チリも積もれば|5/6 対ヤクルト7回戦を振り返る

ご覧いただきありがとうございます。
フルで振り返ります。

試合振り返り

1回

ジャクソンと石川という先発で始まりました。
初回のジャクソンは三者凡退。
全ての球種でゾーン勝負できていましたし、西川に対してカーブで空振り三振が取れるなど、良い立ち上がりだったと思います。

一方で石川の立ち上がり。
三者凡退ですが、3人ともファーストストライクは見逃し。
その中で緩い変化球を少し強引に打ちに行く場面も見られたため、緩いタイミングに合わせつつ、真っ直ぐに対応していくのかなと思って見ていました。

2回

先頭の村上には決まったと思ったチェンジアップを見切られてラストボールを投げきれず四球。
サンタナにもフルカウントから四球。
長岡はバントの構えもカウントが進んだところでヒッティングに切り替えてライトフライ。
ここで助けられたように思えましたが、北村にもストレートが上下にばらつき四球。
続く中村にも追い込んだところから決めきれず四球で押し出し。
石川は三振で抑え、西川はフルカウントと苦しむもなんとかチェンジアップがゾーンにいき、空振り三振。
四球4つで1失点と非常に苦しいイニングになりました。
特にフルカウントまではいくものの、決め球が大きく外れたり、見切られていたことで苦しくなった印象でした。
ある程度決め球もゾーン内に入れるような投球が出来ると楽になるとは思いますが、現状では難しそうです。

その裏、一死から相性のいい宮﨑がストレートを思いきりしばいて二塁打にすると注目の筒香は一球も振らずに四球。
さらに伊藤光が粘って9球目の甘い球を呼び込みフェンス直撃のタイムリー二塁打。
自分の好きな球を投げさせたような打席でこのくらいのスピード感であれば得意そうだなとは思いました。
さらに京田が犠牲フライで勝ち越し。
取られた後すぐに取り返す、特に打ち損じをしなかった部分が良かったイニングだと思います。

3回

先頭の丸山はセーフティバント失敗と、少しラッキーな形で打ち取りましたが、オスナに四球を与えてしまいます。
この回からカットボールを投げており、カウントを取るために試行錯誤が伺えました。
村上に対してはインコースに真っ直ぐがいき詰まらせてサードフライ。
しかしサンタナは初球のカットボールが外に浮いたところを逃さずセンターへ本塁打。
試行錯誤の中でこの球を打たれたことは非常に苦しいのではないかなとは思ったものの、その後の長岡をすぐに抑えられたことはメンタル的にはギリギリで踏みとどまれるのではないかなと思いました。

その裏、先頭の桑原がショートゴロ。
このヘッドスライディングは滑っておらず近い距離で胸からダイブしており非常に危険でした。
ベースに対して変な突き方をして脱臼や骨折の危険も大いにありましたし、胸や腰への強打の負担もあるため、せめてもっと前から滑ってきて欲しいなと思います。
続く蝦名はバットを折られてショートフライ、佐野もショートへのゴロと長岡三連発で三者凡退となりました。

4回

この回のジャクソンは中村に四球を与えたものの無失点。
とはいえフルカウントまで行く場面は多くみられ、やはり決め球をどうやって効果的なものに出来るかは課題に思えます。

その裏、宮﨑の打球を丸山が落球しチャンスになったものの無得点。
石川の方がかなり外を丁寧に突いており、そこに対して筒香だけはらしくセンターから逆にぶっ叩くような対応をしたものの少し詰まり、それ以外の打者は前に出されて引っかけさせられるという印象のイニングでした。

5回

この回のジャクソンは非常にあっさりと三者凡退。
比較的早いカウントを打ち損じてくれて、これまでも追い込むまではある程度いく投球だったのでその最中に終わってくれたという印象でした。

その裏、おそらく石川がこのイニングで終わるだろうということで同点に追いつきたかった回ですが、代打度会のヒットも牽制死もあり無得点。
ただ二死1塁から失敗を覚悟で盗塁したい場面ではあったため、そこを逆手にしつこく牽制をされ、そろそろ来ないかな?というところでさらに牽制を投げられたようなシーンでした。
もちろん2塁クロスプレーの勝負には持ち込みたかったものの、スタートを躊躇するよりはこれで仕方ないと思える場面だったかなと思います。

6回

この回は徳山が登板。
先頭のサンタナにヒットを打たれるも、ストレートを中心にゴリ押して無失点。
スプリットがどちらかというと決め球というよりはカウント球なのかなという日に思えましたし、反対にストレートはかなり強く押せていたので、そこを活かして中村には全球真っ直ぐで三振と、上手く抑えることができたかなと思います。

その裏、丸山翔大が登板。
変則フォームでタイミングが合わせられないまま三者凡退となってしまいました。
今日の対戦では難しかったと思いますが、昨年に比べるとかなりゾーン勝負で来られていましたし、手強い敵になりそうだと考えると次回以降の対戦でなんとか対応して欲しいと思います。

7回

この回も徳山がイニング跨ぎ。
先頭の塩見の当たりは牧がなんとか止めるも送球が逸れて内野安打。
徳山が取るには腕を伸ばしてジャストのところにグラブを出さなければならず難易度が非常に高い上、牧はいっぱいいっぱいのプレーで仕方なかったかなと思います。
続く西川の当たりはピッチャーゴロも送球が少し逸れてアウト一つだけ。
ストライク送球でもギリギリだったとは思いますが、一塁で勝負するところまではいきたかったというのと、ショートが動きながらになるので投手が振り向きざまにピンポイントで合わせて投げるのは難しいですが、少なくともベース上にさえ投げればどうにかなると思うので、そのラインだけ頑張って欲しいなと感じました。
丸山は送りバントで二死1塁。
オスナに対してはフルカウントからフォークが決まらず四球。
ここはアバウトに真ん中目掛けて少し散ってくれればという要求に見えたので四球上等という考えもあったかもしれません。
しかしここで石川達也に代わると村上が初球センター前タイムリー。
少し簡単に入りすぎてしまったというか、タイミングバッチリにストレートを投げ込んでしまったため、もう一つ工夫があっても良かったと思います。
ただあくまで結果論ですし、これ以上ランナーを溜めたくないという中である程度選択肢が狭まっていたことを考えると、ホームランにならずにむしろ良かったくらいだったかと思います。
結果的にはここで終わらせて1失点で食い止められて良かったと思いたいです。

その裏、星が登板。
一死から筒香が逆方向にフェンス直撃の二塁打。
高めの150キロストレートを弾き返したもので、この瞬間筒香に対する不安が消えました。
もっと差し込まれたり、苦しい打撃になるかと思っていましたが、タイミングもバッチリに逆方向へバチンと引っ張る打撃はあの時のままでした。
さらに続く伊藤光はレフトへのヒットで一死1,3塁のチャンス。
しかし代打大和がサードゴロで本塁憤死。
解説の方々も話していましたが、あのタイミングであれば筒香はホームに突っ込まずに挟まれた方がまだ次の可能性が広がったかと思います。
身体の調子的にどうなのかはわかりませんし、実際ランナーを進めることが出来るかはともかくやってみても良かったんじゃないかなという部分でした。
さらに投手エスパーダ、代打楠本、2塁ランナーに代走林。
この点も、代走を出すのであれば1塁ランナーの時点で出した方が
・盗塁の警戒による真っ直ぐ攻め
・フルカウントからのランエンドヒットでゲッツーを無くす
・同点のランナーなので外野守備が間を抜かせないシフトになりヒットコースが広がる
などの期待もできたかなと思います。
結果的にはレフトフライで無得点。
あまり関係ないように思えますが、やれるだけの手を打てたわけではなかった部分は後悔に繋がるので出来る限り無くして欲しい部分かなと思います。

8回

この回は三嶋が登板。
一死から四球、バント、タイムリーで一点を失います。
タイムリーの際の桑原は、1点を無理してでも防ぎにいくということでバウンドが合わせづらいドライブ回転の打球でも前に出て思いきりチャージしたためファンブルしましたが、バッターランナーの進塁は許さず、これは出来るだけの勝負をかけた中で最低限の踏みとどまりも兼ねた好判断、好プレーだと感じました。

その裏、エスパーダが続投。
一死から蝦名が左中間二塁打。
アウトローの真っ直ぐを引っ張り込んで飛ばせたのは、打球方向にとらわれないでしっかり振ることが出来ていたからだと思いますし、良い打席でした。
さらに佐野はインコースの真っ直ぐを上手く腕をたたんでライト前タイムリー。
蝦名も三塁で止まるかと思いましたが、ライト丸山の体勢は悪くないものの、後ろからは回り込めていないという勢いを見て田中浩康コーチが腕を回し、蝦名自身も三塁を回るつもりで走っていたからこそ帰れた好走塁、好判断だったと思います。
さらに牧は抑えられるも宮﨑が選び二死1,2塁で筒香。
回すべきところに回せた時点で後悔はないなと思って見ていました。
結果は初球の低めストレートを今まで何度も見た捉え方で逆転3ランホームラン。
打つ前から打つとは思いましたが本当に打つとは。
少なくともこれを打ち損じないことが筒香の凄さだと思います。

9回

森原が登板。
急遽の逆転でどれほど準備ができていたのかという登板ではありました。
先頭の丸山は上手く打ってレフト前ヒット。
しかしオスナ、村上、川端と三連続フライアウトでゲームセット。
あれよあれよの勝ち方で5割復帰です。

総括

筒香はすごい。

まず、ジャクソンは今日も苦しい投球にはなりました。
フルカウントまでいったのが6度あり、全て2-2からの球が決まらなかったことでフルカウントを迎えたものでした。
もちろん審判との兼ね合いもありますが、2-2からどれだけゾーン勝負できるか、あるいは変化球を振らせることができるかという部分は課題になりそうです。
基本的にカーブもチェンジアップもこのカウントで投じて空振りなり打ち取れる球にしたいものの、見極められたり決まらなかった部分が気になりますし、どう修正するのかを注目したいと思います。
個人的にはチーム事情にもよりますが、ファームで一旦間を空けてゾーンの違いや振ってこない相手に対するアジャストが出来ると良いかなとは思います。

また継投もそもそも枠が少ない上、どんどん選択肢が狭まっていく試合展開で苦しかったと思います。
その中で失点しつつもギリギリ試合を壊さなかった我慢は良かったかなと思います。

最後に筒香ですが、なんで打てていなかったのか分からないくらい完璧に仕上がっているという印象でした。
今日の試合全体でスイングを3回しかせず、その3回をフライ、二塁打、ホームランと捉えつつ徐々に良い結果にしていったのも怖いなと思います。
無駄な動きも一切なく、ただ打つべき球が来たから打っただけ、来なければびくともしないという姿は洗練されすぎて恐ろしいですし、打線に主力がもう1人加わったことが頼もしすぎます。

かなり厳しい方、厳しい方に展開が向いていく試合でしたが一振りでひっくり返してくれました。
そこに繋ぐまでの蝦名、佐野、宮﨑も大きかったですし打線への期待値はどんどん上がってきました。
借金を返済してまた水曜日から再スタートという気持ちになりますし、終わってみればなんともスッキリする試合になって良かったです。
明後日が楽しみです。

ベイスターズファンで良かった。

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