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2021年も映画が面白くてよかった!(今年観た映画振り返り)

今年も懲りずに大みそかに書き上げました!全部じゃないけど今年劇場で観ただいたい新作を振り返ります、年末年始のお供にどうぞ。

2021年の私的ベスト10はコチラ。


↓気になった映画は映画.comの全配信検索サービスで調べてみてください。


ウィッカーマン・ファイナルカット


2021年1発目はこれ!なぜ私は正月に奇祭カルト映画を観ているのか。
1973年に公開されたオリジナルに未公開カットを加えた再編集版で、スコットランド辺境の島を舞台に、少女失踪事件を調査に来た警官が奇妙な事件に巻き込まれるカルトスリラー。
「山田と上田の出ないTRICK」として名高いあのミッドサマーの元ネタとしても有名な本作。都会の文明人である主人公の警官には奇異に映る、土着の原始ケルト宗教が息づく島で、捜査を進めると島民の奇妙な風習がどんどん明らかになっていく、という展開で、ハリウッドにはないイギリス映画独特の湿り気に、知らないうちに首まで浸かって溺れていくような恐怖。
これは田舎の、特に山村に育った人にしかわからない感覚かもしれないけど、パッと見は普通に見える民家の、外からは見えない裏側に回った時にわかる独特の”日の当たらない、隠されたもの”を見てしまう感覚。
世界三大奇祭映画の呼び名にふさわしい本作、あとの2作はなんなんだ!ミッドサマーのアリ・アスター監督も100回観ただろう本作、世界中どこの辺境でも奇祭に巻き込まれないための予習に、おススメです。

映画『ウィッカーマン-final-cut』予告編-YouTube

新たな装いをするな。


プラットフォーム

スペイン発閉鎖型スリラー。主人公が目を覚ますと、「48階」と書かれた部屋に閉じ込められていた。部屋は月に1回違う階に入れ替わる仕組みで、1日1回上から降りてくる食事を”全階層で”分け合うルール。地上(=1階)に近づくほど手つかずの豪華な食事が食べられ、逆に地下、特に100階以下になってくるとほとんど残飯も残っておらず餓死が待っている。毎月の階層入れ替えで上階になり生き残れるのか、、からスタートし様々な謎や仕組みがでてくるんだけど、特に明確に答えは示されません。観客全員が思う、「空中を浮いたテーブルが下の部屋に降りていく仕組み」が全く明らかにされません。どんな謎技術なんだ、あれ。
「誰でも何か一つだけ持ち込める」ルールで登場人物たちが持ち込んだナイフ、本、犬などがメタファーになってたり、それ以外にも旧約聖書、福音書、ヨハネの黙示録などからの引用、暗喩が多用されていて「なんとなく意味ありげに全編進んでいくけどスッキリ感はない」系の映画ですが、面白くないわけではないので、ぜひ初めてのお家デート以外で観てください。全編通して残飯が出てくるので彼女の初めての手料理食べながら見るともれなく険悪になると思います。独り身の人は遠慮なくカップヌードルでもすすりながら観てほしい。

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○人乗っても大丈夫!


すばらしき世界

社会と個人の不和を描き切った素晴らしい一本、ぜひ観てみてほしい。
殺人による服役を終え社会復帰しようともがく元ヤクザ、三上を演じる役所広司の演技は役所広司しかこの役を出来ないと思わせるものだし、三上の生活を取材しドキュメンタリーを製作しようとするTVディレクター役の仲野太賀も素晴らしく、長澤まさみ演じるプロデューサーの表層だけ切り取る下世話な視線は三上を取り巻く世間そのものである。劇中の三上は、人懐っこく面倒見の良い面と些細なことで癇癪を起こす暴力性を持ち合わせ、かと思えば忍耐強く努力し、旧知の闇社会に身を寄せる短絡的で享楽的な面も併せ持つ。この複雑さが人間であり、こういったテーマで語られがちな「根は良い人」なんて観客の期待は、TV的に都合の良い画を作り出そうとする長澤まさみ演じるプロデューサーと同じ、救われるべきは「善い人」であるべきだという”持つ側の者”のエゴを思い知らされる。それでも、それでも僕らは三上の魂が救われることを期待してしまう。
世界が、自分にとってすばらしきものであってほしいから。


ガンズ・アキンボ

ハリーポッター以降、スイス・アーミーマンで海を渡る便利な死体になったり、イカれた映画に主演することでおなじみダニエル・ラドクリフが主演!クソリプ送ったことをきっかけに、闇のWEB配信デスゲーム番組に「両手に銃を移植され」参加することになったオタクプログラマーを演じます。
魔法の代わりに実弾飛ばすことになっても、そこはオタク設定。マッドマックスみたいな殺し屋たち相手になすすべなく追い詰められていくんですが、エンタメ映画なのでアタマ空っぽにして観てください。街中でマシンガンで撃ちまくられるハリーポッター、超面白い。
投資により大富豪になり仕事をする必要が無く、興味を持った映画にだけ主演するようになったらしいラドクリフ、この調子で今後もイカれた映画にだけ出演し続けてほしいものです。

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「ハリーポッターと2丁の拳銃」


ビバリウム

新居を探すカップルが、奇妙な不動産セールスマンに案内された新興住宅地は、絶対に抜け出すことのできない迷宮だった。解放される条件は、用意されたマイホームに暮らし、段ボールで届いた「こどもを育てること」
赤ん坊から半年で小学生程度にまで育つ、あきらかに人間と違うなにかを育てる恐怖。届けられた赤ん坊の体が妙にヌメってるのが嫌すぎる。あっという間に青年にまで成長し、あの不動産屋に似てくるこども、ジワジワと良くないことが進行していく感覚。とにかく精神に来るスリラーで、謎の子どもが成長するごとに考えがわからなくなる過程、そんな子どもにも愛情が芽生えカレから離れ子どもに寄り添うカノジョ、対立しすれ違っていく男女。これだけ結婚生活と子育てを悪意のおとぎ話にするなんて、どれだけ結婚生活に恨みがあるんだこの監督は笑
これから結婚、子育てを予定しているカップルには絶対におススメしない本作。そもそもタイトルのビバリウムが「生物の生活を再現した閉鎖環境、箱庭」だからな、悪意があり過ぎる!

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こういうのがビバリウムね!


ノマドランド

2007年、資本主義からの離脱を描いたイントゥザワイルド(原作は1996年)からの現在地がノマドランドなのか。ノマドランドでは、資本主義から離脱するのではなく、でも社会システムと枠外のギリギリ境界線上で生きる人々を描く。ただひたすらにフランシス・マクドーマンドの視線を追い、何も語らず何も批判せず、アメリカの大自然と人間の美しさを描く。本作は主演2人以外はほとんどが実際の”ノマド(家を持たない放浪民)”が演じており、その演技も素晴らしいんだけどそんな人々の強さや美しさをシステムの内側にいる観客が「美しい」と言う資格があるのかどうか、常に葛藤が付きまとってしまう。終盤、歩み出すマクドーナンドの背後から肩越しに映し出すアメリカの雄大な自然の美しさ。クロエ・ジャオ監督のセンスに圧倒され続ける大傑作。


ミナリ

安心と信頼のA24ブランドです!アメリカで奮闘する韓国人移民一家を描いた本作、全編通して特に何も起こりません。慣れない土地に引っ越し、農業で成功を狙い、夫は家族のために独善的に物事を進め、妻は子供たちのためそんな夫とぶつかり合う。子どもには子どもの世界の悩みがあり、祖母は老いゆえの手間と経験からの知恵と包容をもたらす。そんな世界中いつの時代も、どこにでもある生活をこれだけ見ごたえのある作品にするのはさすがのA24としかいいようがありません。ただただ、どこにでもある家族を描いた、どこにも無いような映画。良かった。

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ふつうの婆ちゃん、を演じたユン・ヨジュンがアカデミー助演女優賞獲るんだからミナリが描く普通がどんだけ凄いんだって話です。


パームスプリングス

最高のタイムループ・ラブコメディ!
妹の結婚式に出席したサラは、結婚式なのにアロハシャツでフラフラするナイルズと出会い、一夜を共にしようとするけれど、突然謎の男に襲撃されるナイルズ。ナイルズを助けようとしたサラはひょんなことからナイルズの陥っているタイムループの世界に入り込んでしまい、2人は永遠に終わらない結婚式前日のバカンスを繰り返すことになってしまった!
とにかく全編通して軽くポップなんだけど、低予算のスカスカ感じゃなく、しっかり作りこまれた脱力と抜け感が絶妙!
ただただ永遠のバカンスを満喫するパートから徐々に2人のすれ違いが生まれ出すドラマも秀逸。そしてまさかのループからの脱出まで、このポップさと心地よいテンポとエンタメ、どこかで知ってるなーと思ったらバックトゥザフューチャー!あの超名作を彷彿とさせる本作、超おススメです。

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個人的に今年No1ヒロインでした。かわいい。



バッドガイズ

韓国の誇る暴走ビンタ列車、マブリー兄貴の登場!!
護送中に逃亡した凶悪犯を捕えるため集められたマ・ドンソクら服役囚。最凶チームが悪を捕える!という映画なんだけど、だいたい予想がつく通りマブリー兄貴の独壇場です。マブリー95:5その他くらいの比率で繰り広げられるビンタ無双。最終決戦で100人以上をなぎ倒していくマブリー兄貴、そろそろゴジラの対戦相手としてオファーが来ると思います。マジで兄貴が敵をなぎ倒していくところしか覚えてない。

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他の3人、なにしてたっけ・・・


隔たる世界の2人

NETFLIX製の30分ショートムービー。黒人青年の主人公が彼女の家から自宅に帰ろうとすると、白人警官に職質され、白人警官の過剰な対応で殺されてしまう。目を覚ますとまた同じ朝から始まり、何度避けようとしても同じ警官に殺される、、というタイムループ。ジョージ・フロイドの事件を題材にした本作は、「哀れな黒人」をアピールし人種問題を訴えるものではなく、「これを観ているあなたも、いつこうなってもおかしくない」という社会の根本的な問題を炙り出す。あなたも、もう傍観者ではないのだ。

↑Childish Gambinoの「This Is America」MVを思い出すので見たことない人はこちらもぜひ。


JUNK HEAD

あのギレルモ・デル・トロが大絶賛した日本製SFストップモーション・アニメ!!ってギレルモ・デル・トロ、しょっちゅう絶賛しとるやないかい!
本当に狂ってるとしか言いようがない情熱と時間を注ぎ込み、たった1人で未開の地平を切り開く本作。堀貴秀監督が7年間ほぼ独力で作り上げたインディーズ映画で、ちょっと見てもらえばなんでこれが世界中で大絶賛されているかよくわかる。命を削って作ったとしか言いようがない狂気の塊と情熱の膨大なエネルギー、人類が地上で暮らせなくなった未来の世界で地下のディストピア世界での人工生命体の冒険を描いた本作は、明確なストーリーや説明がなされないまま進むけどどこまでも圧倒的。
地下世界で登場するモンスターの造形や、地下世界自体の作り、とにかく世界観が圧倒的。ストップモーションで動く人形たちに病みつきになる。
ほとんど映画DVDを買わない私ですが、10年振りくらいにこの作品は買いました。制作、撮影、編集、録音、全て1人で行っているので、堀貴秀監督の名前が延々と続くエンドロールの狂気に笑ってしまった。
この作品が1人でも多くの人に観られますように。

↑冒頭10分が無料公開中。凄すぎるからちょっと見てみてほしい。


Mank-マンク

アメリカ近代史に残る名作映画「市民ケーン」制作の舞台裏を、映画「市民ケーン」の構成を完全になぞったオマージュで、当時の映画のパンチ跡までわざわざ再現する凝った作品。市民ケーンの様式をなぞり、史実と虚構をお織り交ぜつつ、という難解さも仕掛けられた作品なんだけどそういった背景を理解してないと少々キツイかもしれない。ゲームオブスローンズでタイウィン・ラニスター役のチャールズ・ダンスがそのまんまの顔で登場するので、いつインプことティリオン・ラニスターがワイン持って現れるか気になって仕方なかった。

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ラニスターは常に借りを返す。


ビーチ・バム まじめに不真面目

切ない、朝5時に始発待ちで飲む酒みたいな味の映画です。
過去の印税で毎日遊んで暮らす元天才詩人ムーン・ドッグ。酒、マリファナ、女遊びの自由な暮らしが、ある日新しい詩集を書かないと無一文の危機に。それでも自由に詩を創作するムーンドッグの愛と自由の日々。
ガンモ」のハーモニー・コリン監督なので、現代社会を拒否し、成長を拒否し、常に自由を追うムーンドッグなんだけど、ハーモニーコリンの作品が常に物悲しいのは、それが常に孤独と隣り合わせだからなんだろう。享楽的で退廃的、愛と自由、そして孤独。それでも救いを感じるのは、監督自身のこの20年が詰まっているからだと思う。20年前ガンモを観た、あの頃の若者たちにきっと贈られた映画。

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スヌープドッグも麻薬売人で出演。演技でなく多分素です。


楽園の夜

韓国から北野武への回答!
ヤクザ組織の抗争でヒットマンとなった主人公は、身を隠すため済州島へ。そこで出会った不愛想な少女との日々。しかし、組に裏切られ済州島にも敵対組織の手が_
不器用な主人公と不愛想な少女、「新しき世界」のパク・フンジョン監督が描く暴力と機微。北野武映画の特徴的な画面、キタノブルーへのオマージュで描く韓国ノワールの傑作。どのシーンもいちいちカッコよく超おススメなんだけど、主人公の男女が海のそばの定食屋で冷麺?食べるシーンがいいですね。食事を撮るのが上手い映画はハズレなしです。

楽園の夜アイキャッチ

この2人が主人公で、予告編サムネのオールバックは敵です念のため。


ジェントルメン

毎試合VTRのようにレフト前に流し打ちでヒットを打つ映画界のイチローことガイ・リッチー。毎度おなじみ犯罪、裏切り、騙し騙されガイリチ印のクライムサスペンスです。音楽からアクションから構成までこれ以上も以下もなく全てガイ・リッチーでもはやガイ・リッチーの思考パターンを学習したAIが作っているんじゃないかという本作。途中から「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」に切り替わっても気付かなかったかもしれない。
大麻業界から足を洗うことにした大麻王の500億の利権を巡り、ロンドンのワルたちが大騒動、500億の利権は最終的に誰のモノになるのか?ってやっぱ「ロック、ストック~」じゃないか笑
そういえばエミレーツスタジアムVIP席で取引するシーン出てくるけどガイリッチー、お前チェルシーファンだろ笑

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わざわざエミレーツスタジアムでロケしたのにめちゃ短いシーン


ゴジラ対コング

パワ―――――――!!!!
色々あって人間世界にやってきたキングコングが色々あって目覚めたゴジラとバチクソに殴り合います、以上!
IQ5、戦闘力100万くらいの映画でマジで最高。
ほとばしるパワー、吹っ飛ぶビル、暴れ回る怪獣!!中盤から後半にかけては獣の雄叫びのみでほぼ人語ゼロ!最高のエンタメ!映画ってこうだよな〜。コングが地下世界で謎解きみたいなことするかわいい胸キュンシーンや、クスリとするリーサル・ウェポン2オマージュもありますが、やはり最大の見どころは小栗旬の白目イキシーンではないでしょうか。旬、お前はハリウッドに爪痕残したぜ。

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前世でどんな罪犯したら白目イキを全世界に公開されなきゃいけないの。


ライトハウス

A24作品です!とある孤島の灯台守2人の話です。数か月後の交代まで、2人きりで灯台を整備しながら共同生活するわけですが、主従関係、価値観の違い、酒、労働、劣悪な環境、孤独、だんだんとすれ違いや不信が生まれ2人を狂気が支配していく。
旧式画面サイズが表す閉塞感、場面ごとに変わるライティングが示唆する2人の関係性の変化、ギリシャ神話/宗教画/古典文学/詩の引用、散りばめられたメタファー、とギミック満載なんだけど、2時間かけて人間が狂気に落ちる様をひたすら描いててすげえ!なんだこれ!TV画面やスマホで観てこの映画の凄さが伝わるのか全く分からないけど、とにかく凄いので機会があればぜひ!

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絶対に灯台では働きたくないな、と思うことだけは保証します。


1秒先の彼女

台湾・韓国映画でヒロインが絶世美女じゃなくちょっと抜けてたりやぼったい場合はだいたい当たりなんだけどこれもそう。
いつも人よりワンテンポ早い30歳のシャオチーは、彼氏もなく職場の郵便局でさえない日々を送るだけ。でも今年のバレンタインデー(台湾は7月7日の七夕がバレンタインデー)は、素敵な男性と巡り合いデートの予定が。しかし、楽しみにしていたバレンタインデー当日、目を覚ますと7月8日だった!なぜか日焼けした自分、撮った記憶のない記念写真、失われた空白の1日はどこに?
という台湾発SFラブコメディー。とにかくヒロインのシャオチーが、いい具合に気取らず力が抜け自然体で、どんどんかわいく見えてくる最高の映画です。台湾の街を見たいなーくらいの気分でなんとなく観たけど大当たり!今年のラブコメはパームスプリングスと1秒先の彼女で決まり!唯一のマイナスは夜市に行くのに台湾メシをほとんど見せてくれない所だけ減点!もっと食え!俺に台湾メシを見せろ!

1秒先の彼女

最高に楽しくて可愛くてちょっと泣ける、全力でおススメ。


少年の君

母子家庭で今の暮らしから抜け出すため親の期待を背負いながら進学校に通う高校3年生のチェン・ニェン。大学進学のための全国統一入学試験を控え殺伐とする校内で、息をひそめ目立たぬよう毎日を過ごしていた。ある日、クラスメイトの自殺をきっかけにいじめの対象になったチェン・ニェンは、街角で不良少年シャオベイと出会う。世界に居場所のない2人はいつしか互いに惹かれあい─という中国発ボーイ・ミーツ・ガール。
苛烈ないじめ、貧困、学歴/階級社会、と現代中国の社会問題を背景に心を通わせる2人の瑞々しい演技が秀逸。青臭い、と感じる演出があってもそれを茶化すダサい大人にならないようにしよう、と思うくらい2人にやられました。高低差を活かし、階段、坂道、高層ビル、裏路地、中国の街の立体的な魅力を収めたカメラワークも見事!おススメです。

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いやー若者の2人乗りって本当にいいものですね。


フリー・ガイ

ライアン・レイノルズ演じるゲームのモブキャラが意思を持ったら…という映画でモブ顔多めの本作。
特にメッセージ性や哲学があるわけじゃなくひたすらエンタメ。ですが世の中ってそれがめちゃくちゃ大事で、「ピクセル」とかもそうだけどお金をかけて世の中にそういった”無駄な映画”を作り出せるのってハリウッドだけなんですよ。無駄のない社会って狂ってますからね。というわけでピクセルもフリー・ガイも大好きな僕です。
肝心の内容については予告編みるとだいたい伝わるんでそれを見てもらうとして、突然現れるタイカ・ワイティティ監督!なんでいつもそんなにアクが強いの!GTAの世界には住みたくねえな〜と思える1本、面白かった!

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他人の映画に出てないで、あんたは早くAKIRAを撮れ!

孤狼の血レベル2

鈴木・暴力・亮平による大スペクタクル暴力映画!!とにかく悪い!!
完全に松坂桃李を飲み込む暴力怪人っぷりに今後大河の仕事は来なくなると思うので次回作では時空を飛び越えマ・ドンソク兄貴と日韓暴力対決してほしい。最高!そして西野七瀬、クラブのママとしては浮いてるのに、文化住宅で幼い弟たちを養う水商売の女の顔になるとめちゃくちゃハマりすぎてる、こういう女性たくさんいる。 ストーリーは、鈴木亮平演じる上林組組長が復讐のためドンパチやります!以上!暴力と狂気に酔え!!!!

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播戸竜二が本職すぎて特に驚きがない。

うみべの女の子

いやーよくもこれだけ浅野いにおライクな2人を揃えたなー!
うみべの街で暮らす女子中学生、小梅と同級生男子磯部。特に付き合うわけでもなく2人はセックスし、鬱憤を抱え、やりきれない日常を過ごす。自殺した兄の影を追う磯部、思春期の焦燥と不安を磯部に依存していく小梅。
浅野いにおの中でも好きな作品なんだけど、浅野いにおらしく明確な救いや結末は無く、僕らの日常は永遠に続いていくのです。良かった。

うみべ

劇中に唯一”大人の視点”を持ち込む磯部の父役、村上淳が良かった。


ドライブ・マイ・カー

カウフマン「もう終わりにしよう」と並ぶ世界3大辛気臭いドライブ映画!今年のブッチギリNo. 1、邦画を諦めてる人に絶対見て欲しい。韓国が「パラサイト」なら日本には「ドライブ・マイ・カー」がある。
脚本家である妻の音と幸せな日々を過ごしていた舞台俳優兼演出家の家福だが、妻はある秘密を残したまま突然亡くなってしまう。2年後、家福は演劇祭で演出を担当することになり、愛車のサーブで広島に向かう。口数の少ない専属ドライバーの渡利と時間を共有するうちに家福は、それまで目を向けようとしなかったことに気づいてゆく。渡利の生家を訪ねるため北海道へ車を走らせる家福と渡利。2人はなにを目にするのか。
演劇祭の演目と、車のカセットテープから流れるチェーホフの戯曲「ワーニャ叔父さん」が劇中のシーンとシンクロし情景を語らせる。カセットテープから流れる妻の声、回想、さまざまな要素が多層的に重なり、コミュニケーションの意味について問いかける。人間を理解する、とは一体どういうことなのか?チェーホフをカットアップしてこんなん作るとか頭おかしいでしょ!
映画表現の圧倒的すぎる高みに到達してしまった本作、海外の映画賞を総ナメにし続けてるしかなりの確率で、アカデミー賞もなんらかのタイトルを獲ります。きっとリバイバル上映するはずなので映画館でぜひ!!

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震えた。

アナザーラウンド

「一日中ほろ酔いなら仕事も人生もノリノリでうまくいくんじゃないか」という男の夢を実践するこの映画、男の夢が実現すると大体ろくなことにはなりません。酒の弊害で転落人生になっていく後半パートが切ない。真面目な中年教師のマッツ・ミケルセンが「あれ?俺いつからこんなつまらない男なんだ?若い時はイケイケだったのに今や生徒に飽きられる退屈な歴史教師だ・・このままじゃダメだ!」と気付くところから始まるんですが、解決策が「酒を飲むこと」というクズ展開が最高に頭悪い。だが幸い「歩く彫像」「北欧の奇跡」な男前マッツなのでギリギリ品は保たれています。この飲みっぷりがすごいオブザイヤーなビジュアルも最高だしマッツ・ミケルセンの泥酔ダンスはまるでクラシックバレエのような気品が。酒クズなのに!
人生に困ったら、とりあえず強い酒を飲め!

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男前だろう?酔っぱらいなんだぜ。


君は永遠にそいつらより若い

あの時言ってしまった言葉、言えなかった言葉。甘えられず本音を隠し、何年も前の言葉一つ一つに苦しんで眠れない夜を過ごすような、全ての優しすぎる人たちへ贈られるべき映画。
原作は芥川賞作家・津村記久子のデビュー作。私は元々この小説が人生ベスト10に入るくらい好きで映画化をずっと祈り続け20年、まさかの映画化で人生で初めて映画館で同じ映画を2回続けて観ました。
大学卒業を間近に控え手持ちぶさたな日々を送るホリガイ。ぐだぐだした日常を過ごしていた彼女だったが、同じ大学のイノギさんと知り合い、人づきあいが苦手な彼女と独特の関係を築いていく。そんなホリガイが、個人ではどうしても変えることのできない社会、個人ではどうしても手が届かない他人の心。そういったものと向き合っていく物語。
抜群に良かった!!映画冒頭、飲み会でホリガイに枝豆の殻を投げつけ続ける男にはエダマメ・オブ・ザ・イヤーの称号を贈りたい。人はあんなに悪意のこもった枝豆を投げられるものなのか。

君は

原作ではほとんど語られなかったキャラクター、穂波が物凄く良かった。



ディナー・イン・アメリカ

ちょっと足りず、周囲から馬鹿にされがちで孤独なパンク大好き少女パティはある日、警察に追われた男サイモンを家にかくまう。素顔だからわからないが実はサイモンは、パティの大ファンな覆面バンドのボーカルだった─
という、生きづらさを抱えた少女がどパンク男と出会うガールミーツボーイなんだけど、サイモンがメシを食わせてもらった家に火をつけるシーンは笑ってしまった。それはパンクじゃなくてサイコだろw タイトル通り劇中で7回も食事シーンがあるんだけど、食事、特にディナーってそれぞれの家庭の環境(=育ったバックグラウンド)がモロにでるんですね。過干渉されるパティの家の食事、豪華だけど家族内に理解者がいないサイモンの家での食事、世間から白い目で見られる町のダイナーでの食事。そのどこでも居場所のないサイモン、自分を卑下するパティに怒るサイモン。
既成の誰かの価値観に縛らることの無意味さを蹴り飛ばす青春パンクラブストーリー、ビール飲みながらサラッと明るくなれる映画です。

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徹底的にダサいパティ、喧嘩メチャ弱いサイモン、最高のカップル

プロミシング・ヤング・ウーマン

ポスターのビジュアルでキックアスみたいな映画だと思って観たら全然違いました!
女性を消費する男への復讐、社会の構造的問題をポップに盛り付け気付かぬうちに毒を皿ごと口に押し込んでくるストロングスタイル。
カフェでバイトしながらごく平凡な生活を送るアラサー女性キャシー。実はとてつもなく切れ者な彼女には、周囲の知らないもうひとつの顔があり、夜ごと外出する謎めいた行動の裏には、ある目的があった。医大へ進み明るい未来を約束された若い女性(=プロミシング・ヤング・ウーマン)だと誰もが信じていた主人公キャシーが、ある不可解な事件によって約束された未来をふいに奪われたことから、復讐を企てる姿を描く。
劇中、漂うこともできず天井につっかえたままの風船(上昇を信じていたものの社会構造に阻まれ行き場を失い、諦めざるを得なかった女性のメタファー)を見つめる主人公キャシー、のシーンが秀逸。

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このビジュアルだとキックアスみたいなやつかな、と思うじゃないですか。


由宇子の天秤

3年前に起きた女子高生いじめ自殺事件の真相を追う由宇子は、ドキュメンタリーディレクターとして、世に問うべき問題に光を当てることに信念を持ち、製作サイドと衝突することもいとわずに活動をしている。その一方で、父が経営する学習塾を手伝い、父親の政志と二人三脚で幸せに生きてきた。しかし、政志の思いもかけない行動により、由宇子は信念を揺るがす究極の選択を迫られる。

劇伴を廃しBGMで感情を演出することをやめ、それにより観客それぞれに潜むバイアスを炙り出す。劇中の人物どころか観客にまで真実とは?正しさとは?を突きつけながらエンタメとして成立させる。今年の邦画傑作多すぎだろどうなってんだ!?
「正しさ」の意味を問いただす由宇子の天秤、劇中のアングルからカットまで計算しつくされているわけですが、特に腕時計の使い方が良かった。主人公の正しさのメタファーとして「昔から変わらず正しく動いて」いるのに塾生の少女には「欲しい」「でも(今の自分には)やっぱいい」とやんわり拒まれ、代わりに贈った少女の父には返されてしまう。由宇子の正しさは、いったい誰のための正しさなのか、というメタファー。全キャストの圧倒的な演技に打ちのめされてください。
今年の邦画はなんでこんなに凄い作品ばっかりなんだ。

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由宇子を演じる瀧内公美、圧巻の演技。


ジャッリカットゥ 牛の怒り

インド発サメ映画を超える新ジャンル、ウシ映画!
徒歩版マッドマックス、ウシ版ワイルドスピード!逃げた暴走牛を追いかけインドの村人が山を駆け巡り、小さな村ながら村の有力者や腕自慢、隣村の有名なゴロツキ、クッタンチャンなどが牛捕獲に集まり始めだんだんと混迷を深めていきます。とはいえ牛なので特に誰も死ぬわけではなく「なんだこれ?」と思いながら進むんですが、そこは異文化のパワー。山中でいきなりかまどつくって料理始めたり予想外の展開で楽しませてくれつつ、終始「よくわからんけどなんか凄い」というテンションで映画は進行します。
ただ終盤の千人による群衆狂気は圧巻、カルト映画として名を残すであろう怪作!ところで千人の村人はどこから湧いたんだよ。

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クッタンチャン登場シーンで取り巻きが叫ぶクッタンチャンチャントだけでも見る価値がある。


サイコ・ゴアマン

最高!今年イチ笑った!カナダの低予算B級カルトSFスプラッター!
最凶の残虐宇宙人が襲来する地球、地球の運命が本人の自覚ないまま地球人少女ミミに託されてしまうんだけど、この地球人少女ミミがドSの最悪少女すぎて途中から宇宙人に同情してしまう笑
解説しても興ざめなんで観てもらうしかないんだけど、悪ノリとグロの最高悪趣味SFコメディ、何かの間違いでアカデミー賞獲ってくれ!

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全編どうかしてるよ。


Our Friend

癌で余命宣告された妻ニコルと仕事で家庭を顧みなかった夫マットの実話。
薬の副作用で徐々に人が変わっていくニコルは途切れそうな意識の合間で2人の娘に愛情を注ぎ、今までおろそかにしていた結婚生活を悔いながら献身的に尽くすマット。しかし思春期の娘の世話まで抱え、潰れそうになるところを、2人の昔からの親友デインが救ってくれる。全く売れなかったコメディアンの夢をあきらめ、今は量販店で働くデインは、昔から「仕事ができない使えない奴」と周囲から馬鹿にされていた。しかし、2人を最終的に助けてくれたのは仕事と生活を置き去りにマット宅に移り住んできてくれたデインだった。
「妻ニコルが癌で亡くなる」未来を全員が知りながら着実に進んでいくので、一瞬一瞬がかけがえのない物なんだけど、人間はそううまくもいかない。
限られた時間で、人として大切なことは何なのか。人生とは何なのか。誰もが人知れず悩みを抱え、苦しみながら生きている。それでも人生には、希望がある。そんな良い映画でした。
人生はでこぼこ道で、誰もが誰かの肩に掴まりながら生きている。


トムボーイ

燃ゆる女の肖像」セリーヌ・シアマ監督の2011年作品。燃ゆる~のヒットにより日本初公開。
引っ越し先で「ミカエル」と名乗り、男の子として過ごそうとする10歳のロールが、新しく出会った友人たちや少女リザとの出会いを通して、ジェンダーとアイデンティティーを模索する姿が描かれる。
トムボーイ(=おてんば)、少年として振る舞う少女のひと夏。「自分は何者なのか?」と揺れる少女の自問にお仕着せの答えを出さない作りが良かった。シアマ作品らしく自然音と目線で語るストーリー。



ボクたちはみんな大人になれなかった


昔別れた女性をフェイスブックで見つけたことで、今より少しだけ毎日が輝いていた90年代の思い出がよみがえる。20代の自信がなく女性とどう話したらいいかわからなかった僕~40代となり業界の裏を見続け人生と世の中を諦観で拒絶する俺、まで淡々と演じ分ける森山未來が凄い!
自分の中にいつまでも残るあの時の言葉、そういった棘を一つ一つ確かめていくような。「人の不幸を笑えなくなったな」って台詞がどこまでも刺さる。誰かの不幸を笑えるのは若さの特権だと思う。絶対に一人で見た方がいい映画。良かった。


黄龍の村

人間を生贄にする風習がある狂気の村に迷い込んだ東京から来た8人の若者たちが、迫りくる村人から逃れようと奮闘する様を描くバイオレンスホラー。
ネタバレしづらいのでこれ以上言えないけど、阪元裕吾監督、最高すぎる!三振か特大ホームラン、見る人によって好みが真っ二つに分かれるけど俺はこの映画が刺さる人と酒を飲みたい!大好き!

最強殺し屋伝説国岡

日本初、殺し屋ドキュメンタリー!
幼女に誤発注され親と揉める殺し屋、居酒屋で打ち上げする殺し屋、鴨川デートする殺し屋、仕事と社会の愚痴をこぼす殺し屋、クライアントに詰められる殺し屋、フラれる殺し屋。
笑いと皆殺しの日常に完全密着!情熱大陸風味で送る、阪元裕吾監督の悪ノリ全開。さあレッツ暗殺!!



ベイビーわるきゅーれ

「黄龍の村」「最強殺し屋伝説 国岡」の阪元裕吾監督によるゆるゆる日常系皆殺し青春ハードアクション!
殺し屋女子2人のすげーリアルで絶妙なゆるトークとハードアクション&青春にめっちゃくちゃ笑った!個人的に、劇中に出てくる闇の掃除屋「田坂さん」が知人にそっくりで死ぬほど笑えた。最高におススメ、これを観ないのはもったいない!続編製作も決まったし、みんな観ような!!


ラストナイト・イン・ソーホー

60年代スウィンギングロンドンと現代、煌びやかなサイコロジカルホラー!
ファッションデザイナーを夢見て、ロンドンのデザイン学校に入学したエロイーズはアパートで一人暮らしを始める。ある時、夢の中で1960年代のソーホーで歌手を目指す美しい女性サンディに出会い、その姿に魅了されたエロイーズは、夜ごと夢の中でサンディを追いかけるようになる。次第に身体も感覚もサンディとシンクロし、夢の中での体験が現実世界にも影響を与え、充実した毎日を送れるようになったエロイーズ。夢の中で何度も60年代ソーホーに繰り出すようになった彼女だったが、ある日、夢の中でサンディが殺されるところを目撃してしまう。さらに現実では謎の亡霊が出現し、エロイーズは徐々に精神をむしばまれていく。
エロイーズ役のトーマシン・マッケンジー、サンディ役のアニャ・テイラー=ジョイの可愛さとイカす音楽で幸せな前半45分を過ぎるとしっかり精神にくる後半のホラー展開!
単なるホラーではなく、60年代ソーホーが元々抱えていた闇、華やかなネオン街の裏に潜む売春宿などと現代のエロイーズがリンクするのは、それは形を変えているけど紛れもなく現代に地続きかつ2人が象徴しているのは鏡写しの問題であり(だから劇中にたびたび鏡が登場する)、現代に生きる女性にも降りかかる性的搾取の問題なわけです。それはサンディが最初に男性に搾取される際、「スターになるため」と言い含められたことからも、観客にこの華やかな映画で主役を演じるトーマシン・マッケンジーですらそうかもしれない、という疑念を抱かせ、だからこそ過去の世界のアニャ・テイラー=ジョイの行く末に釘付けになるわけです。
馬鹿コメディだけじゃないぜエドガーライト!間違いなくエドガーライト監督の最高傑作なので、最高の音楽とともにぜひスクリーンで!
そして俺の持論なんだけど「部屋で1人ダンスを踊るシーンから始まる映画にハズレなし」なんだよ。 「永遠に僕のもの」だってそうでしょ?

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このビジュアル、今年最強じゃない??


ドント・ルック・アップ

超豪華キャストが、滅亡に向け突き進む人類を描く超絶ブラックSFコメディ。
さえない天文学者ミンディ教授(レオナルド・ディカプリオ)と教え子の大学院生ケイトは、あるとき地球衝突の恐れがある彗星の存在に気付く。二人は大統領(メリル・ストリープ)とその息子ジェイソン補佐官(ジョナ・ヒル)と対面したり、ケイト・ブランシェットがMCを務めるTV番組に出演したり、迫りくる危機を世界中の人々に訴えようと奮闘する。しかし大統領は巨大IT企業会長にそそのかされ彗星に眠るレアメタルに目がくらみ、彗星を細かく砕き地球に落下させる計画を発表する。
とにかく頭を抱えるくらい愚かな人類が描かれているんだけど、一番頭を抱えてしまうのはこれが現実社会で起きているということ。人々はコロナも気候変動も「今まで大丈夫だったんだからこれからも大丈夫だろう」という正常性バイアスで現実を見ず、声を上げる人を笑い、攻撃し、政府は民衆でなくカネを選ぶ。とにかく超格差現代社会からアメリカ政府、SNSに学歴主義、陰謀論にデマ、メディア問題とありとあらゆる風刺を詰め込んだ2時間半ノンストップブラックコメディで、観終わると『ドント・ルック・アップ』ってタイトルすらブラックジョークだとわかる凄い映画。傑作!
いやー人類(主にアメリカ人)バカすぎる、3回くらい滅亡しといていいんじゃないか!?

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イーロン・マスクとスティーブ・ジョブズとザッカーバーグとジェフ・ベゾスが悪魔合体したようなマーク・ライランス演じる巨大IT企業CEO


ただ悪より救いたまえ

韓国ノワールの大傑作!!!!
凄腕の暗殺者インナムは最後の仕事として、日本のヤクザ・コレエダを殺害する。コレエダの義兄弟だった凶悪な殺し屋レイは復讐のためインナムを追い、関わった者たちを次々と殺していく。一方、インナムの元恋人は彼と別れた後にひそかに娘を産みタイで暮らしていたが、娘が誘拐され元恋人も殺されてしまう。初めて娘の存在を知ったインナムは、彼女を救うためタイへ飛び、そしてレイもまた、インナムを追ってタイへとやって来る。2人の戦いは、タイの犯罪組織や警察も巻き込んだ壮大な抗争へと発展していく。
とにかく2人の行く先々で人が死ぬ、50人以上は巻き添えで死んでるのではないでしょうか。日本-韓国-タイを舞台に暴力と流血の歳末大感謝祭。
見どころは主人公インナムをタイでレイが追い詰めるシーン。この手のアクション映画でカーチェイスする場合、フロリダならパワーボート。英国ならミニ、とご当地感あるカーチェイスバトルが繰り広げられるんですが、ここは南国タイランド!殺し屋レイが乗るのはトゥクトゥク!かわいい!
これだけ人が死ぬのに観ると心が温かくなる韓国ノワールの大傑作。観よう!

ただ悪

防御力ゼロ。

レイジングファイア


主題歌で全てストーリーを語ってるオブザイヤー、受賞おめでとうございます!!!!!!!

えー凄いです。沸る鉄拳、吹っ飛ぶ車、多少ストーリーの辻褄や演出をぶっ飛ばしてでもアクションに全振りする作り、香港アクション映画として大正解なんですが、EDテーマを聞いてぶっ飛びました。
「歌詞で全部ストーリー語ってるやん・・」
全編、火傷しそうなくらいのテンションと熱量でお送りする本作なので、多分熱量が余り過ぎてエンディングでもほとばしってるんだと思います。
それくらい全員松岡修造なみの熱量でお送りするので、EDテーマも観客全員で熱唱してほしい、そういうメッセージなんだな、と受け取りました。
これから見る人はぜひ予習して劇場で歌ってください。むしろ映画本編が2時間のMVなんじゃないかという気もしてきました。
映画は面白いです。

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日本映画には手榴弾が足りないんだな、と気付かせてくれるニコラス・ツェー兄さん。


いかがでしたでしょうか。他にも見てるけどだいたい今年気になったものをピックアップしました。来年も楽しい映画がたくさんありますように!
よいお年を!来年は溜めずに1本観るごとにキチンと書いてくれ俺!

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