【消滅都市】タロットシリーズ考察 トラオム【塔】

この記事はスマホゲーム「消滅都市」に登場するキャラクター「トラオム」の解説および塔のタロットカードの個人的な見解と考察です。

※2021/11/13更新
世界線の解説に誤りがありましたので修正しました。

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■天上の世界の住人となったイリアス(トラオム)
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イリアスがどのような経路を辿って天上の世界まで渡ってきたのか?

塔のタロットの力は何だったのか?

個人の感想と憶測に過ぎませんが
並行世界や塔のタロットカードの性質について書き記しました。

もし、どれかひとつでもご自身の感性やイメージと合うものがありましたら参考になさってください。

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■別の世界線のイリアス(トラオム)はタロット無し?
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ゲーム内のベオの発言で考えると、
トラオム以外の世界線の彼はベオに介入されることもなく、
タロットの存在さえ知らないと思われます。

▼ベオとトラオムの会話にて

ベオ
「やっぱりキミはどの世界線をみても」(省略)

ベオ
「でも全キミの中でも」

「処刑から逃れて」

「復讐のチャンスを得られて」

「ボクによってトラオムと名付けられた」

「キミが一番幸せじゃない?」
※ランキングThe Nightmare Never Ends【上級】終わらない悪夢の会話より

これは、ベオが数々の世界線に存在するイリアスを観測し、どの世界線でも拷問や処刑される彼をみていたための発言だと推察します。

したがって、ベオが直接介入して塔のタロットを渡したのは王子イリアス(ランキングThe Nightmare Never Endsの彼)のみで、それ以外の世界線のイリアスと同一の人物はどのような過程を経ても残酷な拷問&処刑の末路を辿ってしまうのだと受け取りました。

※タロットを所有していないキャラ(ミウ・レオン・ヨミ)が並行世界に存在したのも、ベオの介入があったか&なかったのかの違いだと考えています。

あるいはベオ以外の観測者がみつけた
彼らのもう一つの可能性かもしれません。


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■パラレルワールドは過去・現在・未来と同時に存在する?
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近年の量子力学で語られる並行世界は、現在の時間軸と同時に進行し、過去と未来が重なり合いながら存在するものだと考えられているそうです。

相対性理論から発展したブロック宇宙論(説)と呼ばれる仮説では、過去・現在・未来が同時に同じ空間に存在し、時が流れるという概念がありません。

この仮説で例えると、塔のタロットを受け取ったイリアスはベオの所持する世界のタロットの力によって数百年分の時代と世界線を瞬時に移動し、天上の世界に連れてこられたのだと深読みしています。

過去・現在・未来が同時に進行する仮説があるなら、世界のタロットを所有するベオがイリアスを連れて天上の世界へ移動するのも容易だったのではないでしょうか?

これはイリアスが中世の時代から数百年分の時間を過ごしてカタリナ達と出会ったわけではなく、世界のタロットを所有できる不思議な資質を持ったベオと肉体ごと移動したという持論です。


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■イリアスは時を越えないままイデア界へきた?
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上記の通り、過去・現在・未来が同時に存在するとされるブロック宇宙論の仮説で考えるなら、イリアスが瞬時に世界線を移動することも可能だったのではないでしょうか?

カタリナに出会うまでの間、ベオと数百年間の時をどこかで過ごしたのではなくイリアスのストーリー後に天上の世界に渡った…と考えています。

またはイリアスが受け取った塔のタロットの影響もあるのかもしれませんが、肉体ごと時空を越えることができたのはタロットの力とべオの存在があったからだと思います。

仮にブロック宇宙論を鵜呑みにすれば、過去も現在と重なり合って存在するでしょうし、ベオが所持する世界のタロットには時間軸を移動する力もあったのなら、私たちが映画で観るようなタイムスリップの映像より簡単かもしれません。

※この量子力学の分野は専門外のため、これ以上の説明は控えさせて頂きます。過去と現在が同時に進行するテーマについて、クリストファー・ノーラン監督の映画『TENET(テネット)』がそれらしい描写をしています。それを観て頂けるとすこし時間軸の考え方について分かるかも知れません。


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■塔のタロットの力と代償
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なぜトラオムが
塔のタロット=『惨禍』の力と言ったのか?

これは塔のタロットが災いや破壊の意味を持つカードであるためです。

遠い時代、塔の破壊された描写は忌み嫌われるものと考えられていました。

そもそも、マルセイユ版以前の古いタロットには塔のタロットが存在しなかったのではという説があります。
(現存するタロットの中に塔のカードが見つかっていない為、存在したのかが分からない模様)

ウェイト版タロットはこの塔のタロットに占星術の火星を対応させて不吉かつ破壊的な含みを持たせています。

ただ、火星が凶星や災いの象徴と考えられていたのは古代思想によるものです。
現代解釈の火星はエネルギーや活力などポジティブな捉え方をすることが多いように感じます。


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トラオムの力の代償とは?
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塔のタロットには雷のような衝撃や破壊的な力がある一方、衝撃には心身に痛みを伴います。

痛みは物理的な衝撃を受けたとき以外にも、新しい価値観や発見を見つけたときに既存の価値観を覆されて精神的なショックを受けることもあります。


物理的な衝撃だったのかは不明ですが、失われし世界に渡った大人ホシがworld:Bのユキと接触した際に、肉体ごと世界線を越えるのには負担がかかると言っていました。

もしかすると、パラレルワールドから肉体ごとイデア界に連れてこられたトラオムには大きな衝撃だったのではないでしょうか?

このタロットに描かれた衝撃に対する「痛み」がトラオムにとっての力の代償だと思います。


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■イリアスとトラオムの属性について
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イリアス→木属性
トラオム→光属性

カタリナとイリアス(トラオム)のみ、タロット所持前と後では属性が変化しています。
これについて、疑問に感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

おそらく、この2人は死にゆく宿命をベオからタロットカードを受け取ったことで、本来進むべき未来を捻じ曲げられた可能性があります。

タロットカードの解釈だけだと、この属性の変化の説明がしづらいのですが、カバラの生命の樹(セフィロトの樹)にウェイト版タロットを照応させると属性の変化が見られます。

カバラの象徴体系も見方によっては、力のタロットと塔のタロットに暴力的で破壊的な似た性質の力を併せ持ったものとして読み取ることもできるのです。

カタリナとトラオムの相互の災いの力に関して、カバラの象徴体系を別記事にて説明したいと思います。

消滅都市とカバラに何の関係が・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが作成まで少々お待ちください。


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■睡眠欲を失ったトラオムに残されたもの
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仮に肉体と結びつく三大欲求(食欲・性欲・睡眠欲)が消えても、プラトンが説く思想では人間の根源的な知識欲と魂は一緒に存在し続けるそうです。

つまり、他の機能で生命維持ができるのなら、もし三大欲求を失っても死ぬことはなく、知識欲などの欲求で人は生きることができるのです。
なぜそう言い切れるのか?
それは個人的な体験の範囲内でしか話せませんが、
何かの機会があればまとめます。


消滅都市に戻りますが、もし三大欲求のひとつである「睡眠欲」が無くなっても魂と共に知識欲が存在すると仮定するのでしたら…

ベオの執事として仕えながら
本を読む=知を愛する

トラオムにとって睡眠欲を奪われたあとも、以前のように読書を好むこと
この行為が、眠れない体になった後の最大の楽しみだったのかもしれません。
(ソクラテスは知を愛する活動をフィロソフィアと呼びました)

カタリナとトラオムは他のタロット所有者と違って

・タロットを受け取らなかったら死ぬ運命だった

更にトラオムは
・どの世界線でも処刑される運命だった
・本来、どの世界線にも存在しない
(カタリナは並行世界の描写がないため不明)

ベオからタロットを受け取ることが良くも悪くも現世を生き、前に進む唯一の手段だったのだと思います。


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■エピローグ後、トラオムは眠れるようになったのか?
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ストーリーを読む限り、タロットの影響で眠れなくなった訳ではないので眠れないままだと考えます。

(イリアスと呼ばれていた際の拷問とベオに悪趣味だと言われた治療の跡はタロットを受け取ったあともエピローグ後も運命が変わったような描写がなかったため)



塔のタロットとトラオムの動画はゲームのストーリーとスタッフ本以外に、トラオムとカタリナのデザイナー様がSNSに投稿されていた裏設定を考慮しながら制作しました。


トラオムについて気になる点がありましたら追加修正します。
この記事が少しでもお役に立てばうれしいです。

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