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2023.12.1/バンコク/PG903

早朝のスワンナプームの乗り換えは、通勤ラッシュの渋谷駅ように多くの人で賑わっていて、ローラーバッグを引いて交わすのも一苦労だった。
去年や今年の頭と比べたら、世界はもうすっかり動きを取り戻している。
どこに行っても閉まっていた免税店は、何食わぬ顔で朝の7時から営業していた
こんな時間に買うDiorのバッグは、きっとある意味思い出になるんだろう。朝日が昇ってくるのをどこで見られるか考えていたら、乗り継ぎのセキュリティチェックでパスポートを忘れて、慌てて引き返す。
係員も笑っていた。

会社をつくって初めての決算をギリギリで終えて、11月末納品のプロジェクトに追われて、パッキングをしたのは当日の午後。
暖かい国に2週間だし、LCCだから無理できないなと思い。機材以外はいつものパタゴニアのザックに7キロ弱。

寒い国に行くなら、それなりに覚悟や装備もいるけど、南に向かうのは、いつだって気が楽だ。(雨季はちょっと滅入るけど)

今年、AMIGO HOUSEに来てくれていた外国人観光客、むしろ観光というよりも、移動しながら働き暮らす、いわゆるデジタルノマドたちは、自国が寒い間は、もっぱらアジアにいる、と話していたが、その気持ちは今なら十分わかる。

こんな東の果てで、来れば物価は安いかもしれないが、ライドシェアのアプリもままならず、英語がろくに通じない国に、本当によく来てくれているなあと、タイに降り立ってSIMの設定を変えながらしみじみ感じた。
極東の、その更に先の小さな逗子という町のゲストハウスにたどり着いてくれるのは、来日してくれる海外の方、2,000万人分の何人か。
いやー、奇跡みたいなものだ。

仕事とか思ったより予算かかっちゃったとか、心配なことはたくさんあるけど、今回の旅は、日常から離れて、自分のことにフォーカスする。
そして一人の旅人として旅と今の世界を感じよう。

初めて行く国、プノンペン行きのバンコクエアウェイズの機体は、その方向と真逆のヤシの木と海に彩られていた。

朝日と、行き先と不釣り合いな機体は、どの国の人でもシャッターチャンスだったようで、バスを降りた瞬間からみんなスマホを取り出していたのが印象的だった。
バンコクの朝はすっかり暑くて、ブランドストーンのサイドゴアブーツで来たことを後悔しながら、タラップを登った。

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