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「新古書ファイター真吾」何故読むべきか!(てか新古書ファイターって何者?)

紙の本が好き。
紙の本を新古書店で買うのが好き。
ただ買うんじゃない、戦略を立て、買い時引き際を常に判断しながら本棚の間を進撃する。

それは購買活動ではない、もはやバトル!

「新古書ファイター真吾」はそんな「ファイター」たちの姿と
新古書を高値で売ろうとする「せどり」たちとの攻防を描いた

バトルアクションサバイバルコミック!!!!(盛大に違;

読むべきである。
何故読むべきか?
解析しようではないか!

1.書店の不況

言うまでもなく、書店は不況だ。
読書家は絶滅したのか?
そんなことはない。

ここで、こどもと関わる職業の友人にインタビュー。

「今でも本好きなこどもは紙の絵本で読みますよ」
「本を読まないこどもがタブレットを見るって、電子書籍の絵本じゃありません。動画ですよ!

現場から中継でした!
そう、紙書籍の敵は電子書籍ではない。
ようつべちくとくのような動画なのである!

2.新古書店の台頭

本が売れない。
読書をする層が明らかに減っている。
その結果、

一冊の値段がどんどん上がった。

需要が供給を下回っているのに値段を上げるとは。
悪手である。
そもそも書籍は流通上

定価販売

つまり、値段が変わらない商品なのである。
読みたければ買え、高くても。
これが間違っている。

だから、新古書店がシェアを広げたのだ。

古本屋とは違う。従来の古書店とは異なる。
従来は、希少本が高くそれ以外が安く売られていた。
新古書店は

新しい本が高く、古い本が安い。

つまり、読みたい本も待てば安く手に入るかもしれない!
購入者にすれば唯一、書籍の価格破壊ができる手段である。
大手チェーン店が各地にできたのも時代のニーズだろう。

3.新古書店の衰退

新古書店の絶対的欠点は、

著者にも出版社にも利益が還元されないこと

である。

新古書店が増え、顧客が流入するほど、
書籍の著作権者への収入は削られていく。
一部の意識高い系読者はそれがわかっているから定価で買うが
多くの購入者はそんな違いはわからない。

新古書店で売れるほど、出版不況が進む矛盾。

そこに電子書籍の波がやってきた。
紙の書籍と違い在庫コスト流通コストがない、
だが、出版社は紙の書籍が売れないと困ると考え、
電子書籍版の価格を紙の書籍よりやや安い程度に設定した。
悪手であった。

海賊版の横行。

加えて、ユーザーの書籍離れ。動画はタダだ。
そんななんやかんやで、出版不況はさらに進んだ。

なんということでしょう。

新古書店でも本が売れなくなったのである!

「メルカリの方が高く売れるんじゃね?」ってほど
書籍の買取額は下がった。
そんな時代背景の中のマンガだからこそ意義があると私は考える。

4.「新古書ファイター真吾」爆誕

これは新古書にこだわりぬく男の物語。
わかりみが深い。
だって、物価高いんだよ?
新刊の本なんて贅沢品。
安く買う!お得に買う!

私が注目したいのは、真吾にとって

新古書で買うことが自己目的化

している点だ。
本が好き。紙の本が好き。
本をお得に買ったときの満足感が好き!

こうして真吾は本を積む。ありがち!

新古書ファイターも新刊レンジャーも、往々にして本を積む。
つまり、買ったのに読んでない本の山を自宅に作ってしまうのだ。

一句。
見えないが 電子書籍も 積んでいる

積み本の読破必要時間は下手すると余命より長いかもしれない。

本が好きな人あるあるネタが、
書籍を取り巻く情勢が厳しい現代において
分かりやすくシニカルに描かれている
一言で言えば

業が深いなぁ。

読めばクスッと来ることは間違いない。

5.書籍流通の構造的面白さ

著者は意識してないかもしれないのだけれど、
この本を知ってすぐ「読みたい!」となったのは、

出版不況の原因ではないが一因である
「新古書店」。
その新古書店で買うことにこだわったマンガを
出版社が商業出版する、だ、と?!

その構図自体が面白いじゃないか!

という点に尽きる。

しかも「新古書ファイター真吾」は、電子書籍があるぞ!!

書店流通には絶対乗らないましてや新古書店にも古書店にも流通されない
電子書籍版。
なにを考えているんだぁー!

存在自体が面白いっ!

そしてそして。

「新古書ファイター真吾」はブコフ系列で販売したのだと噂に聞く。
サイン本があったと聞く。

高額転売されている!!!

なんというアイロニー。
嘘のような現実。
面白過ぎる!

この上は是非!
マンガアプリで配信して欲しい!
広告をつけることでマンガを無料で読ませるマンガアプリ。
読書の新しい形だ。

切り開け!あらゆる可能性を!!

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