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【Vol.15】売る?売らない?

■とある飛び込み営業マン①

会社に突然、飛び込みの営業マンが来ることが多々あります。

どんなセールストークをしてくるのか勉強になるので、時間がある時は出来るだけ話を聞くようにしています。

コピー機販売、証券会社、観葉植物、ウォーターサーバー、産地直送の野菜・・・

業種は様々ですが、大体アポなしでいきなりやってきて、自社の商品がいかに優れてるかを熱弁したあと「いかがですか?」と聞いてきます。

彼ら彼女らは、代表者に会えるからという理由でお昼時にアポなしで訪問するそうです。

でもそれは、彼らだけが得する論理。

仕事の手を止められた挙句、売り込みをさんざん聞かされるこちらにとっては、例えそれが有益な情報であったとしてもなかなか聞く気になれません。

どんな切り返しをしてくるんだろう…とそのまんま伝えると、「ありがとうございましたぁ!」と言って次のフロアへ駆け上がっていきました。

私にもこれぐらいの割り切りが欲しい…



■とある飛び込み営業マン②

数日後、違う営業マンが飛び込みで入ってきました。

「次はどんなトークかな?」とウキウキ出ていくと、いきなり

「御社の売上を上げるお手伝いをさせてください!」

との声。

そして、彼が手づくりで作ったという

  • エリアのおいしいお店マップ

  • 取引先のサービス情報

  • 流行しているビジネス情報

などを見せてくれながら

「この貿易会社の社長さんがチラシ業者を探してるんですが、ご存じないですか?」
「美味しいお寿司屋さんがあるんですが、行かれた事はありますか?」
「ここの鍼灸院さんが、割引サービスを始めるそうですよ。」

といった話をしてきます。

そしてこう聞かれました。

「御社の売上アップに、僕はどうすれば貢献できますか?」

びっくりして彼の名刺を見ると、なんと【求人誌】の営業マン。

でも一言も【求人】の話をしません。

キョトンとしてる私を尻目に、彼はこう言いました。

「御社の売上が上がったら、求人広告は当社でお願いします。」



■求人を売らない求人広告営業マン


この営業マンにとっての商品はあくまで《求人広告》です。

でも、いくら企業を回っても「ウチは採用の予定がないから」と、なかなか契約が取れなかったそうです。

そもそも求人に興味がない会社に

「当社の求人誌は文章がうまいのが特徴です」
「オーナー様の満足度は業界ナンバーワンです」
「今なら他社よりお安くできます」

と、いくら商品の説明をしても仕事が取れない。

悩んだ挙句、「この会社が求人をしたくなるにはどうすればいいのか?」を真剣に考えるようになったそうです。

そうして出した結論が、その会社の売上アップに貢献すること。

売上が上がる
 ↓
忙しくなる
 ↓
人手が足りなくなる
 ↓
求人依頼をしてくれる

という逆転の発想で、今はお得意先のビジネスを結び付けるアンテナを張っているんだとか。

「で、成果はどうなの??」

と聞いてみるとニコッと笑いながら、「他社から乗り換えて頂ける企業様が増えました」とのこと。

思わず「すごい!」と握手してしまいました。



■売り込みか? 解決策か? 

これは街の工務店さんの情報発信や接客トークの大きなヒントになります。

最初の営業マンは【モノ】を売りに来た。
しかも、自分が言いたいことばかり説明して、お客を説得しようとしていた。

一方、あとの求人誌の営業マンは【解決策】を売りに来た。
お客のメリットを先に考え、そのために自社の《モノ》がどう役立つかを考えた。

この差は、匂い立つように相手に伝わります。


SNS上でフェイクニュースが蔓延したり、ECサイトのヤラセレビューが相次いだりと、「誰が本当の事を言ってるのか分からない」昨今。

「私のことを真剣に考えてくれている」

と思わせる人や企業が信頼されるのは自然の摂理なのかもしれません。

御社はいかがでしょうか?

『自社のモノ(家)を売りたい光線』がビンビン出てないでしょうか?
『自社のモノ(家)の特徴』をひたすらアピールしてないでしょうか?
『自社のモノ(家)の理念』を押し付けてないでしょうか?


御社の家づくりで

・どんなお客様の
・どんな悩み

を解決できるのか?

いま一度、真剣に考えてみてください。



■今日のまとめ

売り込み=迷惑行為
解決策=正義のヒーロー




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