去年観た写真展がすごかったのよ

もう1年前くらいの話になるが、とある写真展を観た。
写真をやっている人なら多分名前を聞いたことはあるだろうし、氏の写真を観たこともあると思う。

その写真展は、島根県立美術館で開催された「森山大道 光の記憶」。
会期は2023年4月12日~ 2023年6月26日だった。ちょうど1年前だ。
観に行かれた方も多いのではないだろうか。

勝手に写真を貼ったりするわけにはいかないので、島根県立美術館の展覧会のサイトのリンクを貼っておく。
氏の写真が10数点掲載されている。

500点近い写真が展示された、とても見ごたえのある写真展だった。
東京圏で開かれる写真展でもこれほど大きいものはあまりないんじゃかなろうかと思う。
(といいつつ、もう20年以上東京圏で開かれた写真展を観ていないから、実際のところはよくわからないのだが(笑))


氏の写真というと、PROVOKE や 写真よさよなら に代表される、いわゆる「アレ・ブレ・ボケ」な写真を連想する人が多いだろう。
わたしもそうだ。

この写真展でも、多くがそういう写真だった。
PROVOKE や 写真よさよなら は氏の写真の代表という側面以外に、日本の写真史の上で避けては通れない非常に重要な動きだったのだから、当然といえば当然だ。

順路通り展示を観てまわり、そろそろ終盤といったあたりまできて、背もたれのないソファが置かれている展示室に来た。


その一角に、その写真群はあった。
その一角だけ、空気が他と違っていたように感じた。

氏が幼少期を過ごした、氏の父親の故郷 島根県の宅野を撮ったものだった。

アレでもブレでもボケでもない。
どちらかと言うと影の部分が多いしコントラストは高いのだが、今までの展示作とは違う。

そして、すごく大きい熱量を感じた。

PROVOKE や 写真よさよなら は、写真をものすごく客観的に分解して再構築していくような感じがするので、すこし冷めた視線を感じる。

だが、この一角は違う。
熱い。


いやぁ、ソファに座って休み休みその一角だけ何度も観返してしまった。
20分くらい観てたんじゃないだろうか。

強烈だった。それ以外言いようがない。


家に帰ってからこの写真が載っている写真集を探した。
SOLD OUT になっていた。
残念…。


こういう写真展や展覧会は、同じものを2度やることは多分ないんじゃないかと思うのだが、できればもう1度やってほしい。
もし「宅野」の写真を観る機会がある人は、ぜひ観てほしい。
(東京都写真美術館の図書室にあるぽいねぇ)

そして、この写真集「宅野」をぜひ復刻販売してほしいと思う。


「宅野」に関しては、中古というか古本というか、そのあたりを買うのが現実的なのかしらねぇ。


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