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フランス人のバカンス事情

フランス人へのイメージは色々あるけれど、

「バカンスを大事にする」
「あまり働かない」

というイメージを持っている人は多いと思う。

でも、働いていないのにも関わらず、

フランスの経済力はそこそこある。
2023年のGDPランキングでは
日本は3位、フランスは7位である。

だけど一体、
そんなに休んでいて、
どうやって経済がまわっているのか?

それがずっと、疑問だった。

そんなとき。
出会ったのが、この本だった。

『休暇のマネジメント』高崎順子著


この本は、私が疑問に思っていた
フランス人の「バカンスの謎」を
全て教えてくれたのだ!

ここからは、
この本の内容を話しつつ
感想を伝えていきたい。


私が高校時代、
ホームステイしていたときに

ホストマザーが
春、秋、冬には
それぞれ1週間ずつ、

夏には2週間の
バカンスを取っていたことに、
高校生の私は、衝撃を受けた。

(私のホストファミリーは
 お母さんが大黒柱だった)

日本の高校生よりも
休みが多いんじゃないか?

と思ったほどだ。

でも、ホストマザーは
「これでも少ない方。もっと取る人もいるよ。」
と言っていたことに驚いた。

対して、日本はどうか。

ここ数年でかなりの変化は
しているようだけれど

「働くことが一番大事」
と言ったような風潮は、

まだまだ完全に、
抜けきっていないように思う。

私はフリーランスだから、
1人で全ての業務を遂行しなければいけない。

週に1回は休みを取れるようにしているけれど、
それでも臨時の仕事が入ったりして、
しっかり取れなかったりもする。

なので、そんなフランスを
とても羨ましく思いつつも、

「そういう文化だからだよね。
日本は違う文化だから、変えられない」
と、

半ば諦めた気持ちで
指を咥えているだけになっていた。

でも、この本を読み始めてすぐ、
それは間違っていたとわかるのだ。

実はフランス人も昔、
「休みベタ」だったのだ。

バカンスを与えられても

「夏休みを2週間も?
 そんなに休んでどうするのか?」

と考える、仕事人間の国だったのだ。

というのも、フランスは農業大国なので、
普段の仕事の後、家の農業手伝うとか、

学生も休みの間、
農家の手伝いに駆り出される、
と言うような状況。

学生にとっても、
意外にも過酷な夏休みであったようだ。
(しっかり休む期間もあったようだけれど)

これを聞いて、
フランスへのイメージか
大きく変わる。

昔からあまり働かず、
のんびり暮らしている。

そんなイメージとは逆に、
まめに仕事をしていたらしいフランス人。

そんなフランスで、
バカンスが始まったのは、

「働き方改革」のようなものが
フランスで始まってからだ。

もちろん、最初からみんなは
すぐに休みを取れたわけではなかった。

休んでもお金がないため
遠出ができなかったり

休むと仕事が止まるから、
と休めなかったり。
(農業や自営業は、特に)

この本は、「休みたくても休めない」、
という部分を

フランスの政府が
どう変えていったかを

とてもわかりやすく教えてくれている。

つまり、
フランスのやり方を参考にすれば、

日本でもフランスのように
長期の休みを取れる可能性を
示してくれているのだ!

また、経済の問題についても
新たな視点を得た。

人々が休むと、なんとなく、
経済が止まりそうな気がしてしまうが

むしろ、
休むことで人々は遠出をするから

交通機関、ガソリン、
飲食店、ホテル、レジャー施設など

さまざまなところに
お金を使うようになる。

つまり、バカンスによる
経済効果が生まれる。

このようにして、フランスという国が
成り立っているのだ。

今のフランスは、
休暇を取らないフランス国民たちが
どのようにしたら休暇を取るのか、

と問題点を見極め、
対策に対策を重ねた、フランス政府の功績だったのだ。

これを読んでからはもう、

「バカンスはフランスの文化だからね」
「日本には無理だ」

とは言えなくなった。



本当に興味深い本だったので、
経営者、政治家にはもちろん、

会社員にも、フリーランスにも
ありとあらゆる人に読んで欲しいと思った。

長期休暇は、一人一人が
休みを大事にすることで、もっと実現していくと思う。

「休んでも何したらいいかわからない」
という人は、休むことでどんな効果が得られるのか、
この本で学んで欲しい。

休むことで、
より効率に働けるようになるということを
知ってほしい。

「みんなに読んでほしい!」

そう叫びたくなる本でした。

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