はてなブログ「処理水放出は嫌がられて当然」という小学校教諭の主張に関して
小学校教諭である filinion先生がはてなブログで、次のエントリを公開しています。
処理水の海洋放出に対する、中国による無関係な日本人への迷惑行為(投石、迷惑電話)が頻発している現在、正しい理解ではなく誤った理解で処理水放出を否定するのは、迷惑行為を助長します。このエントリを読んだ限り、泥酔して書いたと言われれば納得する、論理の破綻した支離滅裂な文章なので、それを説明することで迷惑行為の助長を少しでも防げれば、と思います。
次の5つの項目について説明します。
1 filinion先生は自分の文章すら理解できない
2 filinion先生のエントリに反する、有害物質を水で薄めたら排水が認められる実例
3 都合の悪い情報は隠すfilinion先生
4 filinion先生独自の安全基準(謎)
5 処理途中の中間物質 ALPS処理水に固執するfilinion先生の不思議
1 filinion先生は自分の文章すら理解できない
エントリ冒頭「忙しい人のためのこの記事のまとめ。」にある
が明らかに嘘だというのが、本文からわかります。
と書いているからです。本文で「処理水放出は工場排水で操業停止になるような酷いインチキ」と書き、まとめでは「処理水放出は安全だとわかっている」と書く。整合性のない文章でしか、自分の文章をまとめられないということは、filinion先生には自分の文章すら理解する能力がないということです。
2 filinion先生のエントリに反する、有害物質を水で薄めたら排水が認められる実例
1で示した「海水で薄めたら基準値以下になったから海に捨ててオッケー!」って、工場排水とかでやったら一発で操業停止になるやつだと思うというfilinion先生の思いは根拠が示されていないので、その思いは虚偽であるという反例を示します。filinion先生の主張は「基準値を超えた物質はすべて、薄めても排出してはいけない(だからトリチウムも許されない)」なので、これを否定するには、「ある濃度を超えたら排出できないが薄めたら排出できる物質がある」事例を挙げれば十分です。
東京大学 環境安全研究センターによる分析項目と排水基準値は「ヨウ素消費量は220mg/L未満」、「亜鉛とその化合物は2mg/L以下」など、排出水に含まれる物質の許容限度を示しています。
環境省の一般排水基準にはカドミウムなどの有害物質の許容限度が示されています。
filinion先生の思いに反してIAEAが認めているのは、これらで示されている物質と同様に、薄めて濃度を下げることでトリチウムを排出しても環境に影響をほとんど与えない、ということです。
3 都合の悪い情報は隠す
都合の悪い情報は隠す、というのは東京大学名誉教授のフェミニスト上野千鶴子先生が知らしめた文系学問の手法で、石原発言捏造テロップ事件ではマスコミが発言の一部を削除することで正反対の意味に改変しました。filinion先生も同様の方法を採用しています。
filinion先生が「ALPS処理水はトリチウムの安全基準を満たしていません」と主張し、訂正を求めた側こそデマだと批判している根拠は、経済産業省による次の文章です。
これと同様の文章が、同じく経済産業省のALPS処理水を説明するウェブページで見つかります。
filinion先生にとって都合の悪い「トリチウムについても安全基準を十分に満たすよう処理するので、環境や人体への影響は考えられない」という経済産業省の説明を隠し、ALPS処理水の定義変更を告知するページだけを示して、海洋放出された水が安全基準を満たしていないことを経済産業省が認めたかのような改変を行い、虚偽の情報を流布しています。そして株式会社はてながfilinion先生の言論の自由をしっかりと支えています。
4 filinion先生独自の安全基準(謎)
これまで見てきたように、filinion先生は「トリチウムの安全基準を満たしていないALPS処理水を薄めて排出するのはインチキだ」と主張しています。つまり、トリチウムを薄めれば排出してよいというIAEA基準とは別の安全基準を、filinion先生は確固たる信念で持っているわけです。しかし、filinion先生は
と、IAEAの安全基準を否定し、独自基準を持っているのに対立しないと言い切っています。論理的な整合性が皆無ですね。
さておき、このエントリを読んだ人は、「薄めるのがインチキならfilinion先生は薄めても変わらないものを安全基準にしているはずだ」と考えるのが論理的です。トリチウムに関して薄めても変わらないのは総量です。しかし総量については、中国韓国といった周辺国が大幅に上回るトリチウムを排出しています。なので、filinion先生のエントリに「フランスや中国のトリチウムの話も、本筋とは関係ないけどちゃんと書いてある」けれど、理解していないのではないか、とこのエントリを読んだ人は当然ながら疑問に思います。「「安全な処理水放出」を受け入れることに、周辺地域や周辺国には何の利益もない」とfilinion先生は書いているけれど、日本を上回る(filinion先生独自の安全基準かもしれない)総量を排出している中国韓国のトリチウム放出を受け入れている日本に何の利益もないのは同じでお互い様なので。
そこで、エントリの読者があえて確認の意味を込めて中国韓国のトリチウム放出をfilinion先生に指摘した返答が次です。
filinion先生は話題として触れているけれど、エントリの内容と食い違っていて支離滅裂なことに気づいていないようです。結局、filinion先生独自の安全基準は謎なのに、安全でないと断定し、だから処理水排出を否定するのだ、というエントリになっています。
5 処理途中の中間物質 ALPS処理水に固執する不思議
ここまで見てきてわかるように、filinion先生は異様なまでに、処理途中の中間物質でしかないALPS処理水にこだわります。経済産業省のウェブページにあるように、海に排出する時点での安全性こそが重要なのですが、処理途中の中間物質に固執し、安全基準は示さない。filinion先生の主張は科学の裏付けとは完全に無関係な、とにかく否定するんだという熱意の賜物です。
この後もfilinion先生のエントリは続いていますが、論理的整合性のない文章をもう読み進める必要はないでしょう。