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相対的善人としての克典さん(レビュー:『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』)

オススメ度:★★★★☆

> 廃墟となっているかつての哭倉村に足を踏み入れた鬼太郎と目玉おやじ。目玉おやじは、70年前にこの村で起こった出来事を想い出していた。あの男との出会い、そして二人が立ち向かった運命について…昭和31年―日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族によって支配されていた哭倉村。帝国血液銀行に勤める水木は当主・時貞の死の弔いを建前に野心と密命を背負い、また鬼太郎の父は妻を探すために、それぞれ村へと足を踏み入れた。龍賀一族では、時貞の跡継ぎについて醜い争いが始まっていた。そんな中、村の神社にて一族の一人が惨殺される。それは恐ろしい怪奇の連鎖の始まりだった。鬼太郎の父たちの出会いと運命、圧倒的絶望の中で二人が見たものは

 毎週日曜の「ホラー映画を見る会」であるが、今週の『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』はかなり楽しみだった。というのは、上映中も、伝わってくる情報からは、本作が一体どういう作品なのか、全然分からなかったからである。

 通常の『ゲゲゲの鬼太郎』でないことは雰囲気から分かっていたし、目玉の親父がメインを張ることは流れてきた情報からなんとなく伝わったものの、それ以上のことが何も分からなかった。村ホラーのようでもあり、横溝的因習村のようでもあり、やっぱりゲゲゲの鬼太郎のようでもあって……今回、ようやくその答え合わせが得られるのかと思ったが、なるほど、見て納得した。本作の実際は……

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