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コーチャビリティについて書いてみる

今週はあっという間でした。もう金曜日。月曜日はいわゆる「推し」のliveに参加するところから始まり、バタバタしているうちにウィークデイが終わってしまう感じであります。
そんな中で先週と今週、私の社内研修では「フィードバック」について扱ってみたのですが、それに関連する重要な概念の「コーチャビリティ」について今日は触れてみたいと思っています。
何だか私のこのnoteは横文字、カタカナ語ばっかり出てきているような気がしますね。。。以前自分はどんどんビジネス用語でカタカナ表現が増えていくのをなんとなく違和感を持って見ていたのですが、実は学んでいくと元々の日本語の中に「概念」そのものがなかったりするものですから、あーこれは致し方ないんだなと今は理解できるようになりました笑
そんなわけで、今日も元々は日本語の中に存在なかったと思われる、「コーチャビリティ」について書いていきます^^



コーチャビリティとは

コーチャビリティ(Coachabirity)はいわゆる名詞形なわけですが、これが形容詞になるとコーチャブル(Coachable)になります。
「コーチ=Coach」と「可能な=able」が組み合わさった英語ですよね。
コーチャブルな人、と言った場合、「コーチングを受けられる状態にある人」の意味になります。
持って生まれた能力ではなく「マインド(精神状態)」に近くて、目標への情熱やオープンさ、主体性など、を身につけている人のことですね。
いわゆるコーチング関連用語ではありますが、もう少し広い意味でも使われます。

それは例えば、コーチャビリティと言った場合(名詞の場合)は、「他者からの助言をちゃんと聞き入れる能力のこと」(「みんなのフィードバック大全」三村真宗著より)と言えるそうです。
別な表現では、
「他者からの助言に心を開き、時には苦言すらも自己の成長に転化できる能力」(同みんなのフィードバック大全より)とあります。

ではコーチャブルな人とコーチャブルでない人、つまりアンコーチャブルな人とはどういう違いがあるのか?

みんなのフィードバック大全より

上記は「みんなのフィードバック大全」の中に出てくる図です。
コーチャビリティが高い人、要はコーチャブルな人は平たく言えば素直な人。他者からの助言をスポンジのように吸収して自分の栄養分にし、早いペースで成長、成果もあげる人です。
成果によって更に自信を得て、また成長する、という好循環の波に乗ります。

それに対してアンコーチャブルな人はどんな人か?
一言で言うと、頑固な人。他者からの助言に耳をふさいでしまうために、成長が停滞して成果も頭打ち。ところが本人はその状況に不満を感じるんですけども、自分でいかんともしがたい為に現実から逃避し始める。停滞は解消されずに不満が募るという悪循環になると。。。


自らを振り返ってみると・・

ここで私自身を振り返ってみると、やはり学生時代から20代、30代くらいまではまさにアンコーチャブルな人間だったなと思わざるを得ませんね。
他者からの助言に耳をふさぐという意識はなかったのですけれども、成果をある程度上げても、なかなか評価されず、自分よりも定量的な成果が低い人がどうして評価されているんだろうといつも思っていました。
要はコーチャブルな要素を持ち合わせていなかったんだなと思います。
とにかく成果を出そうとするあまり、ひとりよがりになって、他の人から学ぼうという姿勢が低かったかなと。
他者からの助言をスポンジのように吸収する、なんてことは本当になかったと思いますね。
前提条件が違うとか、自分の今の環境では難しいとか、いつも理由を外に持って行ってましたね・・恥ずかしながら。

みんなのフィードバック大全より

コーチャビリティは成長意欲と、忌避の2つの要素から紐解くことができるそうです。成長意欲、これは言葉の意味の説明は必要ないですよね。
忌避とは何か。これは耳の痛い話から逃げたくなる気持ちの事を指します。
まずコーチャブルな状態は、成長意欲が忌避の気持ちを上回っている状態のことですね。上記の図で言うと左側。
成長意欲が勝っているから、誰しもが少なからず持っている忌避を押さえて、耳の痛い話も自らの成長を目標に掲げていれば、長期で得をするのは自分と心得て、好循環のサイクルに入れると思います。
それに対してアンコーチャブルな状態は、忌避が成長意欲を上回っているので当然成長機会を失うんですよね。将来どれくらい成長できるかよりも、今目の前の耳の痛い話を聞きたくないんだと。そういう状態。これでは長期で損をするのは自分ですよね。
ここは自分でそういう部分があったというのを認めるのは何だか心苦しいのですが、若いころは、まさに忌避の気持ちが自分の心の多くの部分を占めていたなあと思います。
ここでですね、他人からの耳の痛い話という言葉が出てきましたけれども、コーチャビリティを語る上で、セットで理解が必要になってくるのが実は「フィードバック」なんですよね。次はそこも簡単に押さえておきましょうか。


フィードバックについて

まず「フィードバック」の定義から確認してみましょうか。
ビジネスにおけるフィードバックとは、行動や成果に対する評価内容を伝え、より良い結果へ導くための手法を指します。フィードバックには、上司と部下、プロジェクト内といった社内で行うものと、取引先や消費者など外部の第三者との間で行われるものがあります。
                       (日本の人事部より)

フィードバックはもともと制御工学で使われている用語で、出力結果を入力側に戻して、出力値が目標値に一致するように調整することを言うようです。エアコンの温度の自動調整もこのフィードバックから行われているんですよね。このことから、求める結果とのずれを生んでいる原因を行動側に戻すことを、「フィードバックする」と表現するようになったとのこと。

そのフィードバックに2種あって、ポジティブ・フィードバックとネガティブ・フィードバックです。

ポジティブ・フィードバックとは、フィードバック対象者の意欲に働きかけて成長につなげる方法です。
「○○さんの良いところはここです」というような言葉で前向きな気持ちを引き出し、自発的により良い行動を考え、実践するよう促します。

一方のネガティブ・フィードバックは、課題となる部分を指摘し、どのように改善すべきかを考えさせるやり方です。課題点を具体的に示すため、対象者にとっては成長の機会になります。

当然ですけれど、ポジティブフィードバックは受け手側からしたら沢山頂くことで自らの考えや行動や可能性が「承認」されますからとてもモチベーションも上がるし、有効です。

それに対して、コーチャビリティの部分で関係してくるのはやはりネガティブフィードバックの方なんですよね。それは大体内容で3つに分かれてくるらしいんです。
A.すんなり心に入ってくるもの
B.多少なりとも抵抗を感じるもの
C.事実や信条に反していて受け入れがたいもの

大体Aが2割、Bが7割、Cが1割くらいなんだそうです。事実や信条に反しているものまで受け入れる必要は全くないわけで、コーチャビリティの高い人は、Aは勿論ですが、7割ある、多少なりとも抵抗があるBのフィードバックをしっかり受け止められます。
それに対してアンコーチャブルな人は結局このBのものですね、耳が痛く、多少なりとも抵抗を感じるものから逃げてしまうんでしょうね。
「信条に反するので受け入れられない」のか、それとも単に忌避の気持ちから生じる「耳に痛いから受け入れたくない」のかを混同しないで自分でよく理解し、コントロールする必要があるんでしょう。。。


どんな人材を必要としているのか

以前から私は外部の方と「人材」の話になって、皆川さんはどういう人材を求めているんですか?と聞かれると、ほとんど必ず、
「素直な人」とか「正直な人」とか「裏表がない人」と答えていました。
逆に、こういう人材は厳しい、という質問については、
「自分に目が向かない人」といつも話してましたね。
面接でこれ1つ、気にする基準というのは上記に書いた通りなんですよ、私の場合。

以前、必要としている人は一言で言うと「素直な人」だったわけですが、
こうして「コーチャビリティ」の概念を知った時、
あ~~~私が今までこういう人材が欲しい、一緒にこういう人材と頑張っていきたいと言っていたのは、まさに「コーチャブル」な人材だったんだなと分かりました。自分の中で整理されましたね。

ブログ冒頭でも書きましたが、「コーチャブルな人」とは、「他者からの助言に心を開き、時には苦言すらも自己の成長に転化できる能力」のある人、ということになりますね。

これまで介護事業を経営してきて、成長し続けることのできる人、また大きく伸びていく人の特徴として、
素直に他のメンバー、先輩からのいわゆる「フィードバック」に耳を傾けて、少しずつでも自らを変えていける、この部分は共通していたなと思いますよ。私の経験の範囲内の話になってしまうかもしれませんが。

これからも共に成長してく仲間として「コーチャブルな人」をどんどん受けれて行きたいですよね。
また、現状から少しでも私も含めてではありますが、「コーチャビリティ」が高まるようにしていきたいなと思うわけです。


コーチャビリティを高めるには

ここまで書いてきてですね、1つ確実に言えることは、「コーチャビリティ」が高い人の集団になれば、そのチームは確実に成長するし、成果も出せるんだなということです。
じゃあどうやってそれを高めていけばよいのでしょうか。
いくつかポイントをあげてみます。

1.フィードバックの価値を理解する

フィードバックがいかに組織とそれを構成するメンバー1人1人の成長につながるものなのかという「価値」を組織全体で理解することが大事になるでしょう。
メンバー同士がフィードバックをお互い抵抗なくしていけるような土壌が形成されるのが重要ですよね。
その前提として、フィードバックとは何か、どんな効果があるのか、またそのフィードバックの土台である相手に対するrespectの気持ち。つまり同じチームの仲間として心から尊重するというスタンス、ここを全体で繰り返し共有して、理解を深めることです。

2.フィードバックに慣れる

フィードバックの価値を意識したら次は実践。そしてフィードバックを与える方も、受け取る方もまずは「慣れ」ていくことですね。
研修の中でフィードバックをし合うような機会、時間を作るのも1つなのかなと思います。まずはそういう場があってこそ実践できるという現実もあるんじゃないかなと。

3.フィードバックの文化を作る

コーチャブルな人を育成していくには、やはりその人一人ではできないもので、組織で、チームで育てていく必要がありますよね。「慣れ」の次はその組織の文化にするということです。
それは1番と重なる部分もありますが、フィードバックの定義をしり、その価値も理解できたら、実際に現場で、日々、フィードバックの言葉が飛び交う、そんな文化を作ることが重要ではないでしょうか。

このようなステップで皆さんの関わる組織に「フィードバック」を根付かせていくことで、「コーチャブル」な人が結果的に増えていくのではないかなと思っています。
私自身も自分の組織でこれからもチャレンジしていきます。
コーチャブルな人が1人でもチームに増えていくように・・・。


今日はここまでになります!
最後までお読み頂いて有難うございました^^


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