧めしたい。

パクトロサウルス。足が速そうだ。

少年たち

なんといってもこういった展覧会の主な観客は、学校に上がる前の小さな男の子たちである。お父さんにつれられたちいさな男の子たちはわくわくした様子で巨大な標本を見上げたり、親から借りたスマホでがパシャパシャと写真を撮ったりしていた。

恐竜のたまごの模型

恐竜の卵の標本の中には、卵の中に納まっていた恐竜の赤ちゃんを復元したものがあったのだが、
小さな男の子がとっても胸を痛めた様子で、ほんとうに涙声で、
「この赤ちゃんは、生まれなかったの?」
とお父さんに聞いていた。
お父さんが説明書きを読んで、これはレプリカで本物じゃないんだ、と説明すると、
「ああ、よかった、ほんとうに」
と言っていた。

展示の特徴

大きな標本が多いため、非常にダイナミックな展示になっている。
大型の哺乳類がテーマであるが、哺乳類でこんなに大きいんだな、とびっくりさせられた。マンモスを倒して食べていた先祖はすごい。しかし絶滅させてしまったのだから、ほめられたことではないか。

また、模型の精度の高さがこのようなダイナミックで臨場感のある展示を可能にしているということも、伝わってきた。模型を作る人々の作業についても展示があるのだ。

芸術作品ならいざしらず、こういって資料は現物を見なくても、サイズや質感が十分に再現できるのなら模型のほうがむしろ保管も展示もしやすく便利なのだなと感じた。

音声ガイドについて

今回、音声ガイドを借りてみることにした。
いつも美術展では自分の感性で見ることの邪魔になるので敬遠していたのだが、今回は科学の展覧会なので、邪魔にはなるまいと思い、この機会にトライしてみた。

回りながら全番号を聞いた。
かなりのボリュームだ。
しかし、音声ガイドで案内していることはほとんどパネルに書かれていた。若干音声ガイドのほうが詳しく、パネルだと「彼は表彰された」と書かれているところが音声ガイドでは「彼はだれそれにまるまるの功績をたたえて推奨され表彰された」くらいの詳しさになっている。私の場合、文字を読んでいるときには音声が耳に入らないので、使い方の正解はパネルを一切読まずに耳を傾けながら標本や模型、写真を見るということなのだろう。
結論としては、音声ガイドは不要であったと思う。少なくともこれにお金を出す必要は感じなかった。
試してみてわかったことだから、良かったと思おう。

ケサイ

目玉商品であるケサイは一番最後のセクションで展示されている。
なかなか邪魔そうな角だなぁ。

ケサイ一家
寒冷地でくらしていた

おみやげ

ミュージアムショップではチベットケサイの寝袋というものが売られていた。虫が付きやすそうだし、洗ったりするのは大変そうな気がするけど、実際どんなもんなんだろうね。

素敵なTシャツもあったんだけど、(写真の右のほうに移っている恐竜の骨のプリントされたTシャツ)おなかのあたりがメインの図柄だから、背の低い私の場合は絵柄を見せようとするとワンピースのように長くなってしまうし、ズボンにINしたら見えなくなってしまう。
こういう理由があると、無駄遣いしなくて済むから良い。

寝袋

骨ラーメンというものもあった。
骨はチベットケサイの化石の骨である。
美味しそうには見えない。
こういうものは自分のためではなくて、誰かにプレゼントして話題にするために買うと良いのだろうなと思う。

骨ラーメン


無駄遣いしないですんだ、と思ったが、結局娘にねだられてぬいぐるみを買ってしまった。
こういうところのぬいぐるみって縫製がわるいよな。
一度破れ目を見つけて取り替えたんだけど、家に帰ってしばらくしたらあごのところにほどけているところがあったので針と糸で修復が必要だった。

なかなかかわいい

さいごに

なかなか見どころもあり、なつかしくもあり、大満足であった。
また、ネットからの時間予約で余裕をもって見学できるようになったのは、コロナ渦の功罪の功の面だと思う。
背が低いこともあって、混んでいるとなかなか見られない。
背が高ければ高いで、周りに気を使って、見ていて疲れるだろうと思う。
コロナがたとえば完全に制圧されたとしても、展覧会の時間予約は残ってほしいなと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?