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【海外進出】くら寿司

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、今回は「くら寿司」をリサーチしました。
日本でおなじみの回転寿司チェーンですが、実は海外でもしっかり稼げる企業になっていました。
それでは、さっそく見ていきましょう〜


①概要

基本データ

企業理念:「安心・美味しい・安い」
事業内容
:回転寿司チェーン「無添くら寿司」の運営
設立
:1995年
上場市場:東京プライム市場
時価総額:1537億円
従業員数※:連結2329名 単体1617名(平均年齢31.3歳)
平均年収※:463万円
※会社四季報 2024年1集 新春号より

事業内容

くら寿司は大阪府堺市に本社を置き、関西・関東を軸に展開している回転寿司チェーンです。いわゆる「100円寿司」として創業され、独自のネタ作りや皿回収システム、「びっくらぽん」などファミリーで楽しめる仕掛けづくりが特徴です。

皿カウンター水回収システムの中身
ビッくらポン

くら寿司は日本で培った回転寿司事業を、アメリカと中国、台湾などのアジア地域にも展開しています。アメリカの子会社「Kura Sushi USA,INC.」は、NASDAQに上場していますが、2023年度は初の黒字化を達成し株価も大きく伸ばしています。

決算説明資料より
Kura Sushi USA,INC.の株価

②業績

直近の決算

営業利益:本業で稼いだ利益
経常利益:営業利益+本業以外の損益の合計
純利益:税金などを引いたあとの最終的な利益

2021年〜2022年にかけて、原材料費や運営コストの上昇(特に水産物価)の影響で営業赤字に陥っていましたが、収益力・客単価の向上、新規店舗および海外事業が寄与して、2023年度は黒字化&売上高過去最高を更新しました。

貸借対照表(B/S)

続いて貸借対照表を見てみましょう。
貸借対照表(バランスシート=B/S)は、その会社が持つ資産を可視化したものです。

流動資産:現金にしやすい資産(現金・受取手形など)
固定資産:現金にしにくい資産(土地・建物など)
流動負債:1年以内に返済が必要な負債(短期借入金・引当金など)
固定負債:1年以内に返さなくても良い負債(長期借入金・社債など)
自己資本比率:総資本のうち自己資本が占める割合。高いほど健全。

外食産業で店舗や工場を所有する影響で、固定資産が多くなっています。また、自己資本比率は50%を超えており、経営基盤としては健全な水準を維持していると思います。

損益計算書(P/L)

続いて損益計算書です。
損益計算書(P/L)は、その会社がどう稼いで、何にお金を使ったのかを可視化したものになります。

売上高:本業で稼いだ収益
売上原価:売上を上げるために直接かかった費用
販管費:商品の販売や管理にかかった費用(広告費や賃料など)
営業利益/損失:本業で出た利益/損失
営業利益率:売上高のうち営業利益が占める割合。高いほど効率よく稼いでいる。営業損失の場合は算出できない。

一般的に外食産業は薄利多売と言われますが、くら寿司も営業利益率が1%となっています。また、先程見てきたように、原材料費やエネルギー価格の影響をもろに受けるビジネスなので、利益水準をプラスに維持するのがなかなか難しいのではないかと推測します。
そんな中で、国外に目を向けたり、客単価向上のための工夫を凝らすなど企業努力は素晴らしいのではないかと思います。

株価の動向

次に、上場来の株価推移です。

アベノミクス相場で株価は大きく上昇し、コロナ禍の影響も受けつつ現在は高値圏に位置しています。今後の価格動向は、国内のインフレ(=値上げ浸透力)や原材料費、インバウンドなど多様な要素が絡んでくると思いますが、個人的には海外事業が伸びていけば、業績やブランドにも大きくプラスの影響を与えるものと期待しています。

③社員の口コミ

最後に、社員クチコミサイト「openwork」より社員評価を見てみましょう。回答者数が少ない場合がありますので、あくまで参考値となります。

総合得点は3.1点ですが、細かく見ていくと「待遇の満足度」「人材の長期育成」が低くなっています。外食チェーンなので、現場もコーポレートも日々の工夫や接客が重要になる一方で、利益率が低いために賃金に反映しにくい側面も多いのかなと推測します。
また、有給休暇の消化率も37%と、働く場所としての魅力には乏しいのかもしれません。

④まとめ

以上、「くら寿司」についてリサーチした結果、
・日本の回転寿司の代名詞
・海外に積極展開し初の黒字化を達成
・財務基盤は健全
・株価は高値圏で、コスト吸収や海外事業が今後を左右しそう

でした。

今後も個人的に気になった企業についてどんどんリサーチしていこうと思います。

参考資料


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