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好きの原動力と経済がつながる世界を | CANAL SQUARE 堀口健二 × COTEN

株式会社COTENの挑戦を応援してくださる、法人COTEN CREW企業の皆様をご紹介します。
COTENを通じて人文知に投資することを決めた彼ら。
日頃、どのような問題意識を持って活動されているのでしょうか。

今回は株式会社CANAL SQUARE取締役の堀口健二さんです。

堀口健二(ほりぐち・けんじ)
株式会社 CANAL SQUARE(キャナルスクエア)コンサルティング事業部取締役。大手企業を対象とし、戦略、企画段階からシステム構築、運用支援まで幅広い支援実績がある。
以前は大手企業向けERPベンダー会社にて、 HCM・AC・SCM システムの導入・運用保守を経験。その後、コンサルティング部門の組織統括、子会社にて経営企画・営業執行役員として従事し、本社帰任後は製品開発部門責任者を担当していた。

ITは人間を幸せにしたのか?

COTENインタビュアー(以下、ーー)CANAL SQUAREの事業について簡単に紹介いただけますか?

堀口健二さん(以下、堀口さん:)弟が学生時代にフリーペーパーの制作会社として創業したのが会社の始まりなんです。そのあと、農業体験をしていただく活動をしたり、3.11以降には風評被害で売れない果物を使ってお酒を売ったりしてきました。
当時、弟は採用支援や研修支援を形で大手の人事部様に人事戦略および研修採用などのアドバイザリーの仕事を当時していたんですが、そのスキルを生かして、コーチングの資格も取得してビジネスを始めました。
私は、比較的大きなシステムを開発する会社に所属してましたが、私自身はお客様のパートナーとして、人事制度や戦略についての相談も受けていたんですね。そういった経験を積んでいたので、私も離職して会社に参画してから、事業を広げていきました。

ーー今はどのような事業がメインなのでしょうか。

堀口さん:現在は、戦略企画から実装に至るまでの支援がメインですね。当社がシステム構築を受託することもありますが、システム構築ベンダーさんの選定やプロジェクト補佐を担わせていただくことも多いです。

堀口さん:学生時代にシステム開発やIT産業が一気にはやり始めたんですけど、そこに無限の可能性を感じました。さまざまなことをシステムに任せることができるんですね。つまり、人間が人間らしい活動をする余力を作るために発明された産業だと。ITをやっていくことで人間じゃないとできないようなことに対するリソースをどんどん割けるようになるので、世の中がもっと良くなる。そう思ってITの世界に入ったんです。
もっと前の時代に生まれていたら機械を作ったり設計したりといった職種を選んでいたと思います。

ーーなるほど!

堀口さん:でも、そのうちITの難しさにぶち当たったんです。ITバブルで一気に成長してはじける。そんな時代の中で、成長しながら人の役にたっていると体感していたんですけど、あるタイミングでSaaS、サブスクリプションモデルのIT事業は、ビジネスモデルとして錬金術的な可能性があるってことにみんなが気づいたんですね。そこからはマネーゲームになり始めている印象があり、必ずしもITは人々の生活を豊かにするだけではない、強すぎる力を感じました。そう感じたときに、自分は何をやってるんだろうなって考えるようになったんです。
世の中を幸せにすることもできているかもしれない。けれどもそうじゃない部分もすごく持っていて、ある意味自分にはすごく強すぎて扱いが難しいものかなって思うようになって、少し距離を置きたくなりました。

ーー資本主義の構造みたいなところに対して、違和感を持たれたと。

堀口さん:そうですね。いいこともすごくいっぱいあるんで一概には言えないんですけれどね。そこから独立して、IT以外のことにも少し触れてみるのが自分のキャリアにとって必要なんじゃないかなって思いました。
COTEN RADIOは、圧倒的に私たちがやりたいと思っている世界観を体現しようとしている人たちだと思うし、物の考え方に対する多角的な視点について考えるのにすごくヒントになる話をたくさんされていて、そういった観点からも面白いんです。

ーーやりたくないことをやらなくてはいけない、と感じられていたのですか?

堀口さん:それが必要だと思いながら生活している人に「ボタン一つでできるようになれば余剰ができる。それなら新しいことをやろう」と思わせられるものかなと思っていました。
例えば、お風呂に入りたくないとか歯磨きしたくないとかって思わないけれど、起きた瞬間に全て終わってる状態が世の中にあると知ってしまったら、やりたくないことになっちゃいますよね。
マイナスを排除するというよりも、より良くするものだと思っていたんです。

ーーITより以前だと機械化もそうですね。

堀口さん:そう。車を作る機械ができれば、それまでやっていた作業が必要なくなって、もっと良い設計をするにはどうしたらいいだろうと考える時間ができる。
でも、そこには実は多くの失業をともなっていたんですよね。
私も若かったから当時はすごくいいことだとしか思わなくて、世の中がすごく便利になって良くなっているとしか思ってなかったんです。

究極的利己の追求による利他の実現

ーーそこから法人COTEN CREWへのつながり、入られるきっかけなどあれば教えていただけますか。

堀口さん:COTEN RADIOを聴いて、当社がやってみたいと思っていたものを体現してる活動だと思ったんです。同じ価値観を持っていると感じたんですね。自社としてもそこに帰属したいというイメージで法人COTEN CREWになりました。一緒に何かできたらいいなという感覚でもありますね。

ーーシステム開発や戦略の分野とは少し遠い印象もありますが、同じ価値観というのは、どういうところに感じられたのでしょうか。

堀口さん:当社のミッションとして言っているのが「究極的利己の追求による利他の実現」という考え方です。
やりたいなと思ったり好きだなって思うことって、おのずと原動力が沸いてきますよね。私たちはそれを「永久機関」って呼んでいます。この「永久機関」という不思議なエネルギーを活用しないのはもったいないじゃないですか。
永久機関を活用して、いま生きていくための糧を得るような活動に組み合わせていくことができたらそれって人生ハッピーですよね。

ーーなるほど、永久機関って表現が面白いですね。

堀口さん:人生100年時代、長く働かなくちゃいけないっていうのは目に見えていて、でも嫌なことを70年やるよりも好きだなって思うことを70年やって死にたいじゃないですか。そんな考え方を体現されている活動なんじゃないかって思ったんです。
やりたいことに本気で取り組んで、そこに価値を感じられる人たちが参画してくる。それによって自分たちも経済的に自律した状態を維持できるし、仲間も増える。これだよ、これをやりたいんだよって感じたんです。

世界史データベースは時空認識を変える

堀口さん:空間を連続的に広く見ることができるようになったのって、Google Maps(グーグルマップ)の影響だと思うんですよね。

ーーどういうことですか?

堀口さん:以前は紙の地図を見ながら、いま自分たちはどこにいるのかなって探していくんですけど、どこかへ行こうと思ったら、同じ尺度で隣の地域を見たり違うエリアをのぞいたり、と思ったらまた違うページをめくってっていうやつだったと思うんですけど、
Google Mapsが世の中に出てきたとき、空間に対して自分がどこにいるのか、世界がどうなっているのか、世界のこの部分に対してもう少しフォーカスするとどうなってるのか。
この店舗に行くと美味しいご飯があるし、そこの写真もすぐに見られる世界になってる。これって、空間に対する認知の仕方が、ものすごく拡張されたと思うんですよ。

ーーそうですね。

堀口さん:想像できる人はいたかもしれないですけど、でも自分たちが住んでる街を上空から鳥瞰図で見下ろしてコロコロと移動するっていう描写を脳内でできる人ってかなり少ないと思うんです。ただ、Google Mapsを一度見たら、みんなができるようになった。世界の空間的捉え方の感覚が、ビフォーGoogle MapsとアフターGoogle Mapsで変わってしまった。

ーーGoogle Mapsが空間認識を変えたんですね。

堀口さん:そうなんです。で、空間に対する捉え方は変わったんですけど、時間に対する捉え方ってそれが起きてない。
もし、COTENの世界史データベースが完全に開発されたときには、もしかすると時間に対する考え方が、アフターGoogle Maps化する可能性を感じるって思ったんすよ。これ、できたらものすごいことになるかもしれないぞって。

ーーうんうん。

堀口さん:そうしたら、時間も空間も超えられるんですよね。素晴らしいじゃないですか、時空を超えるようになるかもしれないっていう可能性を感じるんです。ちょっとワクワクしませんか、こういうの。アフターGoogle Mapsになる、時代を変えることができる可能性があるんじゃないかなって思ってるんです、時間軸で。

ーーすごい面白い捉え方、初めての感覚です。

堀口さん:もし完成したら、人類の共通言語として、時間軸をずらしながらコミュニケーションができるようになるかもしれないんですよ。イノベーションが起きるかもしれないわけで。それって、参加したいじゃないですか。しかもそれを好きでやってる人たちがいるんですよ、これは参加するしかないじゃん!って感じですね。

ーー堀口さんって、人の利己が見えるとワクワクするんですね。COTENとのつながりや価値観の重なりみたいなところを感じます。

堀口さん:利己的に取り組んでらっしゃるっていうのが面白いし、私たちにとってもやりたいと思ってることを提言されてるなって感じています。
表現したいからとか、やりたいと思ってるからやることを、ちゃんと経済活動につながる状態になるよう実現しようとしているんですよね、難しいことなんですけど。
そういったところも、私達が実現したいことにもかなり近いなと思っています。

ーー堀口さんが提供されているサービスの中でも、根源にあるのは永久機関をどれだけ引き出すか、それをどれだけお客さんに表現してもらうかみたいなところが一番の価値観なんですね。

堀口さん:お客様もそうですし、当社の社員が働いていく中でも、自分のやりたいことが仕事の中で体現できそうかっていうのは、一緒に考えていきたいなと思ってます。

(編集:株式会社COTEN 内山千咲/ライター:森まゆみ


ここまでお読みいただきありがとうございました!

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