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vol.15 朝井リョウ「正欲」を読みました…

朝井リョウ先生の「正欲」(新潮文庫)を読みました。

今回は、読んだ感想を書いてみました。


積読はされていたけど…

・2023年映画化がされた
(東京国際映画祭の
最優秀監督賞・観客賞受賞のW受賞作品)

・累計50万部突破

・まだ、朝井先生の本を読んだことがない

・文庫の帯の
「読む前の自分には戻れない」
という言葉がずっと気になっている

これらの読んでみたい要素がたくさんあり、
文庫にもなったので購入したのですが、
しばらく積読になっていました。


今村先生の言葉は重い…

ABCラジオの今村翔吾先生の番組を
聞いていると、今村先生の口から、
「朝井リョウ」先生の名前が出てきました。

今の若い人で、「きている作家」として
紹介されたのです。

ちょうど、好きなミステリーも読み終えた
ところで、次に何を読むか迷っていたところ
だったので、さっそく読んでみることに。

朝井先生がどういうジャンルについて
書かれているのか、知らなかったのですが、
最初の数ページで、心をつかまれた感じが
しました。

序章において、「多様性」に関する現在の
日本の風潮を的確に書かれていたのですが、
「うるせえ黙れ」の一言。

物語は、ここから3人の主人公が登場し、
それぞれが抱えている問題に対して、
向き合っていく姿が描かれていきます。


それぞれの悩み…

1人目は、検事の寺井啓喜(てらいひろき)。
妻と小学4年生になる息子の3人暮らし。

息子の泰希(たいき)が半年前から学校に
行っていない、という所から始まります。

2人目は、寝具店で働く桐生夏月。

自分を客観視できている分、周りとの
人間関係や、仕事に対して、諦めている
感じが伝わってきます。

3人目は、大学で学祭の企画を考えている
神戸八重子。

男性が女性を見つめる目線に嫌悪感を
抱いているなど、それぞれが
悩みを抱えています。


まとめ

解説を書かれた臨床心理士の
東畑開人さんは、朝井先生のことを
「意地悪だ」と表現していましたが、
「正しさとは何か」ということが、
作中ずっと問われていました。

それぞれの正しさで、みんな生きていて、
そして悩んでいました。

自分自身に対しても
今後の「縛り」になりそうな作品でした。

今の自分の行動は正しいのか・・・?

5月末に受けるFP2級の勉強法は、
これで正しかったのか・・・。

これからの全ての行動において、
「正欲」を思い出すことになりそうです。

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