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来年合格するための心構え10選【2024】

①声教過去問昨年比は貴重な情報

入試過去問集の売れ行き動向が11月に第一報としてわかります。過去問販売会社、声の教育社から私の塾にも情報を提供していただきます。皆さんもYouTubeの声教チャンネルで直接知ることもできます。

昨年の過去問売れ行き動向の例(前年比) 男子校①駒場東邦107.2% ③足立106.9% ④京華105.6% ⑤早稲田103.5% ⑥筑駒103.1% 女子校 ②普連土115.2% ③三輪田114.8% ④学習院女子109.6%⑤東洋英和108.1% ⑦実践女子106.7% ⑩京華女子105.1% 共学校 ①開智139.4% ⑤埼玉栄107.1% ⑨淑徳巣鴨107.0%

11月の時点である程度2月入試の人気度を把握することができます。ただこれらの数字に極端に神経質になる必要はありません。過去問が売れている学校の多くは午後受験を実施しており受けやすい学校です。併願校、押さえ校として考えられていて、必ずしも第一志望で考えているわけではないのです。(太字の学校が午後入試を実施している学校)だから、たとえ人気があったとしても第一志望校の場合は受験してほしいのです。

逆に、押さえ校として考えていた学校がBEST10にラインナップされている場合は昨年よりも厳しい入試になる可能性があります。そのあたりは昨年の情報をいったん忘れて用心する必要があります。

毎年ルールが変わるのが中学入試です。昨年の卒業生の保護者の話や、上の子の受験の時の感覚のままいくと厳しい入試になります。必ず毎年情報をアップデートしましょう。ここ最近人気が急激に上がる要因は高大連携です。人気の大学から推薦枠を中高一貫校がもらったという話になるとその年の入試は荒れます。ですからそういった情報にも敏感になっておきましょう。

その他の受験者増の例 駒場東邦 大学入試結果良好(東大合格者増) 筑駒 受験可能範囲の拡大(さいたま市もOKに) 学習院女子 親子面接の廃止 など

②埼玉入試を舐めない

埼玉入試は1月からはじまります。特に埼玉のBIG3、栄東、開智、大宮開成は埼玉の受験生にとっては憧れの学校です。埼玉の受験生は11月ごろに開催される入試問題説明会に参加して対策をして入試に挑みます。1月入試の目的により併願校のラインナップは変わります。練習でいくのか、合格がほしいのか、進学も視野にあるのかで戦い方が変わります。もし、進学も視野に入れているのであれば、入試問題説明会に参加して過去問も実施して挑みましょう。合格がほしいのであれば、少しランクを下げればそれほど対策をしなくても合格可能です。このあたりは塾と相談しましょう。練習であれば実力相応校を受験すれば大丈夫です。ただし、過去問をやらずに挑むと1回では合格は難しいかもしれません。複数受験したり、午後入試を入れて押さえを作りましょう。埼玉入試は多くの学校で得点開示があります。この時期に1点の厳しさを知ったり、入試の厳しさを目の当たりにすると1月後半の勉強の質が変わります。これは多くの先輩たちの意見でもあります。特に上位生は厳しい入試も経験しておきましょう。

③相談は早めにする

埼玉入試の出願は12/1からはじまります。都内入試と違って埼玉の学校は自分の学校以外でも入試が可能です。開智中学はアクセスのよい埼玉スーパーアリーナでも受験を実施します。(逆に本校のある東岩槻はアクセスが悪く前泊などの措置が必要な場合もあります)一方でこれらの会場は人気が高いので12/1の早い時間で埋まります。11月中には1月校は決めておきましょう。もたもたしているとアクセスが悪い試験会場になって入試当日、移動に時間がかかってしまいます。

2月入試の場合、大学附属校や難関校の出願期間は非常に短いです。慶應中等部の出願は1/10と1/11の2日間のみです。これでも充分定員を確保できているので構わないのです。塾は冬期講習に入ると身動きできません。実際に授業をやっていたり、空きの教室がないためです。早めに数パターンシミュレーションをしておきましょう。

④入試問題の正答率は崖

模試と入試は当然ですが受験者層が異なります。模試はすべての成績の生徒たちが受験しますから正答率はなだらかな斜面のようになっています。たとえば、算数の場合だと前半の方が正答率が高く後半に行くにつれ正答率が低くなっています。しかし、入試の場合は自分の偏差値+-5の子が受験していることがほとんどです。自分ができる問題はたいていの場合他の受験生もできていますし、自分が手も足も出ない問題は他のライバルにとっても同様なのです。結局どこで差がつくかというと前半の問題のケアレスミスということになります。ですからふだんミスを軽視している人は入試で痛い目を見ます。ケアレスミスは致命傷(=不合格)を意味します。

埼玉の中学校などは得点を開示してくれます。そのため合格者最低点と自分の点数との差をリアルに見ることができます。1点で受かることもあるし1点で落ちることもあります。1点を今まで以上に大切にしましょう。逆に最後の問題などには固執しないことが大切です。これはどの受験生もできていない可能性があります。過去問のやり方はまた夏以降にアドバイスしますが、目指すは合格者平均と受験者平均点の間です。

⑤1月入試の国語、時事問題にアンテナを張る

都内入試は2月1日からはじまりますが、その20日前1月10日から埼玉入試が1月20日から千葉入試がスタートします。埼玉、千葉の中学校は都内からも受験生を呼ぶためにその年に出題されそうな良問を出題することが多いです。

特に国語の素材文や社会の時事問題は的中することが多いので私も毎年埼玉、千葉入試を分析して受験生にフィードバックしています。私はこの時期の自分の感覚を大切にしています。これが出そうと本能的に思ったものを受験生にアドバイスしています。ですから皆さんも自分の感覚を信じてこれが出そうというものを中心に復習してみてください。日頃から訓練していると感覚が鋭くなってきます。

直前期はつい自宅で過去問をやったほうがよいという幻想にとらわれることもありますがおすすめできません。なぜなら塾では直前期には前述のような理由で入試出ることだけを扱っているからです。特に直前期は塾に休まず通うべきです。 

成瀬は天下を取りにいく

栄東東大Ⅰ(1/12)→豊島岡①(2/2)で出題

給食アンサンブル

栄東東大Ⅱ(1/18)→吉祥女子①(2/1)で出題

きみの話を聞かせてくれよ

栄東A2(1/11)→駒場東邦、立教女学院 他多数

⑥消えた受験生

1月10日が都内入試の出願解禁日です。その後ほぼ毎日出願状況が更新されて各塾のHPにアップされます。ここ数年は人気校は志願者昨年比100%越えのことが多かったです。コロナ禍と同時に中学受験生が毎年のように増えていたからです。しかし2024年入試の志願者昨年比は例年とは違い、難関校を中心に90%前半の学校がいくつかありました。麻布90.0% 武蔵90.8% 豊島岡①93.7%

少しずつ少しずつ安全に安全にという志向になっているのかもしれません。その証拠に偏差値50前後の学校が志願者昨年比で見ると増えています。女子校は数が多いので分散しますが、男子校は数が少ないのでこのような状況でした。学習院①114.1% 成城②110.3% 獨協③124.4%

これは年によって変わるので今後はどうなるかわかりません。ただ、今年受かったから来年も大丈夫だろうという感覚だと併願が甘くなる可能性があります。

⑦そこに山があるなら登るのが入試

実は都内入試の総定員は2月2日までに9割から8割決定しています。多くの学校が押さえで受験してくる受験生より志望順位が高い生徒に入学してもらった方がお互いハッピーだとわかっているのです。ですから2月3日以降に受験日を設けている学校は多くありますが定員はほんの一握りです。このことは募集要項を見ればわかります。

しかし入試が行われるのあれば出願してしまうのもまた事実です。9割以上の生徒が落ちる入試だとわかっていても受験してしまうのです。大人はそうなる前に何とかすべきです。少なくとも2月2日の午後までに進学許容校の合格を取るべきです。そして後半戦でチャレンジ受験をしていくのです。合格を持っていてのチャレンジ受験と何もない受験は天と地ほどの差があります。たしかに2月5日の本郷に合格した生徒も今年もいました。ミラクル合格です。しかしこれは誰にでもできるものではありません。その前にしっかり進学許容校の合格をつかむべきです。

⑧形式倍率よりも出願者昨年比を参考に

倍率には2種類があります。受験前にわかるのが形式倍率です。出願者数÷募集人数です。この数字は生きた心地がしません。50倍なんて数字がHP上にアップされることもよくあります。形式倍率は実はあまり意味がありません。私たちが気にしているのが実質倍率です。受験者数÷合格者数です。

この実質倍率が3倍超えると人気校、5倍を超えると超人気校です。この数字は入試が終わるまでわからないので今年のデータを手元に置いて保存しておくとよいでしょう。各学校のHP等で確認できることが多いです。受験前にわかるのが出願者昨年比です。こちらは多いに参考になります。日能研のHPでも直前期には毎日更新されます。ただし最近はweb出願のため前日の23:59まで出願可能な学校も多く、数字は遅れて判明するため2月3日から2月5日の数字についてはあくまでも参考値です。前日に何倍もの人が出願します。

⑨2/1、2/2と2/3、2/4は別の競技

入試2日目までに合格とるべきという話は先ほどしました。その補足です。ベストプランを考えるのは楽しいことです。しかし余力のあるうちにこそワーストプランを検討すべきです。どこかの日程をゆずって可能性の高い学校を受けるべきです。後半戦勝負するときに勢いが違います。具体的には秋以降の受験相談で決定していきます。最後はご家庭が決めることだと思いますが、毎年多くの受験生を我々は見ています。ぜひアドバイスに耳を傾けていただきたいです。埼玉入試で合格をとったからあとはチャレンジのみもおすすめできません。合格があるとパワーがもらえます。これは本当です。

⑩社会は自由研究をしてみる

難関校の社会はテキストの中だけに答えはありません。資料などを見てその場で考える問題が多く出題されます。そのためには世の中のことに関心を持ち、多くの引き出しを持っておく必要があります。GWや夏休みなど時間がある時に自分で調べてまとめてみることをおすすめします。「ジュニアエラ」や「ニュースがわかる」などを見て、興味があるテーマをまとめてみましょう。個人的におすすめなのが世界遺産です。今年は世界自然遺産登録から30年の節目の年です。日本にある世界自然遺産(5か所)についてまとめてみることからはじめてみてはどうでしょうか。その他のおすすめのテーマは、パリオリンピック、アメリカ大統領選挙、北陸新幹線延伸 SDGsなど。


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