電車でノートパソコンをひろげる人

Twitter で、電車内でノートパソコンを拡げてる人の隣に座った人が写真を上げているのが回ってきた。一応画面にボカシをかけていたけど、本体に貼り付けてあったメモに個人名と対応内容が書いてあったのがそのままだったところ、写真を上げた本人も気づかなかったようで。電車内で撮った写真を晒すことの是非はさておき、ノートパソコン本体にそういった情報を紙で貼る辺り、モニターにパスワードを貼り付けるのと同じメンタリティなんだなと思いつつ、電車内でパソコンを開くという時点で情報リテラシーのかけらもない人なのだなと思いながら見ていた。

コロナ禍の前、通勤で毎朝京急空港線を使っていた頃に、そういう情景はよく見かけた。朝8時半過ぎに羽田空港を出たであろう都心方面の電車。羽田空港の時点ではガラガラだったのだろうけど、天空橋、穴守稲荷、大鳥居を過ぎて空席もなくなった車内で、ドヤ顔で東芝やパナソニックのノートパソコンを拡げて仕事している人。きっと、あさイチの飛行機で東京へ乗り込んできて、東京本社のえらいさん相手なのか、東京の顧客に対してなのか知らんけど、これから始まる一世一代の大勝負に向けて最終チェックをしながら気合を入れているのだろう。そういう人ってもれなく、社内以外で全く効力のないどころか個人情報でしかない社員証や、会社のロゴ入りストラップを首から提げている。またパソコンには「資産管理番号 xxxxxx」などとテプラが貼ってあったりして、傍から見てるとスタバの MacBook とは違った意味での痛さしか感じない。というか、

そんな重要なチェックは、せめて機内で済ませておけよ。


ほかに見かけたのは、部長と課長と思われしおっさん二人がノートパソコン開いてる横にいるヒラっぽい20代の若いの。
「そこの部分は、この iPad で作っておきました。ほら、この通り!今からメールで送りますね!」
と、画面を見せながらドヤ顔。

ノートパソコンしか使えないおっさん相手に、タブレットを使いこなす俺様を演出するのはすばらしいし、自分もそういう時期あったし、気持ちはよーくわかるんだけども、

会議室でやれよ。無理ならせめてカフェか出先のロビーでやれ。

電車は会議室じゃないし、情報漏洩のリスクしかないのわかってないのかな?

あとあったのは、糀谷から乗って、連結面のすみっコ席の前に立ったら京急蒲田でそこが空いた。入れ替わりに座ろうとしたら隣のノートパソコン開いたおっさんが電光石火横スライドして席に割り込んできたことがあった。一応小さい声で、
「すいません」
と言っていたけど、何やねんこのおっさんと思いながら隣りに座ったら、画面が丸見え。営業部の偉いさんらしく、部下から来ているメールを次々処理していく。
「〇〇失注しました」
「✕✕価格交渉が難航してます」
「△△の件で相談ですが〜」
電車は梅屋敷を越えて大森町にさしかかるあたり、窓の向こうに見える富士山よりも視界の片隅に入ってくる内容が気になって仕方がない。たまたま個人名が見えたので、手元の iPhone で Facebook を検索してみたら一人ヒットした。大阪の淀屋橋近くにあるオフィスビルの◯階に入ってる会社にお勤めの様子。
ほどなくおっさんは読んだメールに対して、片っ端から返事を書き始めた。メアドまるわかり。ドメイン名を iPhone の Safari に打ち込んでみたら、ホームページがヒットした。大阪市中央区…、淀屋橋近くのオフィスビルの◯階。ビンゴ!
おっさんは平和島を過ぎて青物横丁までの間にメールを三通送った。そこに出てきた三人分の名前を片っ端から Facebook に入れたら、最初にヒットした名前と Facebook で友人関係。ここまでガチガチだと、100% の可能性が 120% ですな。

そのままヲチし続けたかったが、品川に着いてしまったので終了。もっともその内容を Twitter で晒したりする趣味はないのだが、セキュリティのケーススタディとしてここに残しておく。
電車内に限らず、外でノートパソコンを使う時はプライバシーフィルター必須だよ。またお行儀よくしておかないと、悪意を持ってしまった人間に晒されることがあるよと。

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