羅小黒戦記に救われた話

羅小黒戦記に出会って人生が明るくなりました。

※そこそこに暗い話をします
いくつかのジャンルで二次創作に手を出すくらい好きになるものがあった。
どの作品も好きな気持ちは変わらないので現在も水面下で話はしている。
自分にとって絵を描くくらいまでになるのは、相当人生に影響を与えているくらい大きな存在。

でも

あるジャンルでは、好きになってしまったものが世間体ではあまりよく思われないタイプの傾向で申し訳なさから。(伏字や見えない対策はしていた)

あるジャンルでは、ファン同士のCPキャラ名指しで貶す行為が絶えない。
ただこちらは自カプを検索したいだけなのにわざわざご丁寧に引っ掛かるワードに平気で「嫌い、無理」と書く人がとても多かった。

平和に暮らしたい小心者なので、二次創作だから自由にしたら良いと思っている。たとえ苦手なCPやキャラが居ても決して口には出さない。そういうスタンスで生きていたので見かける度に攻撃的なものは自衛してきた。

そんなこんながあり結果、どのジャンルでも居心地の悪さを感じてあまり絵を描かなくなった。

仕事でもプライベートでも嫌な事が続き、休日公衆の場でもいきなり涙が止まらなくなったり、ストレスで体調をおかしくしたり、生きているのがつらくなるほど鬱になってしまった。
もう絵を描く事もこの先無くなるのかもしれないとも思っていた。


そんな時に出会ったのが羅小黒戦記だった。
映画を観て座席でひっくり返りそうになったのは初めてだった。
いや、あらゆるものをひっくり返されたけども。

ストーリーも、美しい背景も、作画も、音楽も全てが素晴らしいけど、何より「作り手が本気で楽しんで作っている」のが伝わってくる作品だった事に感動した。

海外アニメはいくつか触れた事があったが、ここまで完成度の高い海外アニメは2Dアニメではこの作品が断トツだと、思った。初めて観た時は何度も「本当にこれが…中国の今…」と衝撃を受けた。

自分も絵を描いているし、薄い本もいくつか作った、少しなら動きのあるものも作った事がある。だからこそこの作品はヤバイと思った。アニメ業界で働く人達を「自分達もこんなアニメを作りたい」と思わせ絶賛するのも納得だった。

一度で理解できない用語もあったけれど、オタクならまぁなんとなく理解できるレベルで、重要なストーリー自体は分かりやすく、「あのシーンの説明は欲しかった」というモヤモヤはなかった。
駆け足だったという意見も見かけたけれど、私は多からず少なからずちょうど良いと感じた。

もう既に映画の素晴らしい感想はいろいろと言われているので、あえて個人的に良い作品だなと思った部分を挙げると、

「じゃあ小黒はどうしたい?」と大人が子供に意見を押し付けないところや、はじめは人間は全員悪だと思っていた小黒に「どの世界でも同じ、いろんな奴らが居る」というキュウ爺の台詞(吹替版の台詞で1番好きかもしれない)、そして考えを改めていく小黒の姿は

羅小黒戦記に限らずどんなものにでも響くやり取りだと思った。

それからは多い時は何日も連続して、仕事がつらい時のお薬として観に行った。
おかげで突然涙が出る現象も無くなった。本当におくすりだった。

世界にはこんなにも誰かの心を響かせる素晴らしいものを、楽しみながら生み出している人達がいるのに、自分は何をしているんだと冷静になった。
自分もこんな風に楽しんで仕事がしたくなった。

ずっと辞めたかったけれどコロナもあってズルズル引き延ばしになっていた仕事を、何も決まってはいないがようやく辞める決心がついて、数ヶ月後無事退職した。

今は毎日生きている実感も湧いてくるし、人としての生活を行えているような気がする。
奴隷のように働いた年末も、羅小黒戦記が無かったら人生に耐えられなかったかもしれない。ありがとう。


映画→WEBアニメ→藍渓鎮の順番で入ったけれど、どれを見ても妥協がない。
話もちゃんとテーマが見えている、迷いの無さ?とも言えるかな…絵もスルメのように見れば見るほど味わいがある、キャラの肉付けも、何よりアニメーションも漫画も絵の動かし方が上手い。まとまりのある作品だと思う。
日本のアニメで昔自分が好きだと感じた良い技術をたくさん吸収した作品だなと懐かしさも感じた。
いいか、これをパクリと言う奴は論外だ。
人は誰だって影響され上達していくものがあるはずだから。
羅小黒戦記が、いまだ多く存在する中国への偏見を取り除く架け橋になって欲しいと思う。

WEBと藍渓鎮諸々を知ればさらに各々の作品同士に張られまくった伏線や小ネタを知ることが出来る事、また何度も観たいと思う気持ちにさせるのが本当に上手い。2回目以降知れば知るほどどんどんボロ泣き。
正直ここまで奥の深い作品だとは思ってもみなかった…おかげで今でも毎日のように発見があって頭を抱えている。

WEBアニメが延期するという案内があった時も、時間がかかっても良い作品を作る、というMTJJ監督の熱量に痺れた。
きちんと1人1人のキャラへの愛も感じられるし、広げた風呂敷を畳むのが上手い。

先日放送していたラジオでの中国アニメの特集の「近年中国のアニメ業界が急速な成長と、量から質へと変化している」という話を聞いて納得でしかなかった。

とにかく福利厚生も素晴らしいと思う。
二十四節気も毎回楽しみで仕方ない。
グッズもほぼ描き下ろしで、使い勝手の良い物も多く購買意欲を唆るものが多すぎる。困ったよ。ちょっと日本も見習ってほしいと思った。(同じ絵で十何年もグッズ出すのとか)

中国語も少しずつ覚えようと辞書も買った。羅小黒戦記のおかげで、中国系のお店に行った時に店員さんが何を言ってるのか少しだけ分かるようになった事も嬉しかった。

話を最初に戻すと、
以前、監督の二次創作に関するコメントを読んで、それからは本当に気持ちが楽になった。
羅小黒戦記に関わらず全てのジャンルの人間に見てもらいたいくらい。

https://twitter.com/haorj233/status/1246066705169657856?s=21

もちろんあらゆる作品にも通用するわけではない事は分かっている。
でもこういった監督の、公式からの意見も素晴らしいと思うし、こういう考えを持っている人もいるんだと知れて嬉しかった。
私もこんな風に寛大な心で生きたいと思った。

もちろん配慮やマナーは守るけれど、こんなにも楽な気持ちで二次創作が出来るのは初めてで本当に楽しい。
みんな違ってみんな良いって素晴らしい。
もちろん嫌なものがあれば見ないようにすれば良い。それが好きな人の見える場所で、誰にでも見える場所で言わない事が大事。

羅小黒戦記に出会ってから気づけなかった事にたくさん気づかせてくれた。

こんなにも絵を描く事が楽しいと思ったのは初めてな気がする。
もうオフ活動もする気が無かったのに気づけばまた出たいと思えるようになった。

結果ボロボロの虚無状態からオタクとして完全復活した。

本当に、お爺さんお婆さんになるまで(というか墓場まで持っていくくらい)好きでいられる作品に出会えた気がする。
まさに運命の猫。


毎日が楽しい。
生きてるのが楽しいです。
羅小黒戦記ありがとう。
スタッフさん達に美味しいもの食べてもらいたい。お給料アップしてあげたい。

4/20追記

円盤発売おめでとうございます!!ありがとうございます!!!!!

泣きながら円盤予約しました…

また生きる希望ができた…

円盤決まったけど映画館でまだ観たいから定期的に上映してほしい…

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