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ドット絵の魅力と絵作りについて考える

ドット絵 Advent Calendar 2021 19日目の記事です。

12月1日から25日まで、ドット絵に関する記事を毎日投稿しよう!という企画になっています。参加されている皆さんの素晴らしい記事も、是非チェックしてみて下さい。

裏ドット絵 Advent Calendar 2021 もあるらしい...

はじめに

こんにちは!

あん。(@annaan801)と申します。

日々ドット絵を描いて投稿しています。(あれ、最近全然描いてなくない?という疑惑の声が聞こえてくるような...いやきっと気のせいだ...)

くだらない茶番はさておき、まずは記事の概要を説明しますね。

この記事では、ドット絵の特徴や特性から感じる魅力と、その魅力を生かす絵作りについて私なりに考えてみた事をまとめた内容となっています。

あくまで、私がドット絵を描いてきた上で感じた主観を含んだ文章であるということをご理解頂けると幸いです。(ほーん、あん。って奴はこんなことを考えてるのか...くらいの軽さで大丈夫です!)

また、ドット絵とは云々はいいから、絵作りについて読ませてくれよ!という方は見出しの、ドット絵を描いてみようから飛んで読むことをお勧めします。前置きが少し長いので...

それでは、拙い文章ですが、お付き合いよろしくお願いします。

ドット絵とは

ドット絵の魅力について考えてみる前に、まずはドット絵とは何なのか、特性や特徴について考えてみましょう。

ドット絵とは、主としてコンピュータ上における画像の表現方法・作成方法の一形態であり、表層的には通常の目視でピクセルが判別できる程度に解像度が低いビットマップ画像と捉えることができる。(Wikipedia より)

(どこまでがドット絵で、どこからがドット絵じゃないのか、という定義については無限の解釈があるのでここでは掘り下げないでおきますね...)

ドット絵は、言わば正方形に区切られたマス目に置いた色のみで構成された絵です。そのため、ある程度表現に制約が出てくる表現方法とも言えるでしょう。

ですが、私はその制約こそがドット絵の魅力でもあると思うのです。

ドット絵の魅力とは

ここから、「制約がドット絵の魅力である」という部分をもう少し掘り下げてみたいと思います。

私が思うに、ドット絵の魅力はその「分からなさ」にあります。

ここでの「分からなさ」とは、曖昧さの事を指します。制約があることによって少し狭まった表現を、鑑賞者の想像力が補うという、作品と鑑賞者との間に関係性ができ、鑑賞者の中で作品を解釈するゆとりが生まれるのではないかと私は感じています。(とは言え、鑑賞者の想像力に依存しすぎる、というのもどうなんだろう?とは思います。難しい...)

コンピューターの性能がまだ低かった時代は、今よりもずっと低解像度に収めなければいけませんでした。その大きな制約の中で、いかに人物やモチーフを生き生きと、豊かに表現出来るか試行錯誤して描いていたはずです。(ポケモンのドット絵、特にボックスなどに入れる時に画面に出る小さい方のドット絵を是非見てみてください。1匹1匹の特徴が感動するくらい上手く表現されているので!)

私は、その試行錯誤がドット絵を描く(ここでは打つと言う方が適切なのかもしれません。)面白さであり、醍醐味だと思っています。

そして、自分の中の「分からない」「分かる」の間の心地良さを大切にしながら日々制作をしています。

ドット絵を描いてみよう

さて、ようやく本題です。(長かった...ここまで読んでくれたあなたに感謝とお疲れ様ですを伝えたい...!)

ドット絵を描く時、どう描こうか方向性や選択肢で迷うことがたくさん出てくるかと思います。

そこで、ここでは私の作品を例にあげながら、描き進めるために踏む手順の一例を書きます。(私自身、いつもこの方法を取っているわけではありません。進め方は、いつだって自由でいいんだよ...)

大きく分けて3つの要素から、表現したい方向性を探っていきたいと思います。

1. キャンバスサイズを決めよう

これを決めなきゃ始まらない...!最初の大きな関門です。

前述で表記した、曖昧さの加減を大きく左右するのもここです。

何をどういう風に伝えたいのか、まずは作品の根幹に当たる部分を、自分で認識しようと試みることが大切です。必ずしも絵にストーリー性や大それたテーマがなければならない!と言うわけではありません。どんな小さな気づきや発見でもいいんです。描きたいと思った気持ちを一番大切にして、そこから少しずつ方向性を決めていきます。

何をどういう風に伝えたいかが決まれば、キャンバスサイズも決めやすくなります。(今回は、キャンバスは正方形とします。また、縦横比の話や、技術や知識についての話もしません。)

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例えば、私のこの作品は「トマトを フレッシュに 見せたい」という方向性があります。

もっと詳細に言えば、「小学生の頃に育てたような鉢植えのトマトを フレッシュ かつ 懐かしさ を感じさせるように 見せたい」です。

そうすると、

●トマト単体の細かい描写ではなく鉢植え全体をざっくりと見せたい

●懐かしさを感じさせたいので、細かすぎる描写は省きたい

という観点から、キャンバスサイズを小さめに絞り込むことが出来ます。

これで第一関門を突破出来ました!やったね!

(余談ですが、この作品はコンテストに出したものなので、キャンバスサイズは最初から64px×64pxに決まっていました。こういう場合、逆に考えれば、あらかじめ決められたキャンバスサイズからテーマを絞り込む、ということも出来る訳です。しかし、今回の場合においては作品で伝えたいテーマに対して、このキャンバスサイズで不自由なく描くことが出来たので、この話は省略します。)

2. 色を決めよう

色は、どんな風にという部分に深く結びつきます。

私の場合、「フレッシュ かつ 懐かしさ を感じさせるように」見せたい、というのが作品の方向性なので、この2つの要素に合うような色を探します。

【例】右と左では、どっちがフレッシュに見えるだろうか?

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自分で色を変えながらしっくりくる色味を探してみてもいいですし、ネットで検索したり、CMや広告の色味を参考にしてみてもいいかもしれません。作品を見過ぎて分からなくなったら、人に意見をもらうのもいいかもしれません。

3. 描写方法を決めよう

ここまで手順を踏んでいれば、おのずと方向性も固まってきたり、3つの要素同士を並行して考えていくということも出来ることもあるでしょう。

描き進めたい方向性から、ざっくりと主線の有無、アンチエイリアスの有無などどう表現したいか選択をしていきます。ここは、好みや癖、得意不得意なども大きく影響してくる部分かもしれませんね。

【例】右と左では、受ける印象にどんな違いがあるだろうか?

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描写方法がどんな印象を与えるのかが分からない場合、誰かの作品を見ながら考えてみると、新たな発見があったりします。

おわりに

ざざーっと説明してきましたが、いかがでしたか?

ここまでつらつらと手順について語っておいてなんですが、私もまだまだ未熟な部分があったり、この記事だけでは上手く伝えきれない箇所も多くあります。

記事の中には、私自身に言い聞かせるように書いた箇所もあります。描きたい絵が分からないなんてことは日常茶飯事です。

どうかこの記事が、私と同じように、絵を描きたいけど描き方が分からなくて描けないんです...と思い悩む方にも届きますように。描き出した時点で、その絵はあなたのものなんだよ。

この記事が誰かの何かの一助になれば幸いです。

それでは、素敵なドット絵ライフを。そして健やかな年末をお過ごし下さい。

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