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「ベスト盤」に物申す!

どうも、推しのベスト盤が悪名高きCCCDで心が折れたトラウマを持っている卯月綺華(カツペソ)です。

宇多田ヒカルのキャリア初のベスト盤『SCIENCE FICTION』が本日リリースされました。東芝時代になんか出してたけど知らない子ですね。
「日本のディーヴァ」のキャリア史上初のベスト盤はリリースが決まった段階で話題性も高く、世間からの注目も高いモノでした。(ついでにJFL系列で放送されていた伝説の番組『トレビアン・ボヘミアン』も復活させるという快挙を成し遂げている)

ところがFM802から流れてくる収録楽曲の1つである大ヒット曲『traveling』を聴いているとどうも違和感があります。

原曲が好きなのでこのリアレンジは正直「ない」と思っているのが筆者の感想です。なんというか……「原曲に対する冒涜」ですね。

今回のベスト盤は、例として挙げた『traveling』の他にも基本的に「東芝時代の曲はリアレンジ、もしくはリミックスされている」らしいです。(ちなみに宇多田ヒカルの現在の所属先はエピックソニー/ソニー・ミュージックレーベルズ)

「ベスト盤」だからといって喜んではいけない

これは筆者の経験なんですけど大好きなhitomiが「ベスト盤をリリースする」って決めたときはそりゃ飛んで喜びましたよ。
当時の彼女は『huma-rhythm』がバカ売れしてカバー曲にも関わらず『SAMURAI DRIVE』がその年のヒット曲として挙げられるぐらいの勢いでしたからね。もちろん「huma-rhythmツアー」と題して武道館公演も成功させている。まさにエイベックス黄金期の勝馬に乗っている状態でした。

しかし、当時のエイベックスといえば悪名高きフォーマットであるCCCD全盛期。当然ながらhitomiもその流れに飲み込まれてしまうことになります。(とはいえサブスクではフツーに聴けるのだが)

CCCDは当時のエイベックスの意向なので敢えて目を瞑っていましたが、個人的にモヤモヤしたポイントが「過去曲のリアレンジ」です。
Disc1からは『君のとなり』が、Disc2からは小室哲哉時代の楽曲のほぼすべてがリアレンジという体を取っています。(Disc1の『MARIA』のアルバムバージョンは『LOVE LIFE』に収録されていたモノなのでノーカン)

『SELF PORTRAIT』に収録されている『君のとなり』は、収録アルバムである『thermo plastic』(名盤!!)の初回盤にのみ収録されていたバージョンです。『君のとなり(thermo plastic version)』はアコースティックアレンジでキーが原曲よりも1つ低く、テンポも若干遅い。要するに、今で言うところの「THE FIRST TAKE」みたいな感じでしょうか。

Disc2の小室哲哉時代楽曲のリアレンジに関して言えば、リードトラックである『CANDY GIRL(SELF PORTRAIT version)』は渡辺善太郎氏のアレンジも相まってかっこいい仕上がりになっています。古参ファンがどう思うかはさておき、個人的に当時のhitomiっぽさが出ていて好きなアレンジだったのは確かです。

とはいえ、やっぱり「ベスト盤なら原曲を収録してほしい」と思っている身からすれば『SELF PORTRAIT』はCCCDであることも相まって「最低のベスト盤」として彼女のキャリアに泥を塗ってしまったカタチになります。(時期を同じくしてhitomiはこの年の紅白歌合戦を最後に1年間の活動休止期間に入ったがこのベスト盤と因果関係があるかどうかは不明。とはいえ自分のベスト盤がCCCDで出されたことに対して拒絶感を覚えてしまった可能性や当時のプロデューサーである故・渡辺善太郎氏がCCCDに抵抗していたという可能性もあるのだが

「ベスト盤」に物申す!

「世間的に過小評価されているけど自分は好きな」hitomiがベスト盤でリアレンジ・リミックス楽曲を収録するのはさておき、大御所である宇多田ヒカルがベスト盤でリアレンジ・リミックス楽曲を収録してしまったのは蛮行としか言いようがありません。これならまだ東芝時代に無許可でリリースされたベスト盤のほうがマシでしょう。
いくら「ベスト盤」だからといっても、やっぱりにわかファンというか……初心者が望んでいるのは「シングル曲の収録」だと思っています。リアレンジやリミックスは誰も望んでないはずです。

ちなみに、hitomiは世間的に「オワコン」になった頃にコンプリートベスト盤として『peace』というアルバムをリリースしています。こちらは小室哲哉時代から渡辺善太郎時代末期までのすべてのシングル曲を収録したベスト盤になっています。
奇しくも、『peace』をリリースしてすぐに渡辺善太郎氏はhitomiからいきものがかりのプロデュースへとシフトチェンジしたので今から思うと『peace』は「渡辺善太郎への置き土産」だったと思っています。(同じようなスタンスで「小室哲哉への置き土産」としてリリースしたベスト盤が『h』なのは言うまでもないが……)

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