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レトロTCG回顧録②~キングダムハーツTCG~

0.初めに

『鍵が導く心のままに』

前回「レトロTCG回顧録」ということで、~ブリーチ ソウルカードバトル~を紹介させて頂きました。

多数のRTやご感想、誠にありがとうございました。
今回はその第2弾となります。

今回ご紹介するタイトルは「キングダムハーツTCG」です。
SQUARE ENIXさんより展開されているキングダムハーツシリーズは、世界でも高い人気を誇る超大型タイトルです。
TVゲームに精通している方で、名前を知らない方はいないと思います。

あの「大乱闘スマッシュブラザーズ」にもゲスト参戦が決まっており、その人気は、今や世界でも上位のゲームコンテンツとなります。

そんなキングダムハーツも、カードゲームが存在していたことを知っている方は少ないのではないでしょうか?
また、存在は知っていても、遊び方や環境を知っている方はほとんどいないと思います。

もはやネット上に記録すらないこの「キングダムハーツTCG」ですが、
筆者は1弾から5弾が発売するまで、熱心にプレイしていた希少種でした。
ショップ大会から公式大会まで、ほぼ毎週、足しげく参加していました。

長らくメインTCGとして遊んでいたので、~ブリーチ ソウルカードバトル~の時よりも正確な環境推移をお話できると思います。

解説の際に簡単なルール説明はありますが、詳しいルールを知りたい方は、下記サイトをご確認ください。

※15年以上前の出来事となりますので、所々記憶違いがあるかもしれません、予めご了承ください。
※正確な記録が残っていない為、禁止制限に関しての内容はかなり曖昧です、大体この辺りでこんな感じの禁止制限があった程度にお考え下さい。

1.キングダムハーツTCGとの出会い

このカードゲームと初めて出会ったのは、2004年に開催された

キングダムハーツ プレミアムパーティー(8月26・27日)の会場でした。

このイベントは完全招待制で、今後のキングダムハーツの展開や次回作のPV等が公開されたイベントでした。
イベントに応募し、筆者は外れてしまったのですが、友達がペアチケットを当ててくれた為、参加することが出来ました。

そのイベントの来場者特典で貰えたカードが

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このプロモーションカードでした。
まだ中学生だった筆者は「キンハーのカードが出るんだぁ」という感想でした。
小学生の頃に遊戯王をプレイしてはいましたが、それ以降はカードゲームに一切触ってなかったため、新しいグッズの1つ程度にしか思っていませんでした。

イベントが終わり、三か月後の2004年11月11日にゲームボーイアドバンスのゲーム(チェイン・オブ・メモリーズ)と同時発売する形で、第1弾が発売されました。

2.ゲーム購入特典という鬼仕様とめちゃくちゃな1弾環境

まずキングダムハーツTCGのカードに触れたのは、製品を買ったのではなく、同時発売されたゲームに付いてきた特典カードです。
この特典カードは、計6種類あり、購入したお店で内容が変わる仕様でした。

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6種類中5種類は、プレイヤーカードと言われるバニラカードでしたが、残りの1種にとんでもないカードが入ってました。

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それがこの王様です。
ルールを知らなくても、TCGプレイヤーであれば一目でそのヤバさがわかるカードです。
0コストでデッキから好きなカードを1枚持ってこれます。確定サーチです。
そんなカードが弱いわけありません。超ぶっ壊れカードです。
これを持っていないと、このゲームをプレイする権利、人権が無いと言っても過言ではありませんでした。

1弾発売当初は、カードゲームではなくゲーム(チェイン・オブ・メモリーズ)の方に熱心でした。
ゲームをクリアし終わって、ふとカードゲームのことが気になり、公式サイトを見てみたところ、たまたま家の近所に取り扱っているカードショップがあり、そこで初めてカードを購入しました。

当時体験会等も開催されていて、プロモーションカード目当てに参加したのですが、その流れでカードゲームもプレイするようになりました。

まずカードゲームですが、ハッキリ言ってめちゃくちゃなゲームでした。
当初、デッキに入れられるカードの枚数上限すら決まっておらず、同じカードを何枚でも入れられました。

もちろん上記の王様も、何枚でも入れられます。

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こういったカードを引く系のいわゆるドローソースも、枚数制限がありませんでした。
はっきり言って、ゲームになっていません。

流石にこれではマズいということで、すぐにルール変更があり

・同じカード名かつ同じLVのカードはデッキに3枚まで
・バンビはLVに関わらず3枚まで

といったデッキ構築制限が入りました。

この頃からちゃんとしたデッキを作ろうと決意し、カード集めを開始しました。
やはり一番のネックはPR王様です、3枚持っていないとお話になりません。
中学生のお小遣いで同じゲームを3本買うのは不可能です。
オークションサイト等で特典だけで出品されているのを購入し、何とか3枚集めました。

ある程度デッキを組めるようになったので、この頃から大会にも参加するようになりました。

まず簡単なルール説明をします。

まずこのゲームは、勝ち方が2種類ある特殊なTCGです。

①相手のプレイヤーカードのHPを0にしたら勝ち
②1ターンに1回置けるワールドカードを積み上げていき、レベルの合計が13になったら勝ち

まず①のHPを0にする勝ち方ですが、この時点でHPを削る方法は、1ターンに1回行えるチャレンジという、プレイヤーカード同士で戦う方法しかありませんでした。
チャレンジで勝つことで、ようやく相手のHPを-1することができます。

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例えばこのプレイヤーの場合、HPが8ありますので、全チャレンジで勝ったとしても、最低で8ターンかかります。

一方②の勝ち方の場合、合計LVを13にすれば良いので、

・3+3+3+1+3=13
・3+3+2+2+3=13

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最速で5ターンで勝利することができます。
つまり、①の勝ち方は、②の勝ち方に対して、速度的に絶対に追い付けないのです。

もちろん②の勝ち方にも、妨害手段はあります。
それは、相手のワールドにハートレス等のカードを付けて、相手のワールドのプレイを妨害することができます。
ワールドの合計LVが上がれば上がるほど、強いハートレス等を付けて、相手の進行を妨害することができます。

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ハートレス等に妨害されている間は、ワールドを進めることができません。

しかし1弾環境では、この妨害という手段のハードルがあまりにも高すぎました。

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こちらは王様と同じくプロモーションカードであるヘラクレスです。
場に出しただけで、場にいるハートレスをバウンスすることができます。
もちろん、このカードも3枚入れることができます。
どんなに強いハートレスを置いたとしても、このカードでバウンスされます。
またワールドに置けるハートレスの数は上限が3と決まっている為、このカードを一気に3枚プレイすれば突破可能です。

ここまでの説明で、勘の良い方はお気づきだと思いますが、
このゲームは、"超絶先行ド有利ゲー"です。
1弾環境においては、もはや先行=勝ちと言っても過言ではありません。

またこのゲームでの先行後攻は、じゃんけんの前に決まるルールがあります。
それが"プレイヤーレベルの低い方が先行"というルールです。

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この2種類のソラの場合、先行はLV1のソラを使っているプレイヤーになります。
LVが同じ場合に、初めてじゃんけんとなります。

先行=勝ちと言っても過言ではない為、ほぼ全員のプレイヤーがLV1のソラかリクを使います。
つまり、プレイヤーのLVは最低値でないと、この環境では論外ということですね。

そんな超絶先行ゲーの中、ゲームの攻略本にもプロモーションカードが付いてきました。
そのカードがこちらです。

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今までのプレイヤーカード、全て使わなくなりました。
この通称サンタソラの登場で、環境のプレイヤーカードは10割このカードになりました。

サンタソラ同士であれば、結局先行後攻を決めるのはじゃんけんなので、1弾環境は時間のかかるじゃんけんと化しました。

プレイヤーカード以外だと、1弾環境では

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このドナルドが超絶最強仲間カードとして、この後も長く使われるようになります。
簡単にルールを説明すると、このゲームでは仲間や召喚獣をプレイすることができるのですが、LV1の仲間は場が更地でもプレイすることができます。
ただし、LV2やLV3の仲間は、それより1つ下のLVの仲間や召喚獣がいない場合、プレイすることができません。

つまり、LV1はデッキの起点になるカードの為、多めに入れる必要があります。
その中で、何故このドナルドが最強なのかと言うと、このカードが持つ魔法力3という数字です。
魔法力は、魔法や召喚獣をプレイする際に必要な数値であり、
魔法力3のドナルドが場にいる場合、自分はLV3以下の魔法や召喚獣を使うことができます。
つまり、このドナルドがいることで…

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この2ドローバンビを召喚することができます。
これで場にはLV1のドナルド(仲間)とLV3のバンビ(召喚獣)が並びますね。
召喚獣は場にいる場合、仲間としても扱います。
つまり、LV4以下の仲間をプレイすることが可能になりました。

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仲間のLVが伸びたら、このLV3アラジン+LV4ジーニーの出番です。
LV4ジーニーは戦闘力の高さもさることながら、効果で魔法カードをサーチすることができます。
魔法/召喚のカードもサーチできるので、LV3バンビをサーチし、そのまま2ドローまで進めることができます。

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LV3アラジンからLV4シンバ+LV2シンバをプレイすることで、相手の場を更地にすることができたため、後攻のプレイヤーは相手の場を更地にし、相手の手札事故に期待するという勝ち方しかありませんでした。

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魔法でしか倒せないガーゴイルと魔法が使えなくなるウィザードのコンボも強力でした。
妨害用のハートレスはこの2種安定でしたが、PRヘラクレスの前には無力です。

3.超絶先行ゲーから超絶グダグダゲーに

1弾環境も終わり、いよいよ2弾が発売されました。
2弾の目玉は何と言っても

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各作品のヴィランズが登場しました。
用途はハートレスと同じく、相手のワールドにプレイし、妨害するカードとなります。
またヴィランズらしく、その作品の主役級キャラを捨て札にしながら、プレイをできなくする効果を持っています。

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このヴィランズ達、ハートレスの扱いではない為、PRヘラクレスの効果でバウンスすることができません。
1弾環境ではほとんど効果のなかったハートレスによる妨害ですが、ヘラクレスで突破することが出来なくなったため、非常に強力な妨害手段となりました。

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特にこのジャファーは、1弾環境では必須級であったLV3アラジン+LV4ジーニーを1枚で完封することから、2弾環境最強のヴィランズとして活躍します。

この2弾環境は、お互いがお互いのワールドにヴィランズを張り合う環境になってしまった為、盤面が崩壊することが多く、ワールドに張られたヴィランズの処理が非常にグダグダになります。

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・アラジン+ジーニー
・ヘラクレス
・ピーターパン
・アリエル
・ビースト

上記のキャラは、ヴィランズに妨害されてしまう為、自然とデッキから減ったり抜けたりしました。

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逆にヴィランズ達に邪魔をされず、優秀な打点を出せるグーフィーは、2弾環境では非常に重宝しました。

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あまりにもヴィランズを倒す打点が足りない為、LV2のワールド+対応した魔法を使う戦術も増えました。
しかし、これには落とし穴があって、ワールドを3→3→2→2→3と詰めれば良いのですが、3→2→3となってしまうと、3ターン目の時点でヴィランズに妨害されてしまう為、3+3+3+1+3のLV3or1戦法と比べると事故率が高かったです。

また魔法力4を扱えるキャラがLV3アラジンと、ジャファーが蔓延しているこの環境では、使いこなすのは難しいです。

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主流は3+3+3+1+3でワールド合計を13にして勝つデッキでした。
その為、ワールドレベルがお互い9になる3ターン目に、お互いが3枚のヴィランズを張り合い、どちらが先に処理できるかを競うゲームとなりました。

下手をするとヴィランズが5種全部場にいるということも起こり得たので、お互いがお互いの仲間を縛る状況が発生しました。

特に2弾環境初期の大会では、まだヴィランズに対しての理解が少ない為、お互いがヴィランズを張り合った結果、デッキ内全てのカードを場に出せたとしても、打点が届かないといった現象が各地で起こり、1弾環境の超絶先行ゲーから一転、お互いがグダグダになる超絶グダグダゲーに変貌しました。

この時、筆者は必須と言われていたLV3アラジン+LV4ジーニーを始め、ヴィランズの制約に引っかかる仲間をデッキから極力減らし、自分はジャファーやマレフィセント等のヴィランズを使うという方針に変更しました。
LV3アラジン+LV4ジーニーを抜く決断は中々難しかったですが、2弾環境ではこれが結論でした。

4.プロモーションカード制限と3弾環境

2弾環境が終わり、3弾環境が始まりました。
まずこの時期に、プロモーションカードに関するルール変更がありました。

・プロモーションカードは種類問わず、デッキに合計4枚までとする。(プレイヤーカード除く)

これにより、PR王様やPRヘラクレス等のプロモーションカードは、合計で4枚までしか入れれなくなりました。

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また3弾発売記念で登場したPRシドも、LV1と初動の動きに貢献しつつ、手札を捨てた分カードを引くというぶっ壊れ効果を有していた為、採用頻度の高いプロモーションカードでした。

・王様3枚
・シド1枚
・王様1枚減らしてヘラクレス1枚

2弾環境では妨害手段がヴィランズ一択だった為、PRヘラクレスは採用されていませんでした。
3弾環境ではハートレスによる妨害が復権したので、PR王様で安定を取るか、PRヘラクレスでハートレス耐性を高めるかで意見が分かれていました。

こうしてルール変更を経た3弾環境は、始まりは1枚のバグカードからでした。

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グミシップ整備士のチップとデールです。
ぱっと見では強さを実感できないカードかもしれませんが、このカードは即刻禁止級のぶっ壊れカードでした。

このカードゲームは、山札が無くなった場合、捨て札をシャッフルして、それを山札として再活用するルールでした。
それを任意のタイミングで早めることが出来るこのカードは、例えば…

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王様を2枚プレイし、

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バンビは3枚プレイし、

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その他カードを引くことが出来るカードを極力捨て札に落としつつ

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シンバで自分の場の王様+バンビを捨て札にすることで、捨て札の王様とバンビを3枚ずつにする。

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この状態でチップ&デールを使ったら、どうなるでしょうか?
山札の中が、

・PR王様
・LV3バンビ
・その他カードを引く系のカード

の比率が極端に高まります。

その状態で、手札に残した王様で、山札のバンビを回収→プレイすることで、途切れる可能性もありますが、そこそこ高い確率で次のドローカードを引き当てることができます。
これを繰り返すことで、デッキをひたすら圧縮し、上手くいけば山札全てのカードをドローソースに変えることができます。

山札のカードが全てドローソースになった結果…

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永遠とデッキを回すことができます。
正直無限ループを決めたところゲームに勝てるわけでもないので、あまり実用的ではありませんでしたが、ここまでお手軽に無限ループが出来てしまうカードが許されるわけもなく…

・禁止カード/チップ&デール

KHTCG初の禁止カードとなりました。
ただ二か月ぐらいは使えてた気がします。

禁止カードの話が終わったところで3弾環境の話を…

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まずこのLV4ドナルドの登場で、デッキの回転率が更に上がりました。
LV1ドナルド→LV3バンビ召喚→LV4ドナルド→LV3バンビサーチ&召喚
といった形で、1ターン目に4枚ドローしつつ、盤面を展開できたため、初動の動きが一気に安定しました。

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初カード化のジャックですが、ハートレスのLVを下げる効果を持っています。
最初見た時、何に使うんだこれ?となったのですが、公式の裁定で

Q:この効果は手札にあるハートレスにも適応されますか?
A:されます。

という裁定が出て、爆発的に流行りました。

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同じく3弾で登場したベヒーモス。
ジャックの効果でLVを下げることで、早ければ後攻1ターン目から妨害することができます。
このベヒーモス、戦闘で倒す場合全ての仲間を戦闘に出さなければいけない為、一度場を更地にする必要があります。

3弾環境はこの戦法が猛威を振るいました。

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LV3以下のハートレスしか戻れないLV2ヘラクレスですが、ジャックでLVを下げれば戻せるため、この環境では重宝されました。

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シンバのような除去対策として、LV4レオンはとても重宝しました。
魔法力も3あるため、LV3バンビを召喚できます。

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このユフィはベヒーモスで戦闘に参加した場合も、手札に戻すことができたため、ベヒーモス環境の3弾環境ではとても重宝されました。

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LV事故回避用の1枚として重宝されました。
ただ今思うと、実用的なLV3が少なかった為、入れなくても良かったような気がしますが、当時は環境必須と言われてました。


3弾環境でも相変わらず相手を妨害しながらワールドを積み上げていくゲームでした。

しかし、環境中期に新しいデッキも開発されました。
皆様は覚えておりますでしょうか…?このゲームにワールドを積み上げる以外で勝つ方法を…

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そうです、相手のHPを0にする勝ち方です。
今まではチャレンジでHPを減らしたところで、削りきるのに8ターン近く有する為、実用的ではありませんでした。
しかし、このソウルイーターの登場で、減らせるHPを倍増することができたため、リクをプレイヤーにしたチャレンジデッキが一気に台頭しました。

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LV1のワールドの為、ワールドLVを積み上げるには不向きですが、チャレンジデッキでは関係ありません。
サーチ先はもう言わなくてもわかると思います。LV0の仲間カードって言ったら…PR王様ですね。

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デスティニーアイランドをコストにすることで、追加でチャレンジを行うことができます。
これで1ターンでHPを4削ることが出来るようになりました。

当時主流のサンタソラのHPは8の為、最速で2ターンkillです。

流石にここまでチャレンジが強化されたら、チャレンジ型が環境を支配…

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しませんでした…
当時、いずれかのプレイヤーがこのワールドをプレイした場合、対処方法は一切ありませんでした。
当時のフロアルールだと、時間切れの場合はワールドLVの高い方が勝ちというルールだった為、ワールドを積んでおいて、死にそうになったら100エーカーの森を置いて、時間切れまで永遠とターンをエンドする戦法が主流となりました。

流石に勝ち方を一個潰しているカードはおかしいと声を上げる方も一定数おり、当時スタッフに禁止にすべきだと直訴される方もいらっしゃいました。

こうして、チャレンジデッキの台頭がありつつも、結局はワールドを積み上げて勝つデッキが主流で、ベヒーモスでいかに妨害するかというのが3弾環境でした。

5.ソラvsリク最終章、4弾環境

3弾環境も終わり、次は4弾が発売されました。

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今回のBOX特典はカイリ。イラストは最強ですが能力は微妙な為、PRシドと違って需要は少なかったです。

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今回からハートレスやヴィランズを仲間としてプレイできる闇側のプレイヤーが登場しました。
が、実用性は皆無で、環境では一切使われませんでした。

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最初のぶっ壊れカードはこの人、フェアリーゴッドマザーです。
プレイしたらデッキから魔法/召喚カードを手札に加えることができます。
このカードで加えるカードも、もう皆様ならご存じかと思います…LV3バンビですね。
LV3バンビは登場から今まで、ず~~~と使われ続けた最強のドローソースです。
それを簡単にサーチすることの出来るこのカードは、まさしくぶっ壊れでした。

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ターン開始時に手札を6枚になるまで引けるゲームなので、一見ハンデス効果は弱そうに見えますが、LV1なので雑に入れても事故回避できつつ、先行1ターン目に雑に「王様」や「ドナルド」って言えば、相手の事故を誘発することもできます。
4弾環境はLV1ピノキオ→LV2フェアリー→LV3バンビ召喚の流れが美しかったです。

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ワールドデッキではエアリス&クラウド、
チャレンジデッキではセフィロス、
どちらも重宝しました。
クラウドは戦闘に参加しても捨て札にならない為、3弾環境で猛威を振るったベヒーモス君はここで退場となりました。

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デッキ1枚制限の最強武器。
雑にカードを引けます。
発売当初はフェアリーゴッドマザーに次ぐ壊れカードとして注目されていました。

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モンストロは、お互いのプレイヤーは仲間を3枚までしか置けなくなるワールドです。
このワールドが置かれている状態で、パラサイトケイジ×3枚を張り付けた場合、相手の場の仲間を全て幽閉しつつ、幽閉状態でも仲間としてはカウントされるという裁定があった為、このコンボは環境初期に爆発的に流行りました。

このまま4弾環境もワールド積みながら妨害するゲームか~と思っていたところに、しれっとノーマルでこのゲームの根底を覆すカードが登場しました。

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今まで対処できなかった100エーカーの森を処理できる魔法カードが登場しました。
このカードの登場で、環境はチャレンジリクデッキが圧倒的優勢に立ちました。

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ワールドを積み上げるサンタソラ側も、HP回復カードをふんだんに入れてHPを回復しまくったり、色々対策を講じます。

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チャレンジ側もマーリンを採用し、相手のHP回復をカウンターするのが主流でした。

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こうして、4弾環境でようやくソラvsリクの構図となりました。
ワールドを旅して勝利するソラと、相手を倒して勝利するリク。
どちらもゲームの世界観を再現しているようで、ファンからするとエモさを感じますね。

その後、4弾環境後半に制限改定があり

・PR王様/1枚制限
・フェアリーゴッドマザー/1枚制限

どちらも優秀なサーチカードでしたが、流石に強すぎたということで、共に1枚制限となりました。

6.半年以上間の空いたプレミアムパック

今までは三か月に1商品のペースで新弾が発売されていたのですが、ここにきて新商品の発売が途切れてしまいました。

原因は、TVゲームであるキングダムハーツ2の度重なる発売延期が発生し、新商品が作れなくなってしまったのです。
流石に半年間も新弾が出なければ、ユーザーのモチベも持ちません。

当時は一か月に一度、池袋にてタカラトミー(旧トミー)主催のイベントが開催されており、そのイベント内で公式大会が開催されておりました。
筆者もほぼ毎月参加しておりましたが、やはり新弾が出ないカードゲームはモチベの維持が難しく、次第に人が減っていったのを覚えてます。
酷い時は1桁しか集まらないこともありました。

そんな中で、4弾発売から約7か月後に、5弾…ではなくプレミアムパックが発売されることになりました。

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収録内容はキングダムハーツ1からCOMまでが中心でしたが、既にトレーラーで発表されていたロクサスもカード化されました。
この頃はまだ名前が発表されていなかった為、謎の少年となっています。

またこの弾からカードの見た目が一新されました。
その他の変更点といえば…

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新たにイベントカードが追加されました。
あまり強いカードはありませんでしたが、ゲームのパッケージイラストや別媒体での書き下ろしイラストが使用されています。

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今までは使い切りだった武器カードは、新たに装備カードとして生まれ変わりました。
ロクサスは二刀流ができます。

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PR王様も再録
こちらはプロモーションカードではなく、プロモはデッキに4枚までという縛りがあった為、以降はこちらが採用されていました。

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セブンプリンセスもカード化されました。
特に白雪姫とシンデレラの能力が強く、白雪姫の回復効果はチャレンジリクのミラーマッチでも有効な為、プリンセスチャレンジリクデッキが爆誕しました。

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この弾で採用率がダントツトップだったのはこのLV1ティーダです。
1ターン目の初動になれつつ、相手のLV1を破壊することが出来るため、ほぼ全てのデッキに投入されていました。


と、久しぶりに新弾が出ましたが、環境を変えるようなカードもなく、下がりきったユーザーのモチベの回復には少し物足りないパックではありました。
ただこのパックの発売後、正式に第五弾の発売がアナウンスされ、少しずつではありますが、活気を取り戻しつつありました。

7.第五弾発売と公式大会消滅

4弾から間が空くこと約九か月、ようやくキングダムハーツ2のキャラがメインとなった第五弾が発売されました。

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2から導入されたフォームチェンジもカード化されました。
このブレイヴとウィズダムは、5弾のスターターデッキの中にいずれかが入っている仕様でした。

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謎の少年ことロクサスもカード化、イラストが全く一緒なので、新カード感は0。

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また新たにⅩⅢ機関がプレイヤーカードとしてカード化されました。
ただ4弾の時のDリク&アンセムの時同様、実用性はあまりありませんでした。

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まさかのゲーム画面でカード化、5弾から追加された技カードです。

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1弾から擦りに擦られ続けたLV1ドナルド+LV3バンビは再録。
その他にも多数の優良カードが再録され、この弾からでも始められる出来になっていました。

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最強の妨害カード、タイガーヘッド。
確実に相手を1ターン妨害できるため、今までの妨害手段は全て過去のカードと成り果てました。
このカードの存在で、ワールドを積み上げるデッキは完全に終了し、ソラを使って勝つことはほぼ不可能となりました。
まさかアンセムでもゼムナスでもなく、タイガーヘッドがラスボスだったとは…

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5弾発売と同時期にVジャンプの付録として収録されたプロモーションカード。
これが本当にぶっ壊れで、これを3枚ガン積みしたチャレンジリクデッキが環境を完全に支配しました。

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追加ターンを得れるストプガ。
上記のPRを連打しつつ、ソウルイーターでHPを削り、追加ターンでデッキをぶん回し、更にPR連打&ソウルイーターでぶん殴る。
ブン回れば先行1killすら可能でした。

ということで、環境は完全にチャレンジリク一強状態に、
お互いがソウルイーターをぶん投げる超世紀末環境となりました。

正直な所、あまりにもチャレンジリクが強すぎたこともあり、この辺になると惰性でプレイし続けていたのですが、この辺りで月に一度開催されていた公式イベントも終了してしまいました。

最初はコレクション目当てでプレイしたカードゲームでしたが、大会に参加したり勝っていくうちに、カードゲームで勝つことに重点を置き始めてきたこともあり、ゲーム環境的にもイベント環境的にも、これ以上続けるメリットを感じなくなり、この辺りで引退しました。

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5弾までのカードは一通り揃えていたのですが、やめる時に全てトレードで吐いてしまったのは結構後悔しています。
この認定証もいっぱい持ってたなー…と昔が懐かしくなります。

『俺の夏休み…終わっちゃった…』


8.最後に

決してメジャーなTCGではありませんでしたが、筆者のTCGのルーツは間違いなくこのゲームなので、本当に思い出深いTCGです。
このゲームを通じて色々な方と知り合わせて頂き、人生の大きな糧となりました!

全てのレトロTCGに感謝!


当店ではキングダムハーツTCGの販売・買取を行っております。
その他レトロTCGは、どんなカードゲームでも買取させて頂きます。

家に眠っているカードがあれば、是非ご相談ください!

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