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谷口家持続化給付金詐欺事件公判傍聴記・2022年11月28日(被告人:谷口光弘、小澤一真)

2022年11月28日
東京地裁第13刑事部
813号法廷
事件番号:令和4年刑(わ)第1670号等
罪名:詐欺
被告人:谷口光弘、小澤一真
裁判長・渡邉一昭
書記官・山田来実

この事件は、主犯格である谷口光弘が、妻や息子など家族を巻き込んで犯行を行い、持続化給付金10億円余りをだまし取ったとされる事件である。

15時10分の傍聴券の締め切りまでに、35枚の傍聴券に対し、30人前後しか並ばなかった。
入廷前は、法廷前の壁際に、並ばされる。
記者席は17席指定されており、すべて埋まる。
開廷前、二分間の撮影が行われる。
小澤一真の弁護人は、竹澤章一の弁護人と同じであった。がっしりとした、もさもさしたパーマのかかった中年男性である。机の上には、何も置いていなかった。
検察官は、髪の短い、眼鏡をかけた青年。机の上には六法を除き何もない。
裁判長は、前頭部から頭頂部にかけて禿げあがった、眼鏡をかけた中年男性。
撮影が終わると、検察官は風呂敷を取り出し、書類を机の上に並べる。弁護人も、鞄などを机の上に置く。
いつの間にか、谷口光弘被告の弁護人も入廷していた。髪を撫でつけた、サラリーマン風の中年男性であった。
小澤一真被告は、眼鏡をかけており、スキンヘッドに近い丸坊主だった。グレーの長袖の服、グレーの長ズボンを身に着けている。白いマスク、ベージュのサンダル。目つきは険しく見える。傍聴席の方をちらっとみて、入廷する。刑務官二人に挟まれている。被告席に座ってから、何やら頷いていた。
続いて、谷口光弘被告が入廷する。光弘被告は、がっしりとした体格で、浅黒い肌の中年男性。角刈り風の丸坊主。黒い長袖の上下を着ている。前を向いて入廷する。刑務官二人に挟まれている。
15時30分より、二人に対する初公判が開廷した。

裁判長『それでは、時間になりましたので、審理を始めます。被告人は二人とも、証言台の前に並んで立ってください』
被告人両名は、証言台の前に立つ。
裁判長『名前など確認します、私から見て、そちら側の被告人は』
光弘被告人『谷口光弘です』
声は小さくはなかったが、ビッグダディというイメージからすれば、小さめであった。
裁判長『生年月日は』
光弘被告人『昭和49年7月10日です』
裁判長『本籍は』
光弘被告人『三重県松坂市(略)』
裁判長『住所は定まったところはありますか』
光弘被告人『三重県松坂市(略)』
裁判長『追起訴状には住居不定とあるが、不定ではなくて、そこが住所』
光弘被告人『はい』
裁判長『職業は』
光弘被告人『会社役員です』
裁判長『追起訴状のとおり。もう一人の被告人、同じことを尋ねます。名前は』
小澤被告人『えー、小澤一真です』
裁判長『生年月日は』
小澤被告人『えー、昭和63年5月の25日になります』
裁判長『本籍は』
小澤被告人『えー、東京都新宿区百人町、すみません』
裁判長『起訴状には(略)と書かれている』
小澤被告人『はい』
裁判長『今は住所はどこになりますか』
小澤被告人『台東区入谷町(略)』
裁判長『職業は何ですか』
小澤被告人『無職になります』
裁判長『追起訴状に書いてある通りに、確認とれた。谷口被告人に対しては、7月11日付の起訴状、7月29日付の起訴状、8月23日、9月27日、10月18日、11月11日と、追起訴四つで、併せて、六つの起訴状。全部受け取っている』
光弘被告人『はい』
裁判長『谷口について、最初の二つの起訴状を朗読』
検察官『はい』
裁判長『小澤被告人についても、7月29日の起訴状を送った後、8月23日、9月27日、10月18日、11月11日、追起訴状四つ、全部で五つ』
小澤被告人『はい』
裁判長『小澤、7月29日付一つの起訴状について審理する。谷口について、7月11日付の起訴状と、それぞれについて、7月29日付起訴状、この内容をこれから検察官が読み上げる。長くなるので、元の席に戻って聞いていてください』
被告人両名は、頷き、被告席に戻る。

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