見出し画像

エバーテイルの謎(エッセイ)

YouTube、Twitter、その他もろもろ。「それ」は突然やってくる...。分かっているだろう?なんの広告かは。広告と向き合う時だ。

エバーテイル。何すかあの広告。グロテスクさとポケモンのメタフィクション的ストーリーで注目を集めているゲーム、エバーテイル。何が一番面白いって、広告の内容とゲームの内容が全く違う事だ。

広告では、16bit風のグラフィックに、アンダーテールやポケモンに影響されたようなストーリーが展開されているのだが、ゲーム本編は全く違う。普通のスマホファンタジーゲームだ。別にグロテスク要素も全くないし、そもそも16bitじゃない。どういう事なんだ?

広告詐欺、という言葉がある。大抵、広告のイメージと実際の商品が全く違う時に使う言葉だ。「あのハンバーガー、広告と違って肉が全然入ってないんだよ。広告詐欺だよな。」みたいな使い方をする。けれど、エバーテイルのやっている事はまるで違う。ハンバーガー頼んだら牛丼が出てきた、みたいな感じだ。もっと言えば、牛丼屋なのに何故か出してもいないハンバーガーの広告を打ち、ハンバーガーを注文した客を追い返しているようなものだ。これは全く意図が分からない。

頑張って考察するに、結局どんな方法でも注目を集める事が、現代社会においては正義という事で、強引に注目を集めるために手を打ったという事だろうか。広告を作った人間がゲームをプレイして、これでは注目を集められないと判断して、ストーリーを一から作ったのだろうか。そういう意図なら、とりあえずは大成功だ。

エバーテイルだけではなく、最近はとりあえず絵力のある場面を採用して話題を集め、そこからファンを獲得していくというやり方が多い。とにかく目立たなければ、スタートラインにすら立てない。何故なら、ネット上にライバルは星の数ほどいるから。物事も言葉もより過激に、より尖っていく。

その風潮の成れの果てこそ、謎のエバーテイル広告ではないか。人々が楽しめるゲームでは、目立つような広告は作れない。インパクトのある、強烈なストーリーを作って注目を集めなくては、という思いが暴走して、あの存在しないゲームを扱った謎の広告が産まれたのではないか。

この考察が正しいのかどうかもよく分からない。実際は下らない理由なのかもしれないし、もっと深い理由があるのかもしれない。しかし、このような歪な広告は二度と生まれないでほしい。というか、普通に広告の内容で新しくゲームを作ってほしい。あ、もしかして、「広告のゲームで遊びたい!」という声を集めてそのゲームを出すという、二重の宣伝なのかも。だとしたら、相当やり手だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?