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僕が中塚駿太に伝えたいこと

2021年末をもって西武ライオンズから戦力外通告を受けた中塚駿太とは何かと縁がある。中塚の1軍登板は5年間在籍で通算9試合しかない。僕はそのうち3回を現地で見ている。

中塚のプロ初登板となった2017年9月24日のオリックス戦。5点リードの9回に登場した中塚は、2球でツーアウトを取るものの、その後12球続けてボールを投じ満塁としたところで、ストッパーの増田にマウンドを譲った。

僕は、この試合をネット裏の席で見ていた。

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僕が、再び中塚を目にしたのは2020年の京セラドームだった。

序盤で先発ニールが炎上した試合に、敗戦処理として登板し、1回を見事三者凡退に抑えた。

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その8日後の9月26日、今度はメットライフドームで中塚が投げる姿を僕は見た。この日は、先発のショーン・ノリンがアクシデントで降板。緊急登板した中塚は一失点を喫したものの2回を投げぬき、試合を立て直した。

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この年に、中継ぎとして一定の成果を残した中塚だったが、2021年は1軍で登板することなく、戦力外通告を受けた。その時の心境を自身のインスタグラムに以下のように綴っている。

僕はこの5年間ほとんどが2軍生活で、チームの役に立つことが全く出来ず、何度も期待を裏切ってきました。両監督、コーチの方々、ファンの皆様、本当にすいませんでした。結果が全ての世界ですので今回受けました戦力外通告は覚悟していました。

僕が、この投稿を読んで感じたのは、「『すいませんでした』なんていう必要はないのに」ということだった。そして、「チームの役に立つことが全く出来ず」という表現は、間違っていると思った。

それが、どんな場面であれ、マウンドに立ち、打者に立ち向かい、アウトを取ることができたのであれば、チームの役には立っている。

確かに数は少ないかもしれない。入団当初の期待から比べたら残念なものだったかもしれない。

ただ、僕は一人のライオンズファンとして忘れない。現地で見た、必死で腕を振る中塚駿太を。

試合を閉める、あと一歩まで迫った試合を。

敗戦がほぼ確実な中で、試合を一定のクオリティ内に収めたピッチングを。

急遽、マウンドに上がり、序盤で壊れそうな試合を見事に立て直した姿を。

裏切った期待もあったかもしれない。でも少なかったとしても、期待に応えてくれた姿が確かにあった。だから、野球を続けるのであれば応援するし、違う道を行くならば、胸をはって次のステージを目指してほしい。

僕はライオンズのために、戦ってくれたすべての選手に対して、そんな風に思っている。

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