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【ASDと恋愛】認知のずれがもたらす問題行動への懸念

 就労移行支援施設でASD(自閉スペクトラム障害)の人がたくさんいた。その中に、片思いをしている女の子に対して、頭をなでたり、壁ドンをしたり、テレビや漫画で見たような恋愛テクニックを実践している男性がいた。仲良くもないのにそれらをされた女の子はとても怖がっていた。

SNSより(文書を一部改変しています)

 上記の内容から今回は、ASD当事者によく見られる恋愛に関する問題と、潜在的なストーカー加害者となる可能性について触れたいと思います。

 実際、書籍にはASD(自閉スペクトラム障害)を持つ人々が、異性との関係において問題を抱えやすいことが書かれています。

 『ストーカー加害者になりやすい。思春期になると、異性を意識し、好きな異性と付き合いたいと思うようになります。
 けれども恋愛には、仕草や雰囲気、言葉のニュアンスから相手の気持ちを察する高度なコミュニケーション能力が必要。自閉症スペクトラム障害がある人には苦手な世界です。
 このため、社交辞令を真に受けて付き合おうとしたり、相手が嫌がっているのが分からずに付き纏い、結果的にストーカーの加害者になったりします。
 また、こだわりが強く、何かに注意を向けるとまわりが見えなくなってしまうので、いい匂いのする人の後について行ったり、服の模様が気に入って、いきなり服に触りトラブルになったりすることがあります。』

引用:『心のお医者さんに聞いてみよう この先どうすればいいの?18歳からの発達障害 自閉症スペクトラム症への正しい理解と接し方』(著)宮尾益知

 この書籍の内容から、ASD当事者の恋愛が難しい場合があることが理解できます。高度なコミュニケーション能力が求められる恋愛において、ASDの特性が課題となります。また、強いこだわりが不適切な執着につながる可能性があることも考慮すべきでしょう。

 例を挙げると、自分が知っているケースでは、30代のASD男性が同じコミュニティの10代の女性に出会って1か月で告白し、その事実が広まり、他の女性陣から「気持ち悪い」「常識がない」「ストーカー」などと言われるといった大きな騒ぎになりました。
 告白された女性は不快そうな表情を見せ、次のように語っていました。

「正直怖かったし、告白されても全く嬉しくなかった。どう対応して良いか分からなかったし、付け回されて本当に怖かった。」

 ところがこのASD男性は、自分の行動がストーカーのように受け取られていることに気づいていないようで、事態にどう対処すべきか理解していなかったようです。

 さらにこのASD男性は別の10代女性に壁ドンをしたこともあります。壁ドンをされた女性は「一瞬何をされたか分からなくて、怖すぎて固まってしまった」とギョッとした表情で語っていました。

 残念ながら、ASD当事者にとって恋愛は難しい側面があると言えます。特にこだわりの強さが、適切な行動とは異なる、不適切な執着とも言える行動につながる可能性があります。
 しかし、ASD当事者であっても、ストーカー行為などの法的に問題のある行動は許容されません。このような問題が発生する前に、適切なコミュニケーションスキルや行動の形を学ぶ機会が提供されるべきです。
 特に成人前に、学校や精神科デイケアなどの環境でこれらのスキルを習得する機会が重要だと考えます。

 ASDと恋愛に関する問題は複雑で難しいものですが、ASD当事者と関係者が協力し、健全な関係を築くためのサポートが提供されることを期待します。

 自分もASD当事者ですが「末裔確定宣言」をしたので、異性への執着は出ないはずですが、それでも気を引き締めていきたいと思います。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【参考文献】


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