沼津観光(「ラブライブ!サンシャイン!!」聖地巡礼) 2024年4月【3】
【前回までのあらすじ】
4月10日早朝に埼玉・所沢の自宅を出発。西武新宿線、JR山手線、JR東海道線と乗り継いで、昼過ぎに静岡着。折り返して沼津で下車。時刻は15時。
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沼津に来るのは8年ぶり。2016年3月以来となる。目的は前回も今回も「ラブライブ!サンシャイン!!」の聖地巡礼。街を挙げてタイアップしている。
駅構内に撮影スポットがあった。
前回来た時はバリバリのラブライバー(「ラブライブ!」のファン)だったが、今回は違う。実は5年ぐらい前から関心がない。単に旅行の通り道だから寄っただけ。しかし現地でパネルやらフラッグやらを見ているうちに、気分が乗ってきた。
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外に出ると、駅舎にもイラストが掲げられていた。
8年前にはなかった。2023年8月に掲げられたようだ。「私たちのふるさと、沼津。」。心に響くキャッチコピーだ。夕日を背景に、さみしげに微笑んでいる。見ていると、何だか切なくなる。
彼女たちは、同じ高校の生徒で結成されたアイドルグループだ。部活動と同じで、3年生は卒業と同時にグループを去る。その時間の制約が、物語に感傷をもたらしている。
この作品は2015年に始まっている。今年は2024年だから、もう9年になる。3年生のメンバーは27歳、1年生でも25歳になっているはずだ。とっくに高校生ではない。それぞれが別々の道を歩んでいる。
街のあちこちに彼女たちの絵が掲げられているが、それはすべて過去なのだ。この少女たちはもういない。だから私は彼女たちのどの絵を見ても、感傷的になってしまう。
実際には、彼女たちはいつまでも高校生だ。多くのアニメと同じように、年を取らない。でも私は、あえて彼女たちに年を取らせる。彼女たちを過去の存在にすることで、意図的に喪失感をつくりだす。そうして、それを堪能するのだ。
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駅前にある仲見世商店街と、その周辺をブラブラする。作品のキャラクターが描かれた幕が掲げられていた。
この絵はどうも好きではない。アニメの絵には、ばらつきがある。作画する人によって絵が変わるのだ。ファンたちはよく、誰それの作画がいいだの悪いだのと言い合っている。
私もそのあたりは気にするほうだ。明らかに好みではない絵がある。この幕の絵は好きではない。何だか目が変だ。どこにも焦点が合っていないように見える。
私はキャラクターと目が合うのが好きだ。彼女は私を見つめ、私は彼女を見つめる。そうしてふたりの世界を楽しむ。だから目の焦点が私に合っていない絵は嫌なのだ。
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「ラブライブ!サンシャイン!!」はマンホールのフタにも採用されている。
ちびキャラに改変しているのにもかかわらず、元の美少女感が失われていない。見事なデフォルメだ。背景はみかんで、沼津の名産品のひとつ。街のアピールも忘れない。
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この日は沼津駅前のビジネスホテルに泊まった。夕方4時にチェックインして、朝10時にチェックアウト。ホテルに泊まるのは16歳の時以来23年ぶり。ここでのできごとについては別の記事に書く予定。
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朝10時30分に沼津駅からバスに乗る。11時過ぎ、内浦地区の三津(みと)バス停で下車。作品に登場する砂浜を見に行った。ここは8年前には訪れなかった場所だ。
なお、最寄りバス停は伊豆・三津シーパラダイスだった。うっかりひとつ前で降りてしまった。とはいえ、たった400mに過ぎない。
数分歩いて、三の浦総合案内所へ。8年前に来た時は観光案内所に「ラブライブ!」グッズが飾られている場所だった。それが今では「ラブライブ!サンシャイン!!」の資料館と化している。
隣接する公園のベンチで軽食をとった。日差しが強く、もはや初夏のようだった。それから最寄りのバス停に行き、沼津駅に戻る便の時刻を調べる。ちょうど行ったばかりで、次は1時間後まで来ない。ここでそんなに待つのは難しい。
先程通り過ぎた伊豆・三津シーパラダイスのバス停を思い出した。ここからは沼津駅だけでなく、伊豆長岡駅に向かうバス(伊豆箱根バス)も出ている。ちょうど出発する便があった。
上記写真を見てほしい。手前に「ラブライブ!サンシャイン!!」のキャラクターが描かれたバス停。その奥にバスの車体が見える。
読者もこのレオマークには見覚えがあるだろう。そう、西武だ。今いる伊豆・三津シーパラダイス、乗ろうとしている伊豆箱根バス、行き先で走る伊豆箱根鉄道は、いずれも西武グループが運営している。
私は所沢に住んでいる。西武ライオンズの本拠地・西武ドームがあり、西武鉄道の本社があり、バスもタクシーも西武という土地だ。
何だか「ラブライブ!サンシャイン!!」との結びつきが感じられて嬉しい。ちなみにAqours(彼女たちのグループの名前)は西武ドームで何度もライブを開催している。
キャラクターが現実に現れてライブをするわけではなく、担当の声優たちが歌って踊る。自宅から30分もあれば行けるので、音漏れを聞きに行ったりもした。
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伊豆長岡駅までは25分ほどだったが、なかなかの旅だった。峠をひとつ越える。「グイーン」とやかましい音を立てて急坂を登っていく。そして傾斜を緩和させるために「つ」の字に折れ曲がった道を下っていく。
年季の入ったバスで、道もデコボコ。とにかく揺れる。上下左右にグラングラン、お尻が浮くほどに揺れる。これはもうバスではなくて船だ。船酔いしかけたところで波は静まり、ホッとした。もう乗りたくない。
これに比べて、沼津駅に向かう路線は穏やかで景色もいい。車窓からは青い海を堪能することができる。こちらは何度でも乗りたい。
伊豆長岡駅は駅舎が「ラブライブ!サンシャイン!!」で彩られている。
ラッピング列車も走っているのだが、この日は残念ながら運行日ではなかった。もし予定通り前日に出発していれば見ることができた。これはもう一度来るしかない。
終点の三島でJRに乗り換え。熱海からは、またグリーン車に乗って品川へ。山手線に乗り換えた時、一気に現実に引き戻された感じがした。
高田馬場で下車。時刻は17時過ぎ。駅前の狭いゴーゴーカレーで夕食をとった。特急レッドアロー号に乗って所沢に向かう。車窓に沼津を映し、うつらうつら。こうして旅は終わった。
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8年前(2016年3月)に沼津を訪れた時の記事。
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