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鳥山明先生の天才性について

鳥山明先生が亡くなられたと聞いてびっくりです。68歳、まだまだお若い。子供の頃からずっと親しんできたものの作者がこの世を去られるのはとても寂しいです。作品はずっと残りますが、作品と共に長生きして、好きなプラモデルでも作っていて欲しかったですね。残念でなりません。

その漫画やイラストの魅力は国民全員がご存知でしょうから語りませんが、今にして思うと、鳥山先生はジャンプ作家としては異端だったのではないでしょうか。デザイン畑出身の精緻で、かつ可愛らしくオシャレな絵柄。そして呑気で馬鹿馬鹿しいお話が大好きな作家。よく言われる「友情・努力・勝利」とは縁遠い作風だったはずです。けれども、いつの間にかそれを身に付けて、大看板になった。

いや、実は「いつの間にか」ではないんですよね。とんでもなく努力して読者の要望に応えてくれたのだと思います。編集者の鳥嶋さんが何度も何度もボツにしたのは有名ですし、インタビューでもいろいろと苦労を語っておられました。バトルより地味で平和な話が好き、恋愛描写は苦手、でもそれらを克服して人気作家から超人気作家になったのですよね。

天才を見ると何でも出来て羨ましいと思ってしまいますが、世間から認められている天才は、その天才性を活かすための世間とのすり合わせの努力をとてつもないレベルでやっているのでしょう。だからこそ、天才なんですね。

鳥山明先生ありがとうございました。世界中の人々が数え切れないくらいたくさんのものを貰いました。作品はずっと残り、世の中に元気を与え続けてくれることでしょう。