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低糖質スイーツ理論【甘味料編】

前回の記事がいい感じに見てもらえてるので、早めに書いちゃおう!と下心が見え隠れするロカボパティシエ田中です。

前回の記事⇩

さて、今回はお菓子にとってとても大事な『甘味』のお話をしていきます。

前半はお砂糖のお話。後半は低糖質の甘味料の話になります。

レッツゴゥッッ!!

1.お砂糖の役割

さて、お砂糖を使わないようにしよう!と考えてもどうしていいかわかりません。

何かを変えるなら今の現状をきちんと把握してからがいいでしょう。

今のその辺で売ってるお菓子には必ず砂糖が入ってます。なぜでしょうか?

きっとお菓子にとってお砂糖はとても重要な役割を果たしているはず・・・

それではお砂糖の働きを因数分解していきましょう

1.甘味をつける

一番シンプルに必要なことでしょう。特に説明いらないですね(笑)

2.アミノカルボニル反応

メイラード反応とも言います。加熱すると糖質とタンパク質が反応して、美味しそうな焼き色がつく反応です。パンケーキの色なんかはこのメイラード反応の効果です。

3.乳化を助ける

『乳化』って言葉の響きがなんかえっちですよね。すみません黙ります。

乳化とは、本来分離してしまう水分と油脂を混ざり合わせることです。砂糖だけでは乳化させきれませんが、卵黄の中に含まれるレシチンの乳化効果を助ける力があります。

4.よく溶ける

当たり前のようですが、結構大事なんですよね。良く溶けるってことは、甘味が全体にダマにならず均等にいきわたるということです。この効果のおかげで、大きな焼き菓子でも、どこを食べても同じ味になってくれます。

5.分散がよくなる

4と少し似てるのですが、これは砂糖だけでダマにならないということではなく、他の物もダマにならなくしてくれるということです。わかりやすいのが寒天です。寒天は沸騰したお湯に寒天と砂糖を入れるのですが、寒天と砂糖を混ぜておくと寒天がダマにならず全体に分散します。

6.タンパク質が熱で固まるのを緩やかにする

プリンを柔らかくなめらかにするのは、このタンパク質の熱凝固を抑制するという効果です。卵と牛乳に熱を入れても、ただの卵焼きですが、砂糖を入れることによってタンパク質が固まる温度を高くして、固まりにくくし、よりなめらかで柔らかいプリンに仕上がります。

7.吸水性・保水性 

水分をよく吸うし、吸った水分を逃がさないよ!という効果です。水分をよく吸ってくれるお陰で、お菓子が腐る元になる自由な水分を無くしてくれて、防腐効果になりますし、保水性のおかげで焼き上げたお菓子もしっとりさせてくれます。

この性質の発展として、デンプンの老化防止があります。お菓子を放置するると乾燥して硬くなるんですがそれを防止してくれます。


お砂糖さん、お菓子に貢献しすぎじゃん!!! 

低糖質の壁

絶望。

軽く書いただけでもこんなにあります。ほかにもメレンゲを安定させる効果だとか、油脂の酸化防止だとか、ペクチンのゼリー化促進などがあります。

こんなにもありがたい存在だったんですね。使えなくなってから実感します。別れてから大切さがわかる彼女かよ!!

さて、どうしましょうか。

2.役割の補完

低糖質の甘味料で代表的なものは

ラカントステビアエリスリトールです。今ある低糖質お菓子は大体この3種類を使い分けて作られています。

ラカントは甘味が強いですが、甘味を感じる速度が少し遅く、お菓子にはあまり向かないかと思います。独特な風味もあります。

ステビアは超微量で強い甘みを生じ、エリスリトールや難消化性デキストリンで割って商品となっているものが多いです。甘味は砂糖に近い甘みでお菓子を作るのに向いているといえるでしょう。

エリスリトールは希少糖の一つに分類される糖アルコールの一種です。口に入れると、口の中の熱を奪って、とても冷たく感じる甘味料です。ステビア、ラカントと混ぜて使われることが多いです。

この代表的な3種類の甘味料でカバーできるお砂糖の性質は1.(甘味をつける)4.(よく溶ける)5.(分散がよくなる)です。

2.(アミノカルボニル反応)3.(乳化を助ける)6.(タンパク質熱凝固抑制)7.(吸水性・保水性)が損なわれてしまいます。

どんなに低糖質でもゼロ糖質にはできないので2のアミノカルボニル反応と6のタンパク質熱凝固抑制はカバーできるでしょう。

また、3の乳化を助ける効果も粉類があれば少し無理やりですが、混ざるのでそれほど問題ではないでしょう。

一番の問題は7.の吸水性・保水性です。この性質が無いせいで、基本的に低糖質のお菓子は日持ちが悪く、賞味期限が短いですし、メレンゲに入れても安定しませんし、しっとりとした焼き上がりにするのも難しいです。

保水性を上げるには何が考えられるでしょう。

ってか・・補完・・できるのか?

3.現時点は

上に挙げた甘味料は糖質ゼロで血糖値をまったく上げずに、甘味をつけるものです。

ですが、お菓子において甘味をつける能力だけではお砂糖の代わりを務めることができません。

難しいですね。低糖質は

現在の解決法は全く血糖値を上げない甘味料を使いつつ、お砂糖ほど糖質の高くない、かつ、お砂糖の能力も少しカバーできる甘味料を使うことです。

保水率に関しては、食物繊維などを入れることで、多少上げることができるので、難消化性デキストリンや、イヌリンを少し入れると食感変わったり、しっとり感が出ます。

しかしその食物繊維系が分散悪く、ダマになりやすかったりするので、調整が必要だったりするのです。もう勘弁して・・・


4.まとめ

はい!

今回は低糖質スイーツ【甘味料編】ということで書いてきました。

実はまだ僕自身も正解を出し切れてないところです。

調べれば調べるほど、作れば作るほどわからなくなるという低糖質沼(笑)

ハマると楽しいですよ!皆さんもハマってみてはいかがでしょうか


最後まで見ていただきありがとうございます!

好きです!

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profile

1994年大阪出身。大阪の製菓専門学校を卒業後、個人店パティスリー・百貨店パティスリー・低糖質イタリアンで経験を積む。

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スノーウエアを買って家の中でずっと着てます。外寒すぎん?

今シーズン一回だけでもスノーボードをやってみたい。

7年前くらいに一回だけやって、自分と空との間にボードがあるという不思議体験をい、挫折。

チャレンジだ!!

                                                                                     

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