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【悲報】なぜvTuberの運営はろくに仕事もできないアホで気配りも出来ないバカしかいないのか?

タイトルに共感性を持たせた方が、目を通して頂ける方が増えると思い、多くの皆様が思っているであろうお気持ちを代弁する表題にさせて頂きました。不適切な表現もあるかと思いますが、多くの方に拝見していただければと思い、思い切ってこんなタイトルにしてみました。きっと共感されている方、多いのではないでしょうか?

※同業者の皆様申し訳ございません。本心ではありません。

vTuberファン、そして運営アンチの皆様ご観覧ありがとうございます。
現在、バーチャルメイド喫茶『ますかれーど』というvTuberグループの運営責任者をしております"支配人"と申します。
バーチャルタレント/vTuberの運営者としては、おそらく業界的に最長の5年近く携わっておりまして、小さいものから大きなものまで、それはもう数々の炎上を経験し、火だるまになってまいりました。

今回のコラムでは、表題にもあります通り、「なぜvTuberの運営はろくに仕事もできないアホで気配りも出来ないバカしかいないのか?」と多くの方が疑問に思っているであろう事に関して長年運営に携わってきた私から解説をさせて頂くと共に、これまでに仕事をする中で感じていた想いを吐露させていきたいと思います。

こうした発信をすることは、通常は立場的に憚られる内容であり、多くの運営者は発信をしてこなかったと思います。私はこのコラムが、最終的に『ますかれーど』というグループおよびコミュニティ、そしてvTuberという文化と界隈の将来にポジティブな影響を与えるであろうと信じて、今回コラムを執筆させて頂きました。少々長いですが、vTuber界隈にいらっしゃる皆様には、最後までぜひお付き合い頂けると嬉しいです。

なお、記載されている事象は、必ずしも『ますかれーど』に関する事象のみでないことをご承知おきの上、お読み頂けますと幸いです。

■なぜ基本的な仕事も出来ない癖に、人手を増やすことなく事業拡大ばかりするのか?

まず前提に、企業で行われているvTuberの活動の多くは、営利目的のため行われています。営利目的である以上、利益を出さなくてはいけません。
「金儲けのためにやってるのか!」と嫌悪感を示される方がいらっしゃるかもしれませんが、そこに反論の余地なく、お金を儲けるためにやっています。他のグループや経営者が、どのような意図で運営しているかは定かではありませんが、おそらく皆同様に、売上を上げていきたいと考えているはずです。

それはなぜか。事業を継続させるためにはお金が必要で、事業を成長させキャストやスタッフ、関係者の皆様のチャレンジの場を広げ、収入を増やすためには、より多くのお金が必要となるからです。事業により得られた余剰の収益は、新しい機材やシステム等への投資に回す事ができ、良い労働環境の構築に繋がります。そうすることで、さらにグループやコンテンツを成長させることが出来、結果としてユーザーの皆様にも利益を還元をすることが出来ると考えています。お金を稼ぐと言うことはチームやコンテンツを成長させるということと同義であり、事業拡大をしていく事は前提として必要な事なのだということをご理解頂ければと思います。

誤解なきようにお伝えをしておきますと、お金儲けのため"だけ"に事業を行っているわけではないですし、お金儲けが"最も優先度が高い"ということではありません。成長した先には、今より多く、大きなチャレンジが出来る環境が待っているから走り続けるのです。そのためにも「無理のない事業成長」という点を念頭に事業拡大を進めていくことは重要であると認識しています。

我々の業界や運営を評価するコメントに、よく「事業拡大ばかりするくせに人手は増やさないのか?」という意見を目にします。我々のチームを例に挙げると、適宜事業の拡大に応じて採用は行っています。しかし、なぜそんなにも人手不足に感じられるのだろうかと考えたのですが、その要因は「コンテンツの拡大は目に見えるが、採用の有無は目に見えないから」「人手を増やしたところで、即座に100%ワークする訳ではないから」だと感じました。そのため、初歩的なトラブルなどが発生した日には、「金儲けのことばかりに躍起になって、基本的なケアを怠っているんだ!」という印象を与えてしまうのではないでしょうか。

「トラブルが起きるくらいなら腰を据えて、ゆっくり人を育ててから事業拡大すればいいじゃないか」という意見もあるかもしれませんが、我々にはそのような余裕はありません。熾烈な配信/エンタメ業界で生き残るためには、我々は「死なない程度に頑張って走る」必要があると感じています。成長と安定はトレードオフの関係にあり、僕らはまだまだ安定を求めるフェーズにはないのです。そんな環境の中でも、多角的な観点から人的リソースの確保と事業拡大の意思決定を行っています。

さらに、毎日のように配信が行われスピードが早い運用型コンテンツであるvTuberの運営とマネジメントは、非常に属人的になりやすく、そのチームで長い時間を掛けて同じ経験を積み、共通の価値観を相互に浸透させる必要があります。100%ワークする人材になるにはある程度の時間が必要なのです。(どの業界や職業も同様だと思いますが)

かくいう我々のチームは、現状全員がリファラル採用で、長年コンテンツ制作を共にしたメンバーも多くおり、比較的恵まれた環境で運営が出来ていると思っています。

■なぜ、問題発生時に運営はアナウンスや対応が遅いのか?また必要な情報をアナウンスしないのか?

炎上案件が発生すると、よくこんなコメントを見かけますよね。
これは、多くの関係者のメリットとデメリットを考える必要があるからなのです。「こう発表した場合はAが悪く見えるのではないか?」「この発言をしたらBはどう思うだろうか?」「そもそもこのアナウンスはクライアントや〇〇さんにも事前に見せるべきでは?」

我々には多くのステークホルダーがいて、客観的な正当性と、全ての関係者の最大公約数的な回答を求められます。関係者が多ければ多いほど、その調整は過酷です。たった1枚ペラの声明文を出すのに、何人もの大人が何日、何時間も会議をすることもあります。

ちなみに、直近、我々が出したアナウンスは、深夜問題が発生後すぐに大人3人が集まり、ノンストップで約18時間かけて対応の検討と文面を作成し、複数回、複数人の推敲と、事前の関係者への共有の後に発表をさせて頂きました。正直かなり早い対応だったと思ったのですが、「遅い」と評価されてしまいました。求められているハードルの高さに若干の絶望を覚えました。

また、本来発信されるべき情報が適切に発信されていないと感じる事があるかと思います。これは冒頭のロジックに則り「あえて発信をしていないのだ」と考えてください。情報発信には適切なタイミングというものがあります。

分からない事は不安だと思います。しかし、意図なく放置しているのではなく「発信が出来ない。またはしない方が良い事情がある」事を察していただけると幸いです。

■なぜタレントを蔑ろにしたり、ぞんざいに扱い、
 悪意的に差をつけたり、特定の個人を貶めようとしているのか?

こうしたコメントもよく流れていますよね。
なんのメリットがあってそのような事をするのでしょうか。我々にもこういった評価をされるコメントやお問い合わせを頂きますが、本当に悲しい気持ちになります。何か問題が発生した際なども、何もせずにぼーっとしていると思っているのでしょうか?非常に心外です。我々はユーザーの皆様の何倍も多くの時間と労力をグループやタレントに割いている自負があります。
結果として足りていない部分もあり、その点に対しての評価は真摯に受け止めますが、向き合いの熱量に対して「蔑ろにしている」と評価されることは非常に腹立たしいです。全てを詳らかにされても良いくらいに、僕らはタレントや関係者の皆様に対して真摯に向き合っています。

差をつけるという観点においては、他者より「頑張っている人」「結果を出している人」は正当に評価されるべきと考えますので、当然、優劣をつけることはあるかと思います。そうでないと逆に不平等ですからね。しかしながら、悪意を持って差をつけるということはしていません。

また、「短期的に利益を上げ消耗品のように扱おうとしている」というようなコメントを目にする事もあります。こちらも非常に腹立たしいです。我々は、タレントに可能な限り長く活動を続けてほしいと考えています。活動の休止や引退は誰よりも悲しいのです。
どれだけの時間をかけ、思考を巡らせてコンセプトを考え、素敵なクリエイターを探してアバターを用意し、キャスティングと配信に向けての準備を進めて、キャストを世に送り出しているのかを想像してほしいです。

なぜ、そのようなひどい評価をされるのか。それは「見えていないから」だと感じました。それもあって今回、少しでも我々がキャストやグループのことをどのように考えているのかが伝わると良いなと思い、この点について触れさせて頂きました。もっと語りたいところですので、vTuber運営の裏側を題材にする企画がありましたら、ぜひご一報ください。

では、よく目にするご意見の解説・回答をしたところで、すこし趣向を変えさせて頂きます。

■運営者への評価に対する本音
多くの方が、今回のコラムの表題にあるようなことを感じていると思います。なぜなら、よく目にしたり頂く評価だからです。我々には、日々、全容を把握しない憶測を前提としたアドバイス、経営や事業批判、罵詈雑言や誹謗中傷といった様々なコメントが届きます。もちろん目が覚めるような素晴らしい意見も多数ございます。私は全てのお問い合わせに目を通しておりますが、送信者の方から見たら、さぞ「クソ無能でキャストにとって害悪な存在」と思われているんだろうと思いながら、送られるメッセージ内容を拝見をしています。そんな多数のご意見やご感想を紐解いてみると、「?」で閉じられたコメントが多い傾向にありました。

「どうなっているんですか?」
「考えているんですか?」
「するべきではないですか?」

ここから推察するに、問題発生時に皆様が非常に攻撃的になる理由に
「分からないから不安だ」という気持ちがあるのだと感じました。

日頃から配信やSNS上で接触があるキャストと違い、我々の動きを感知することは難しいため「何もしていないのか?」と心配になるのだと思います。
 私もなるべく情報発信をし、透明性の高い運営を心掛けたいと考えています。しかし、我々は全てを詳らかにして情報を発信することは出来ないのです。それは関係者を守るためであるという側面があることを理解してください。
 また、憶測で悪い方に悪い方に妄想を進めた結果、「推しているキャストが無下に扱われているんだ!!そうにちがいない!!許せない!!」と問題発生時に高ぶる方がいらっしゃいますが、少しだけ想像力を働かせて頂きたいです。前述に記載の通りですが、多くのご心配を頂いている部分については、日々の業務の中でしっかりと対応をしていますし、考えています。

また、よく「〇〇してあげてください」というコメントも頂くのですが、「もうしてるんです!」と心の中で叫ぶことが多いです。
部屋の掃除をしている最中に、親から「あんた!はやく部屋の掃除しなさい!」と言われたら、嫌な気持ちになりますよね。それと同様の感覚を覚えます。なので、そういった場合は、ぜひ「〇〇頑張ってください!」と、〇〇はやること前提であるというコミュニケーションを取って頂けると、受け手としては頑張ろうという気持ちが強まります。

■誰かを攻撃することは、推しを守る行為ではない。
なぜこのような批判をされそうなことをわざわざ書いているのかといいますと、批判が我々に向いているうちは問題ないのですが、こうしたコメントをされる方は、将来、キャストを傷つける可能性があると感じたためです。

このような方は、「こちらに正義があれば相手を叩いていいんだ!」「あいつは悪い事をしたんだから叩かれて当然だ!」というマインドの方なのだと思います。推しのキャストのことを思って行動しているつもりなのだと思いますが、その善意は、別の視点から見た場合、悪意になる可能性があることも考えて頂きたいです。気持ちはわかりますが、好きな人を守っているつもりになって誰かを叩くという行為は間違っています。

何が言いたいかと言いますと、
「攻撃的なクソリプは送らないでください」
ということです。誰に対してもです。
それって全然推しのためになってないですよ。

私の好きな「なかっさんと田辺」さんというYouTubeチャンネルがまさに炎上時タイムリーに「人を叩くことでしか喜びを得られないオタク」という動画を投稿されていました。非常にタメになる動画ですので、よろしければぜひご覧ください。こちらの動画でも触れられておりますが、我々も皆さまと同じ人間です。感情のないマシーンではありません。この事をどうか頭の片隅に入れておいてください。

■最後に
こういったコラムを書くと、「自分の能力不足を棚に上げて言い訳をしている見苦しいやつだ」と思われるかもしれません。誤解しないで頂きたいのですが、起こっている問題や課題に対しては、自覚を持ち個々に対応を進めています。皆様が感じる課題は、当然のことながら同様に我々も認識していると思って頂きたいです。決して問題を放置しているわけではありません。

今回、なぜこうしたコラムを書いたのかというと、こうして発信をしていかないと、不安が拭えずにユーザーの皆様の叩き体質が悪化していくと共に、誰からも咎められないために「好き勝手に叩いてもいいんだ」という風潮が出来上がり、いずれキャストやグループ全体に悪影響を及ぼすと感じたためです。あえて普段発信をしない本音や裏側を書かせて頂きました。

運営者全員がこう思っているわけではないと思いますが、多少なりとも運営者側の考えを知って頂く事で、少しでも我々やその他運営者の方への不信感が減って頂ければ嬉しいです。

観測しずらいかもしれませんが、我々は、関わっているキャストやクリエイター、応援してくださるユーザーの皆様のために、多くの自身の時間を消費しています。それはきっと皆さんの想像する以上の時間と労力を割いていると思って頂いて間違いないと思います。

最後に。vTuberの炎上案件を覗くと、よくキャストと運営者を対立構造的に捉えている方が多い傾向に感じますが、我々のように組織としてvTuberを運用する身としては、役割が違うだけで同一のチームであると認識しています。最終的なアウトプットは、キャストが担っていますが、見えないその裏側には多くのスタッフやクリエイターがその活動をバックアップしているという事を知って頂けると嬉しいです。

我々運営は、ユーザーの皆様に楽しんで頂けるよう、キャストが輝ける環境の構築に邁進してまります。引き続きの応援、よろしくお願い致します。

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