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「どうして第5波は収まったのか」について議論しました(9月27日こびナビTwitter spacesまとめ)

※こちらの記事は、2021年9月27日時点での情報を基にされています。※

2021年9月27日(月)
こびナビの医師が解説する世界の最新医療ニュース
本日のモデレーター:木下喬弘


木下喬弘
おはようございます!
そろそろ始めていこうと思うんですけど。もうネタが無いんですよ。喋ることないの。

分かります?
あんまりもう新しいことが無くてですね。

そもそも日本もですね、1回接種率が65%ぐらいはいきましたね。
2回目打った人も55%ぐらいかな。
かなりアメリカに追いついてきたわけです。

ここまでくるとですね、だいたいの人は打ったか、打つことを決めてるんですよね。
確かにブースターショットとか新しい話も少しはあるんですけれど、基本的にもう過去のことを喋ってるみたいな感じになって。
ネタが週1ぐらいしかなくなってきたというところもある訳なんです。

あ、池田先生どうぞ。

池田早希
やっぱりワクチン接種進んでいると思うので、試しに今聴いてくださっている方で接種した方は「100点」ってしていただけますか?

木下喬弘
今、1500人聴いているけれど。
みんなに「100(点)」ってやってもらうんですか。
……
池田先生、これ、やっぱりちょっと企画的に無理があります(笑)
やっていただいたみなさんありがとうございます。

池田早希
でも、パッと見たところ結構、接種済みの方がいらっしゃいましたね。皆さん、ありがとうございます。
嬉しいですね。

木下喬弘
嬉しいですね。

池田早希
やっぱり減らしていいのかもしれませんね。

木下喬弘
大丈夫ですよね。

前田陽平先生(Twitterネーム「ひまみみ」先生)
でも、やっぱり今もまだ1500人の方が聴きに来てくださってるってことは、逆に言うとやはりまだやっぱりコロナで何か新しいことがあった時に知りたいとか。

また、知識を深めたいというニーズはあるんだと思うんですよ。
逆に言うと需要としては。

だから、供給側としては絶対にこれみんなで共有しておきたいよねという知識が減ってきたとしても、まあ需要側としては。
ちょっと日常的にコロナの話題が医療関係者の間でも逆に減ってきてるんですよね。

木下喬弘
そうですね。

前田陽平先生
だから、新しいことがあってもアンテナがみんな立ってないっていうところは結構あるんで。やっぱり知りたいというところはあるのかなと思うので。

例えば、時間を短くするとか、時々飛ぶとかそういうのがあったとしても、細々と続けていって。

それこそ、内田先生が仰っていたようにサステイナブルな感じでやっていくのがいいんじゃないかなと思うんですけどね。

木下喬弘
運営かっ!

前田陽平先生
良いこと言った?
客観的なこびナビファンのひとりとして。

木下喬弘
もはや前田先生がね、運営よりも運営側なんですよ(笑)

峰宗太郎
というか、前田先生。
この1400人は前田先生のファンですよ。

前田陽平先生
いやいや、そんなわけないですから。

木下喬弘
朝から何やってんですかね。おじさんたちが集まって本当に。

前田陽平先生
今のところ10分間、役に立つ情報ゼロですから。

木下喬弘
やばい、やばい、やばい。
これこのままだと明日の参加者が100人くらいになっちゃうんで、そろそろ話をしましょう。


【テーマ1】 第5波はなんで収まったのか?

木下喬弘
今日は私、台本無しなんですけれど、いくつかネタは準備をしてたんです。
これでいこうと思います。

ぶっちゃけ第5波は何で収まったの? っていう話。

前田陽平先生
それ一番聞きたかったやつや。
よーしよし、いいです、いいです。

木下喬弘
ありがとうございます。
スーパーバイザー?! 

前田陽平先生
分かんない。全く分からないから僕に振らないで。
先週ちょっと学会に行っていて、めちゃくちゃモーニングセミナーとかもあってバタバタで。これに全く参加できなくて。

こびナビとの関わりが、黑ちゃんとグータッチしただけっていうことだったんで。
いやちょっとうれしいなあと思うので。

峰宗太郎
滋賀のお土産買ってきました? 

木下喬弘
またよう分からんことを言い出した人おるで。

前田陽平先生
黑川先生、買ってるんじゃないですか?
黑川先生がツイッターで書いていたんですよ。

黑川友哉
滋賀のお土産ね、見つからないですよ。
本当に滋賀のお土産ね、みんなもっと売って欲しいっていうぐらい。

前田陽平先生
いやいや、いっぱいありますよ。これまあまあ失礼な話で。
結構いっぱいありますよ。ちょっと第5波の話に戻りましょう。
第5波が収まった話。

木下喬弘
第5波がなんで収まったかっていうのはね「これだ!」っていうものがある人います? 

これいないんですよね。
よう分からんのですよね、本当に。

前田陽平先生
この間、Taka 先生ツイッターで紹介してませんでした? 
ワクチンを接種してない人との接触が減ったってやつ。

木下喬弘
そう、あれね。
そうなんですよね、それちょっと経緯を説明しますと。

僕、よく参考にさせていただいてる Dr. Tad という先生がいらっしゃいます。
僕は直接存じ上げない先生なんですけれど、ツイッター上で結構論文紹介されたりとか、データを紹介されている先生です。

彼がですね、東京都の検討会の資料を貼ってツイートされてまして。
夜間滞留人口、全体で見ると減ってないけれど、ワクチン未接種者とか部分接種者ていうんですかね、1回しか打ってない人で見ると、繁華街の深夜の時間帯の夜間滞留人口が減っているというデータをツイートされててですね。

▼参考
Dr. Tad Twitter ID:@tak53381102
https://twitter.com/tak53381102/status/1441575624678666241?s=20
出典:Twitter 2021/09/25

おお、これは。これちゃうか? と。
まさにこれや!と。

要するにハイリスク者が自分でハイリスク行動を避けて。
ローリスクのワクチン接種完了した人がハイリスク行動を取っていたら、全体としてはハイリスク行動を取っている人が増えて。

すなわち人流が減っていなくても実効再生産数が落ちてきて。
これは当然でしょうと思って。
これは僕、ツイートしたんですけど。

どうやら、年齢層別にワクチン接種率が違うということを元にデータを出していただけみたいです。

個別にワクチン接種したかどうかってどうやって調べたんやろ?と思って今日のスペースのために元データをちょっと眺めに行ったんですけど、滞留人口のそのデータの中にワクチン接種者かどうかということは入ってなくて、高齢者は夜間滞留人口は減ってなかったけど、若年層は減ったっていう、簡単に言うとただそれだけなんですよね。

その若年者の中でも、例えば中高年とか40代50代の中って打ってる人と打ってない人っているじゃないですか。

その中で打っている人は夜間滞留人口として維持されていて、打ってない人が減ったとかいうデータではないということなんですよ。

ここまで意味分かります? 前田先生。

前田陽平先生
分かります、分かります。
はい、僕もわかりますよ、それ。

個別にワクチン接種したかどうかをちゃんとデータとして反映させずに、年齢別でこの人達の何割は接種しているっていう形でデータを処理してるから、正確なことはちょっと分かんないような。

木下喬弘
そうなんですよ。
かなりアバウトな解析だということですね。

はい、峰先生どうぞ。

峰宗太郎
いや、このデータって。
そもそも僕知りたいんですけれど、人流ってこれ基本的には携帯電話とかで見てるってことですよね。

木下喬弘
そうです、そうです。

峰宗太郎
そうすると、携帯電話って何パーセントぐらいの人が持ってるんですかね? 

木下喬弘
それはほとんどの人が持ってるんじゃないですか? 

峰宗太郎
持ってるんですかね? 

携帯電話が交絡要因になっていないかな? っていうのがふと思いついちゃった疑問だったんですよ。

携帯電話持ってる人の方がワクチン打ちやすいとかね。

木下喬弘
まあそれはもちろんあるんですよね。
でも多分、世界中で人流データを解析してるところで、そこを調整できる人はいないので。

ちょっとそれは限界として置いておきましょう。

さて、私はずっと言っているんですけれど、パンデミック始まってから日本の貢献って何かっていう話もあるわけです。

端的に言うと、クラスター対策班が見つけた3密の回避以外にパンデミックに対する日本の貢献って無いんですよね。

アメリカの貢献とかはっきりしていて、ファイザー、モデルナ。
まあ、ファイザーが開発したって言うのはちょっと微妙で。
技術はビオンテックだからドイツかもしれないんですけど。
まあ、いずれにせよですね、ワクチンを開発したっていうのがアメリカのすごい大きな貢献ですよね。

一方、ワクチンが普及し始めてから、ほとんどのデータってイスラエルとイギリスから出てますよね。

その変異ウイルスの伝播性の上昇のデータなんかは、ほとんど Public Health England(英国公衆衛生庁) から出てきております。

アメリカからも少しは出てるんですけれど、日本のデータっていうのはですね、ほぼ無くて。

この第5波がなんで収まったのかって話をする時に、なんかよく言われるじゃないですか。
専門家はなんで収まったのかということを総括せずに、何か次の波に無策で突っ込んでいるからけしからん!みたいなこと言われるんですけれど。

分かりようがないですよね。
なんでかというと、データが無いんで。

だからシンガポールみたいに全ての ID とワクチン接種の有無とかが紐づいていて、その人たちがどんな動きをしていたのか? みたいなデータを与えてくれるんだったら解析できる人がいっぱいいると思うんですけれど。

でもデータがないと、どうしようもないですね。
どうやって調べたらいいんだっていう話になるので。

まあ無いものねだりしてはいけないっていうのはずっと思ってるんですけど、そのあたりどうでしょう? 

峰先生、どうですか?

峰宗太郎
いや、仰る通りで、これ本当に監視社会と隣り合わせだとは思うんですけど。多くの人の状況ね、正確にトレース(追跡)できないとデータ無いですよね。

データの前にまず仮説を立てる段階で、おそらくいくつか仮説あると思うんです。
例えば、ワクチンの効果が出てきたとか、人流が減ったとか。

それから緊急事態宣言で飲食店を閉じて飲食店でのクラスターが減ったとか。

ただ、飲食店が要請をどのぐらい守っているかとか、そういうデータさえ無いんですよね。

木下喬弘
そうそうそうそう。

峰宗太郎
だから、それはどの仮説を言うのも自由だけど、どれであるとも断定できない。これ専門家も何もデータ無い状況では誰も何も言えないですよね。

木下喬弘
いや、本当にその通りだと思うんですよね。

僕が立てている仮説はですね、アベプラ(ABEMA Prime)という番組に呼んでいただいた時にその場で思いついて立てた仮説なんですけど、意外とハイリスク行動を取っている人ってそんなにいないのではないかという仮説を立てているんですよね。

つまり、何を言ってるかというとですね。

日本では人流が減っていないことが話題になっている。

第5波になって4回目の緊急事態宣言をしても、人流はあまり減らなかった。

人流は減っていないのに、これだけ急激に実効再生産数が下がるのはおかしい。
「人流は関係なかった」みたいな。
そんな記事までですね、飛び出してきていて。

いやいや、ちょっと待ってくれよという話をしてたわけなんですけれど。

これはだいぶ前に戻ってですね。
8割おじさんが「8割接触機会の減少」と言った時に、これ実はニコニコ動画かなんかで言っているんですけど、そもそも接触機会っていうのは
感受性人口×接触割合だと。

これ意味分かります?

れおにい(岡田玲緒奈)行けます? 
喋れないパターン? 

岡田玲緒奈
うん、分かりますよ。

木下喬弘
で、感受性割合っていうのは要は人流で代用できると。何故なら当初に感染して免疫を持っていた人はまだほぼいなかったので、街に出ている人は全部感受性があるだろうという仮説があったわけで。

今はもちろんワクチン打ってる人がいるので、だいぶ変わってきているわけなんですけど。

まあ、いずれにせよですね、まず1つ重要な要素というのは人流だと。
街に出てる人がどれだけいるかと。

で、もう1つの重要な要素というのは接触割合なんですよね。
つまり、街に出ている免疫持ってない人達同士がどれだけ接触をするかという割合で、それで掛け算で8割減にまでしたらいいんですよということを言ってるんですね。

つまりですね、人流は50%減して。
接触割合を50%減にすると半分の半分なので1/4になると。

そうすると接触機会としては1/4になるって75%減だっていう風な計算ができるというところをこれ実は西浦先生がもう1年半くらい前から言っています。

なので、デルタがマスクしていてもうつるどうこうというのは、ちょっと一旦置いといて、人流減らさなくても全員がマスクを完璧にしてたら、この接触割合自体を減らせるので感染抑えられるんですよっていう話が元からあるわけです。

人流は十分条件だけど、必要条件ではないということです。

人流を減らすと確実に感染が収まってくるけど、人流を減らさなくても感染を抑える方法ありますよっていうのは、別に全然真新しいことじゃないんです。

このことを今更記事にして人流は嘘だったみたいなこと言ってる人、何を言ってねんっていうのを僕は思っていたわけなんですけれど、そういう話が大前提としてあるわけですね。

峰先生、ここ異論ありますか、何か?  

峰宗太郎
全然ないです。

木下喬弘
そうするとですね、後はこれらの要素がどう関係してくるかっていうことなんですけれど。

やっぱり接触割合と感受性人口なんですよ。

街に出ている人達の中で、どれだけの人が感受性を持っているかということが結構重要になってきて、かつその接触割合ですね。

街に出てる人が、どういう風に人との接触をしているか? 

つまり、深夜マスク外して飲み会みたいなことをしているのか、街には出ているけれども外を歩いているだけでマスクをした状態で人と人がすれ違っている状況なのか? みたいなことが結構重要になると。

僕がこのアベプラ(ABEMA Prime)で言ったのはですね、ハイリスク行動というのは、すなわち接触割合の大きい、要はマスクを外して大声での飲食とか、そういうふうなイメージを持ってもらったらいいと思うんですけれど、そういうハイリスク行動を取っている感受性のある人って、そんなに多くないんじゃないかってことを言ったわけです。

つまりは、何を言ってるかというと、まだワクチンを打ってなくて毎晩飲み会してる人って全人口のうちの例えば1%未満とかそんなもんなんじゃないですか? ということですね。

まあ、ざっくり雑に言ってしまうと、その人たちの間でもう第5波で一巡したんちゃうかっていうことです。

もちろん仮説なので、本当に正しいかはわかりません。

何回も言ってますけど、日本は別にデータを提供できているわけではありません。
提供されていたとしても僕はデータにアクセスする立場にはないので、それを解析したわけではないです。

仮説として立てるとしたら、そういうハイリスク行動を取っている人の間に感染は広がって、デルタウイルスは非常に感染力が強いので、すごく急峻な波になるわけなんですが、その人たちの間で一定感染が一巡すると、当然下がってきますよね。
そういう要素も少しあるのではないかという話をしたっていう感じなんです。

それ以外にですね、いろいろ皆さん仮説があると思うんですけど、池田先生とかどうですか?
なんで今回、日本の第5波は抑えられたか? みたいなことに対してコメントありますでしょうか? 

池田早希
そうですね。
先生の仰る通りだと思います。

プラスいろいろな要素があるので。
やっぱり緊急事態宣言を出して、お店も8時に閉まっているとか、そういう状況がありますので、いろんな緩やかな対策が加わっているのかなっていう風には思いますね。

あとはやはりデータって本当に大事です。今、私の息子もそうですけれど、子ども達は結構、分散登校をしてたりとか、オンラインになっているところもほとんどだと思いますので、それの効果っていうのをちょっと数値で出して欲しいなって思います。
どのくらい効果があったのかはなかなか難しいですよね。

木下喬弘
そうですよねえ。これもなかなかね。

データを出すって、要するにそういうのをしようと思ったらワクチン打ったかどうかとか、データを出してもらわないといけないですけれど。

今、学校でワクチン打ったかどうかって聞いたら怒られるんでしょ?

池田早希
みたいです。
先生にも聞いたら、教えてくれないんですよね。

息子の通っている学校の先生方はどのくらい打っているんですかね? みたいなことをやんわり聞いたら、そういうことは全く言えませんのでって言われてしまいました。

ちょっとそういうのも心配ですね。

木下喬弘
もう本当に仰る通りで。

僕も実は基本的に DM(ダイレクト・メッセージ)で結構個別相談をいただくんですよ。
申し訳ないですけれど、ほとんどお返ししてないんです。

ただ、学校の先生から「教師やってるんですけど、ワクチン打ったほうがいいですか?」っていう DM が来た時だけは「いや、それはちょっと打ってあげてください」と言ってですね、珍しく返したんですけれども。

そういう状況でですね。
学校の中でも、先生ですらワクチンをうったかどうかっていうのを聞いてはいけないっていう状況で「データを出してなぜ収束したか説明せよ」とか言われても、そんな無茶なと僕は思うわけですね。

池田先生、どうぞ。

池田早希
そうですね。

親としてはどのくらいオンラインが効果あったのかっていうのが本当に気になりますし、またこれから波が出た場合は、やっぱり子どもの制限をさらに強めないといけないのかとか。

そういうのは本当に気になりますよね。

木下喬弘
仰る通りだと思います。

池田早希
海外のデータはあるんですけど、アメリカのデータとかだったら、そういう波が起こった時でも、接触が多いような他の環境と比べて、学校内での感染者数が多くはなかったっていうデータが出ています。

むしろ、感染対策をしっかりできていたから学校では少なかったというデータです。オンラインは様々な弊害もありますし、米国では子ども達ができるだけ登校することが推奨されています。

やっぱり海外のデータなので状況も違ったり、文化も違うのでなかなかそのまま日本に当てはめるのは難しいんですけれど、もちろん参考になると思います。

木下喬弘
ありがとうございます。
前田先生、何かあります?

前田陽平先生
そうですね。木下先生の説はすごく納得いくなという風に思います。
1つの説としては全然ありえるかなと。

やっぱりあとは他の要素っていうのも、もちろんプラスアルファになっているのかなということが1つと。

あと今後どうしていくかってことを考えたら、ワクチンパスポート的なものっていうのはやっぱり考えざるを得ないんじゃないかなということは、当然のことですけど思いますね。

木下喬弘
ありがとうございます。

これね、ツイッターで「ワクチンパスポート」っていうとすごい反発が来るんですけど。
日本人の半数以上がワクチンパスポート賛成らしいですね。

前田陽平先生
ああ、そうなんですね。

まあ、そりゃそうですよね。
合理的に考えたら、やっぱりそれしかないかなっていう風に思うんで。

先生がいつも言うように、打たない権利を認めることは大事だと思うんですけれども、かといって医学的に打てないっていう人は本当にごくわずかだと思うので、ちょっとそこはやっぱりしっかり明確に分ける必要があるかなという風に思います。

木下喬弘
ありがとうございます。
あ、どうぞ池田先生。

池田早希
日本だと「ワクチン検査パッケージ」なんですよ。

木下喬弘
そうそうそう。
これいいポイントで。

分科会が「ワクチンパスポートって言ってくれるな」って言ってるのを知ってました、皆さん? 

前田陽平先生
知らなかった。
そうなんですね。

木下喬弘
そうですね。
僕には違いがよく分かんないですけど。

ワクチン検査パッケージです。

つまり、ワクチンを打った人しかこれこれができないというのは避けろと。
代替案を常に提示しろと。

前田陽平先生
確かに公的なところで、その言葉をよく聞きますね。

木下喬弘
そうなんですよ。

前田陽平先生
ああ、なるほど。
でもそれは検査と組み合わせざるを得ないというのは、現実的にはそうだと思います。
仕方ないことかなと。

木下喬弘
はい、ありがとうございます。

前田陽平先生
ワクチン打ってない人は検査を受けるという不便を受け入れてもらうというのが現実的なところじゃないかなということを思います。

木下喬弘
仰る通りですね。
はい、内田先生。

内田舞
私は第5波を収められたのは、国民の皆さんが速やかに行動変容を起こせた日本のすばらしい文化のおかげだと思っています。

やっぱりアメリカに住んでいると、アメリカの国の分断が顕著に目に入ります。
ボストン界隈だと、12歳以上が99%接種し終わっていて、生活はずいぶん変わってきたところもありますが、それとは打って変わって、中西部や南部などは接種率50%以下の地域もたくさんあります。その地域でまだ接種されていない方々は、どんなに科学的なエビデンスを提示しても、そしてコロナ感染症になってしまっても、考えを変えないという方がたくさんいらっしゃります。

日本はそれと対照的でした。日本の場合は「第5波来た」というニュースが広まった途端に国民の多くが行動を変え、感染拡大を抑えられたことに関して、私は素晴らしいなって思うんですよね。

これはヤバイ状況だから、じゃあ今はあまり人と関わらない方が良い、マスクはした方がいい、と基本の感染対策をしっかりされた方が多いですね。更に、ワクチンの接種率もかなり日本は伸びていますので、それも第5波の抑制に関わったことでしょう。

みんながやばいと思って行動変容を起こしたっていうことが、この第5波を収められた要因なんじゃないかなと思いますので、その辺国民性として日本人が誇れるものだと私は思います。

そして、先ほど池田先生がお子さんの学校の先生にワクチン接種したかどうかを聞けない状況ということを仰ったことに対してコメントさせてください。

アメリカではファイザー・ビオンテックワクチンの3回目のブースターショットが数日前に始まりましたが、その対象は重症化のリスクと機能のリスクによって定められています。
基礎疾患などがある方が「重症化リスク」の高い方ですね。
「機能のリスク」というのは、「この方々がいなくなってしまったら社会の機能が大変だ」という方のことです。機能のリスクとして優先枠に入る筆頭が、医療従事者ですね。医療従事者にはエクスポージャーリスク(感染源に曝露するリスク)もあるので、尚更です。

そして機能のリスクのカテゴリーで、今回ブースターショット枠に入れらた職種に、学校の先生も含まれています。

3回目のブースターショットの件では、2回目の接種の半年後に打てる人の中に学校の先生も加えられました。やっぱりお子さんたちを新型コロナウイルスの感染から守るために一番効果的なのは、子ども達と関わる人達がワクチンを接種するということですし、また、対面での学校も続けることも国としてのプライオリティです。

学校の先生もブースターショットを打てるようになったことで、学校の先生の接種の重要性をかなり直接的にコミュニケートしてくれたなと私は感じました。

木下喬弘
ありがとうございます。
これ、実はですね。もう1つ持ってたネタの1つだったんですけど。

あの CDC(アメリカ疾病予防管理センター)がね、揉めましたよね。
FDA(アメリカ食品医薬品局)と。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)が結構イケイケで3回目接種やろうとしていたところに対して。

16歳以上の全年齢に対する現時点での3回目接種を却下して65歳以上にしか認めないということで。

で、医療従事者どうすんねんって話になって。

それはコメントに入れただけだったんですけど。

それを踏まえて、先週 CDC(アメリカ疾病予防管理センター) が実際にどういう風に打っていくのかを決めたわけなんですけど。

これはアドバイザリーボードが65歳以上のみとしていたのに対して、ワレンスキー所長の独断で、フロントラインワーカーという、医療従事者とエッセンシャルワーカーをあわせたものにも許可を出しました。

そのフロントラインワーカー、学校の先生とか、そういった人も3回目の接種の対象にするということです。

3回目接種はアメリカもなかなか揉めているなと思いながら私は見てたんです。
そういうふうな状況になっております。

ということで、まあぼちぼちですね。
皆さん、朝の仕事に向かわれた感じでこびナビメンバーも減ってきたので、このあたりにしようかなと思いますけれども。

池田先生と内田先生、何かございますか? 

内田舞
ボストンにお帰りなさ~い。

木下喬弘
ありがとうございます。
迎えにきていただいてめっちゃ助かりました。

内田舞
久しぶりにお会いできて、嬉しかったです。

木下喬弘
あ、ごめんなさい。池田先生どうぞ。

池田早希
いやいや、もう大丈夫です。
明るい雰囲気で終わりましょう。

木下喬弘
明るくない話題で、ごめんなさい。

池田早希
悶々としてしまったから。
日本の学校の状況とか、教師の状況とか。

内田舞
いや、子どもの学校の状況が信頼できないときは、悶々としてしまいますよね。子どもの安全に直接関わることなので、子どもを学校に送り出す親として気になるのは当然ですし。

池田早希
そうですね。たぶん子どものワクチン接種に関しては、周囲の大人が接種することが大事だ。大人の接種が優先だ。

そして子どもはデメリットメリットを踏まえた上で接種しましょうっていうスタンスの方が多いと思うんですけど。

その大人の接種、とても大事なところがちゃんとできてないところもありますので、それがとても不安ですね。

子どもをどう守っていくのか、どういう風なレイヤー・オブ・プロテクションを増やしていくのかというのはとても大事だと思います。

木下喬弘
いや、もう本当ね。この問題はなかなか難しいところで、アメリカの内田先生が仰っていたマサチューセッツ州は特殊ですから、どちらかというと。

内田舞
そうですね。マサチューセッツ州、バーモント州、あとハワイ州がなんかすごくワクチン接種率が高いということでしたね。

そして、アメリカではデルタ変異ウイルスが蔓延した中で子どものコロナ感染症による入院数がすごく増えたんですけど、接種率の高いその3州は子どもの感染者数や入院者数は増えなかったので、やっぱり大人の接種率を上げることが子どもの感染率を下げることは分かると思います。

木下喬弘
ありがとうございます。
ということですね。

実は僕はこのデータを持ってまして、18歳から65歳の接種率。

65歳以上の接種率はですね、ハワイ州99%以上、マサチューセッツ州も99%以上、コネチカット州・バーモント州は99%以上ということで、まあほぼ100%です。

18歳から64歳で見るとハワイ州91%、マサチューセッツ州86%、コネチカット州85%でバーモント州84%ということですね。

ここもかなり高い接種率になっているということで。
まあこのへんの Blue State(民主党を支持する傾向がある州)、ハワイ、+ニューイングランド地方ですね。

ニュージャージー州、ロードアイランド州とかも軒並み高いので、まあこのあたりはかなり接種率の高い所で、アメリカの中でも特殊です。

接種率の低い方を見ていきますと、ウェストバージニア州では、18歳から64歳は49%しか打っていません。

そういうところもありますので、まあアメリカはかなり州によって違うなという話になるわけです。

そんなこんなで8分超過しましたので、今日はこの辺りにさせてもらおうと思います。

だいぶね、ネタが無くなってきましたけれど、コロナ総合ということでお話をいたしました。明日は吉村先生なので、また医療政策的な話が出てくると思いますけれど。

ぼちぼち情報提供させていただきながら、僕も参加できる時は参加させていただこうと思いますので、みんなよろしくお願いしますということで。

本日のこびナビのスペースは、このあたりで終わらせていただこうと思います。

ご視聴いただいた皆様、どうもありがとうございました。
内田先生と池田先生もお疲れさまでした。
それでは、日本の皆さん良い一日をお過ごしください。

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