CSAで消費者が負担するリスクとは?

今日は、CSA(Community Supported Agriculture)に
サインアップした時、実際に消費者が生産者と
シェアすることになる『リスク』について
詳しくみていきたいと思います。

1. CSAにサインアップするという意味

CSA(Community Supported Agriculture)に
サインアップするということは、単純にその生産者さんから
野菜の定期便が届けられる、ということとは異なります。
また、その生産者さんが出店しているファーマーズマット行って、
ジャガイモと人参と小松菜を選んで購入することとも違います。
では、具体的にどう異なるのでしょうか?

大きくは3つあって、
・実際に農作物を受け取る前に一括で支払いをすること
・何が届くかを消費者は基本選べないこと
 (たまに、お肉や卵など商品を限定してのCSAもありますが)
・農作物を生産するにあたってのリスクを
 生産者さんとシェアすること
が挙げられます。

1つ目はリスクではなく金銭的負担のことなので
今回は2つ目と3つ目について見ていきたいと思います。
この2つは関係しているので、3つ目のリスクから先に
考えていきたいと思います。

2. 生産にあたってのリスクとは?

CSAにサインアップする消費者が生産者とシェアする
リスクは、ズバリ『作物が収穫できるかどうか』。
では、そのリスク要因はどのようなものが挙げられる
でしょうか?

・土作りが適切になされているか
・土地にあった農作物を生産しているか
・必要な作業人員を確保しているか
・必要な日照が十分に得られるか ...etc

挙げ出せばきりがないのですが、詰めていくと
『金銭的なリスク要因』と『天候リスク要因』の
2つに集約することができます。

『金銭的なリスク要因』は、参加者から前払いを
受けて必要な措置を講じられると仮定すると、
残るリスク要因は『天候』となります。

生産者さんの負担する天候リスクは、
昨今の異常気象も相まって顕在化することも多く、
ニュースでも大雨の被害にあった方のリポートが
されたりしているので、耳にされた方も多いと思います。

ここで一番のポイントは、最大のリスク要因である
『天候』そのものがコントロールできないこと。
だからこそ、CSAという仕組みが必要、とも言えますが
参加する消費者としては不安が残る部分だと思います。

3. 実際負担するリスクは?

では、『天候』リスクが顕在化した場合、具体的に
CSAに参加している消費者にとってはどんなことが
起こるのでしょうか?

ここで、アメリカのCSAについての記事を引用したいと
思います。

"especially with an established local farm,
this is unlikely to mean a loss of your investment and
more likely to mean that you get fewer peppers and
more carrots, for example."
( 地域の生産者が提供するCSAについて言えば、
 CSAに参加している消費者の負担しているリスクは、
 野菜の提供が全くされなくなる、というよりも、
 例えば、思っていたよりピーマンが少なくて
 人参の受け取りが多くなる、という種類のものです。)
                                                       −Turston Talk

ここで前提となるのは、生産者はもともと
天候はコントロールできないと承知している上で、
参加者の期待に応えるために、対策を講じているという
ことです。
例えば農地全体が水没してしまう、ということも
ゼロではありませんが、どちらかというと現実的なのは
例年に比べると雨が多い年、日照不足の年、
逆に雨が少なくて猛暑の年...。
それが天候リスクだと考えられます。
そんな天候を考慮して、雨に強い作物、
日照があまりなくても育つ作物、
水があまり必要ない作物...。
こんな風に多様な作物を生産することで、
特定の農作物の提供にはコミットできなくても、
その生産者さん全体の収穫の中で一定量を提供できるように
天候リスクの顕在化に備えて生産されています。
従い、All or Nothingではなく、Pepper or Tomatoの
リスクだと考えることができます。

4. まとめ

今回は、ある生産者さんをサポートしたいと思う
個人の参加者と生産者が、生産に関わるリスクと収穫物を
シェアするスキームであるCSAの、リスクについて
詳しくみていきました。
リスクというと、なんとなく自分は大丈夫、と思ってしまったり、
もしくはリスクがあるならやらない、となってしまったり。
個人でやっているCSAサポートインスタ(@csaolympia_lovefarmers)
に同様の記事を掲載したところ、
よりたくさんのトマトを受け取ることが農家のサポートになるなら
サインアップしたい、
というコメントを頂きました。
皆さんはどう感じられるでしょうか?
CSAのリスクについて、何かご参考になれば幸いです。

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