【試写】NHKスペシャル「山口一郎 “うつ”と生きる〜サカナクション 復活への日々〜」
私の”協会人生”の中で、決して長い期間ではなかったが思い出深いのがNHKスペシャル(以下、Nスペ)だ。私が大型企画開発センターに在籍していた当時、センター長は事あるごとに「Nスペの要件は、スクープ・感動・チャレンジだ!」と檄を飛ばしていた。
私自身のNスペが十分に要件を満たしたとは今も思えないが(ただし数字は良かった)、部外者となった今もNスペを見る上での私の基準は「スクープ・感動・チャレンジ」だ。
その観点からすると、5月5日に放送された「山口一郎 “うつ”と生きる〜サカナクション 復活への日々〜」は非常に残念な内容だった。うつを患った当人もこのコラムを読むかもしれないと思うと気が引けるが、敢えて論評を加えておきたい。
番組総評
NHKスペシャル「山口一郎 “うつ”と生きる〜サカナクション 復活への日々〜」
スクープ:★☆☆☆☆
感動:★☆☆☆☆
チャレンジ:★☆☆☆☆
当事者への配慮:★☆☆☆☆
NHKらしさ:★☆☆☆☆
合計:4/25点
オススメ度:★☆☆☆☆
【番組概要】
サカナクションのボーカル山口一郎が、うつ病を患っていたことを明かした。発症のきっかけは新型コロナパンデミックによる音楽業界の苦境を救おうと孤軍奮闘したことだった、という。
山口は2022年6月にうつ病と診断され、全国ツアーを中止。症状は一進一退だが、今春にバンド活動を再始動し、改めて全国ツアーに挑む。
試写した上での感想
正直、この番組をなぜ「Nスペ」で放送するのかが全く理解できなかった。
音楽シーンに疎い私にとっては、サカナクションは名前しか知らない存在だ。一バンドの一メンバーのプライベートを総合テレビで放送するからには、相応の社会的意義が必要となる。番組では、「うつ」を患っている方や、サポートする当事者、そして無数に存在する”予備軍”に向けた価値ある情報が伝えられるのではないかと期待して私は視聴を開始した。
「うつ」のことが何も分からなかった
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