【国語力を高める100冊】 #14「合理主義」/『信仰』村田紗耶香 文藝春秋
たとえば、しばらく雨が降らず水不足で悩んでいたとします。この時、呪術や祈祷に頼ろうとする為政者と、ダムの建設や貯水タンクの整備を行おうとする為政者とがいたとしたら、あなたはどちらを信用しますか。それは、もちろん、後者ですよね。前者は、水不足の対策として、呪術や祈祷による効果が根拠不明なのに対し、後者では、水不足の対策として、理に適った対策を講じているからです。では、両者の違いはどこにあるのでしょうか。ある事典では、合理主義について、
と説明されています。つまり、理性的な分析