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誕生ラッシュ
我が家のカマキリの孵化が止まらない。
1日ひとつは孵化する勢いで毎日たのしい悲鳴をあげている。
でてくるのはみんなオオカマキリで、ハラビロカマキリはあともうひと月ほど待たなくてはいけない。
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一般的にカマキリの卵と呼ばれているものは、本当は卵が格納されている卵鞘とか卵嚢である。内部は空気の層が何重もあって冬の寒さから卵を守っている。その卵鞘の特定の場所からそれを突き破るようにしてカマキリの幼虫たちが出てくる。
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出てくるときの形態を前幼虫と呼んで、頭にある突起を利用して卵鞘の隙間を抜けるのだ。その姿は実に愛らしい。まだ透き通る体にくりくりの黒い目がついている。自ら吐き出した糸をつたって空中に静止すると手足を広げてもうカマキリの姿になっている。
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小さくてもいっちょ前にその動作はカマキリである。体をゆらゆらと前後にゆする歩き方はもう生まれる前からDNAに刻まれているのだ。彼らをみているとまったく惚れ惚れするほどに美しい。小さな戦士たちはしばらくお互いにじゃれ合っているが、一匹また一匹と自分の道を歩みだす。誕生してわずか30分足らずの出来事である。とても人間が真似できるものではない。
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