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25卒の内定状況はどの程度信頼できるか?

リクルート就職みらい研究所の調査では、2025年卒業予定者の4月1日時点での就職内定率は58.1%でした。前年の調査より9.7%上昇し、非常に高い水準となっています。

まだ内定のない就活生や、納得のいく結果の出ていない就活生にとっては、なかなかにショックな数字でしょう。

しかし、以前も投稿したように、この種の調査が、必ずしも全国で50万人ほどはいるであろう大学4年生や大学院生の実態を正確に表していることは言えません。

この調査の母数となっているのは、リクナビにモニター登録している3,941人の学生で、そのうち有効な回答が得られたのは1,472人とのことです。
大学生のうち、有効な回答を寄せたのは34.6%、大学院生では47.3%です。

統計学上、おそらくは人数としては適正だと考えられますが、その属性を考えると、いわゆる上位の大学の学生の割合が多いと想像できます。
内定していない学生はそもそも回答していない可能性が高く、大学院生の回答率が学部生より高いことからも、比較的内定を得やすい上位校の学生の回答が多い可能性が窺えます。

ですから、この種の調査は、年度の変遷を見る(今年は売り手市場であることなど)には有効ですが、あまりこの数字を見て一喜一憂しないほうが良いと思います。

これから採用活動の本番を迎える会社はたくさんありますし、現状で内定を出している企業も、これから内定辞退が増えることによって、採用活動を継続していくことも大いに考えられます。

確かに、この時期にすでに就活を終えている学生は、周囲から「すごいねえ!」と言われる企業からの内定を得ているかもしれません。
しかし、他人の内定先に関心を持ち続けるような人は、友人であっても滅多にいません。実際に就職して働き始めたら、そんなことは本人でもたいして気にならなくなるものです。

就活界隈では、「就職偏差値」なるものが存在し、一部の学生にとっては重要な指標のようですが、世の中のほとんどの人はそんなものの存在は知らないし、仮に自分から就職偏差値の高い企業に内定したことを誇ったとしたら、人間性を尊敬される可能性は低いです。

※次回、この時期に自分の就活を点検することに対するアドバイスを記したいと思います。


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