ええ感じの、きわめてええ感じの世界にて

ある日、誰かが宇宙 開始 と言った。すると宇宙が開始された。誰かが宇宙 終了と言えば、見事、宇宙は終了するだろう。宇宙が開始されてこの方、宇宙終了という言葉を誰も発音しなかったのは、奇跡に近かった。
俺は宇宙ステーションの窓から外を眺めてた。一人でいるのは寂しかった。ふと、思いつき、パーティ 開始、と言った。するとパーティが始まって、ぞくぞくと人が集まってきた。
その中にはりりちゃんがいた。そう、指名手配中のあのりりちゃん。俺はバウンティハンターだ。俺がバウンティハンターなのは、10年前、バウンティハンター開始と言ったからだ。だから当然、警察に突き出して、賞金を貰った。警察は手をパン、と叩き、パーティ 終了と言った。宇宙ステーションが静まった。
そして、警官は、処刑開始、と言った。
りりちゃんはブラックホールに吸い込まれた。「Beyondーーーーーー」という最期の言葉と共に、りりちゃんの体は無限に伸びていく。本当に無限に伸びているわけではなく、そう見えるというだけ。この世に無限はなかった。誰かがりりちゃん 終了、と言えば、りりちゃんの無限も終わってしまうだろう。

俺は、エリアD-34にある、アウトロー達の集まる酒場に来た。酒場には土俵があり、違法賭博が行われていた。次のターゲットは力士だ。

はっけよーい 相撲開始
1365番 相撲開始
1772番 相撲開始
2238番 相撲開始できません
こちら行司 2238番 状況を述べよ
こちら2238番 あまりに大きすぎて、引っかかり、相撲開始できません
こちら行司 笑
こちら1772番 笑
こちら1365番 笑
こちら2238番 笑
こちら行司 なにわろてんねん

俺は 捕縛開始 と言った。力士2238はたちまち捕縛された。俺は警察に力士を突き出した。
警察は 処刑開始 と言い、力士はブラックホールに吸い込まれた。無限に伸びる力士を見つめながら、労働終了 と言いたくなる衝動を抑えた。

エリアG‐80にあるバウンティハンターの会社に出社して、今日の成果を報告した。上司はパワハラ 開始、と言っていたが、俺はパワハラ開始 不承認と言って難を逃れた。

その帰り、俺は駅についた。おじさんが呆然と立っていた。彼は 文学開始 といい、人差し指を自分のアナルに突っ込んだ。凄い勢いだった。
次の日、俺は家族とショッピングモールにいた。青年が呆然と立っていた。彼は 文学開始 といい、人差し指を自分のアナルに突っ込んだ。あまり勢いはなく、躊躇が見られた。俺には二人の行動が、この先訪れるとんでもない出来事の前触れに思われた。

そしてそれは本当になった。

ウィル・スミスがビンタを開始したのだ。
ウィル・スミスの手は反物質で出来ていた。だから、彼の手が、何かしらの物質に触れると、恐ろしい対消滅が起きるのは、誰の目にも明らかだった。
ウィル・スミスのビンタが物質に触れる前に、ビンタを終了させなければならない。問題は、誰がやるかだ。幸い、ウィル・スミスのビンタの速度は遅く、物質に触れるまでに一月の猶予があった。

俺達は話し合い、ウィル・スミスのビンタを終了させる者を決めることにした。そして、それはやはり、妻のジェイダの役目になった。

ジェイダは、ビンタ 終了 と言った。
しかし、ウィル・スミスは、ビンタ終了 不承認 と言い、ビンタを継続した。

しかし、ジェイダは驚くべきことをした。

ジェイダが彼に愛の言葉を囁いたのだ。ジェイダは確かにラヴ 開始 と言った。ウィル・スミスは 赤面 開始 と囁いた。

そして二人は目を閉じ、

キス開始

キス開始 承認

と言い、唇を合わせる。

キス終了

キス終了 不承認

二人はまだまだキスをする。

ウィル・スミスは、笑っていた。二人が笑っていたのは、どちらからともなく、笑顔開始と言ったからだ。
歓声開始、と俺が言うと、みんなの歓声が上がった。
ウィル・スミスは笑っていた。彼は笑って、宇宙終了😻😻😻😻😻😻😻😻😻😻😻😻😻😻😻😻😻😻■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

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