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デザインで伝えることについての授業

今日は東京都の大学でゲスト講師としてzoomで授業をしました。
人前で話すことは、イベントや取材などで時々あり、あまり抵抗がないのですが、
学生の皆さんにお話しする機会はこれまでほとんどなかったので、どんな反応かな?とドキドキしていました。

内容は、自分の受賞作品をもとにお話ししました。
作品についてはこちらに詳しく書いています。

差別の気づきから、作品制作に至るまでの道のり
人に思い伝えるときには、どのような方法があるのか、
当たり前の顔をして世の中に存在している差別について
自分の中に感じた悔しさ、悲しさ、違和感に蓋をしないこと
普段から「自分ならどうするだろう」と考えることのすすめ

などなどをお話ししました。

学生の皆さんは、とても素直に自分の意見を述べてくださり、私はとても胸が熱くなりました。
「自分が当事者」でなかったとしても、ちゃんと思いがデザインの力で伝えられると感じました。

「伝える」というテーマで、1つの課題を出しました。
制限時間は10分間です。
皆さんだったら、どのような伝え方をするでしょうか?

ご実家や、祖父母の家で、丹精込めて育てたお花が、道沿いを彩り、通行人の目を楽しませています。
しかし最近、何者かによって大切なお花が盗まれていることがわかりました。
家族はとても悲しんでいます。
あなたは、なんとかしてあげたいと考えました。
花泥棒がその手を止めてしまうような看板を考えてみましょう。
ただし長々と文章にかくのではなく、文字を使うなら簡潔に、
イラストや、記号や標識などのサインでもマークでも構いません。
正解はありません。自由に頭を動かしてアイデアを出してみてください。


皆さん、いろいろ考えたり周囲の人と話し合ったりしている様子です。
何人かの学生の皆さんに発表していただきました。
とても色々な視点があって、とても柔軟で、私はちょっと感動してしまいました。
デザイナーではない学生さんたちが、看板を作るというのは難しかったと思います。
しかし、それぞれが「自分ごと」として考えて、アイデアを出しました
この柔らかい感性をずっと持ち続けてほしい、と心から思いました。


何かを表現するには、普段からさまざまなことに対して興味・関心を持つことがとても大事です。
そして、そのとき自分がどう感じたのか、ということを大切にしてほしいと思います。それは他の誰かと比較できることではありません。
これから学生の皆さんは世の中へ、多種多様な社会の海へ出ていきます。
たくさんの出来事があるでしょう、嫌なことも嬉しいこともたくさんあると思います。
どうか自分の心を大切に、人生を思い切り楽しんでほしいなと思いました。




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