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初心者のためのアウェイ車遠征講座(講師:アリゾナ親父)


よく来たな。なに突っ立ってんだ、早くそこに座れ。馬鹿野郎、ドアを閉めろ!開けたドアは閉められるためにあるんだ、お前の口と同じだよ!お前は口開けっぱなしで生きてんのか?

俺の名はアリゾナハイウェイ親父、通称「アリゾナ親父」だ。なんでアリゾナだよ、とか言い出すと話が進まないから無視していくぞ。さて、今日はJリーグアウェイ遠征の話だったな。早く座れって言ってんだろ。

ここに来たってことはアウェイ遠征に行きたいんだろ?なに?別にそれほどでもない?うるせぇつべこべ言わずアウェイに行け。話が進まねぇっつってんだろ。行かねぇんなら俺がお前の家に行くぞ。こっちは外出自粛で暇なんだよ!お前んちでZoom飲み会するぞ!お前の母ちゃんにZoom繋いでやるからな!

わかればいいんだよわかれば。さて本題に入るぞ。今日は【アリゾナハイウェイ親父による初心者のためのアウェイ車遠征講座】の時間だ。お前は遠征に行ったことないんだったな。なに?「たかだか1試合のために時間と金を使うアウェイは割に合わない」?
なに言ってんだ馬鹿、そんなの当たり前だろ。なに「ビールは体に悪い」みたいな当たり前のこと言ってドヤ顔してんだ。お前はビール飲むときイチイチ健康のこと考えてんのか?美味いもんは体に悪いんだよ。馬鹿なこと言ってないでとっとと遠征の話するぞ。今日はお前にアウェイ車遠征に必要な8つのポイントを教えてやろう。嫌そうな顔すんな。ぶん殴るぞ。

1:コスパを考えるな

まず、そもそもの話をしよう。1試合たかだか90分見るために数万円かかる遠征を、ちょっと電車に乗りゃ見に行けるホームゲームと一緒にするんじゃない。あ?関東民は電車で1時間でアウェイいけるからコスパは悪くないだって?うるせぇ八丈島に引っ越せ!こっちはアリゾナだぞFUCK!

いいか、ホームとアウェイは別物である。アウェイに行く意義なんてたった一つ、「静まり返ったスタジアムで俺たちアウェイゴール裏だけが叫んでいるあの瞬間」、ホームで味わえないそれを味わうためだけに数万かけて行くといっていい。あれは合法ドラッグ、一度味わったらやめられない。アウェイのスタグルとか観光とか、そういうのは全部オマケだ。なに?まだ旅費でグダグダ言ってんのか。ならばとっておきの技を教えてやる。

旅費を全試合で割るんだ。何言ってるかわからないだと?

いいか、こういうことだ。
アウェイ5試合の交通費=15万円(3万円/1試合)
ホーム15試合の交通費=1万5千円(1千円/1試合)
今季20試合の交通費=(15万円+1万5千円)÷20試合=8,250円/1試合

ほら、めちゃくちゃ安いだろ。なに?こんなのインチキだ?
当たり前だろ!
アウェイなんて馬鹿が行くもんなんだ!常識なんて犬に食わせろ!

2:車で行け

さて、いきなり本日のメインだ。とはいえ俺たちは金がない。ならばどうするか、アウェイまで車で行けばいいのだ。なに?飛行機や新幹線がいい?
別にそれでもいいぞ。意外か?大事なのはアウェイに行くことであって手段は重要じゃない。飛行機だろうが自転車だろうが、行ければそれでいいのだ。とはいえ現実的に一番安上がりなのが車なので、ここからはお前を一人前の車遠征民にするために話を進めるぞ。車遠征の魅力は何といっても安さ。
たとえば4人で福岡から行く場合・・
※諸事情によりアリゾナ親父は福岡基準で考える傾向があります。

四国まで・・1人あたり6000円前後(フェリー不使用時往復900km)
関西まで・・1人あたり8000円前後(往復1200km)
北陸まで・・1人あたり1万円弱(往復2000km)
関東まで・・1人あたり1万2千円前後(往復2400km)

で往復できる。ざっくり走行150km~200kmあたり1000円くらいの計算だな。もちろんガソリン・高速代すべて払ってこの価格だ。
ちなみに金ないんだから車遠征は日帰りだぞ。車遠征界に伝わる素晴らしい言葉があって「泊まらない限り日帰り」って言うんだ。片道1500kmでも0泊3日でも日帰りだぞ、嬉しいだろ。なに?やっぱりバイト頑張って飛行機で行く?SHIT!お前は車で行くんだよ!騒ぐとアリゾナ砂漠に放り出すぞこのインポ野郎!

3:参加者を集めろ

次は参加者を集めろ、だ。なに?車遠征なのに車の話はしないのか?いいんだよそれはまだ。参加人数次第で車も変わるだろ?それに車遠征で一番大事なのはこの「参加者集め」だ。理由はすぐにわかる。というわけで遠征行く人数を決めろ。理想は全部で4人だ。なぜなら、
・1人当たり費用が安上がり
・4人いると運転のローテーションが楽
・軽自動車~普通車までどのタイプでも他の人と接することなく座れる
からだ。これ以上の人数だと必然的にミニバン~ハイエースワゴン等が選択肢となり、だいたいこういう場合(6~10人)は遠征のプロがいるもんだし幕搬入などあるサポーター団体の場合は車選び等も変わってくるから以下は4人で行く一般的な場合を想定して話していくぞ。

さて、参加者集めだ。友達やいつもスタジアムで会う奴らの中で物好きに声をかけろ。必要なものは免許証と時間、以上だ。
なに?参加者が集まらない?まさか「何時間も運転するから大変だよ?」なんて言ってないだろうな。いいか、不都合は全部隠せ。車に乗ってしまえばこっちのもんだ。それでも集まらない?しょうがない、SNSで集めよう。インスタより不特定多数にリーチしやすいツイッターがいいだろう。

一例として実際の参加募集ツイートを下に張り付ける。旧アカウント名が載っててちょっと恥ずかしいが気にするな。

この時、気を付けたのは以下のポイントだ。
・あくまでも明るいノリで、でも軽くなりすぎず(信用を得よう)
・募集条件・費用を明確化(トラブル回避&安心感)
・スケジュール明示(トラブル回避&安心感)
・Q&A提示(安心感&信用)
・銭湯への立ち寄り、詳細な行程(女性への配慮)
 →これ以外にも女性応募者へは他女性参加の有無を伝えたり、
  必要に応じてパートナーへこちらの連絡先を提示したり安心感に配慮
  ※ちなみにこの時は女性2名参加

そしてツイッターで募集する際、一番気を付けたいのは内輪ノリで参加しづらい雰囲気を感じさせないこと(ただし、内輪ノリが魅力的ならそれはプラスにもなる)なんだが、聞いてるかオイ?なんだって?募集とかめんどくさい?甘えんじゃねぇフニャチン野郎!と言いたいところだが・・たしかにな。だが車遠征のポイントはこの参加者集めが全てだと言っていい。車遠征はそれさえ決まれば飛行機チケットや宿の手配などめんどくさいことは一切ない。というわけで進めるぞ。

ツイッターで発信したらあとは自チームのフォロワーにお願いして拡散してもらえ。この場合、他チームで拡散しても意味ないしな。
そして応募してきた方には迅速に、かつ丁重に対応だ。この時重要なポイントだが、参加申し込みのDMでのやり取りで判断し、余りに一般常識に欠ける場合は丁重にお断り、だ。

そのため募集時は「多数の場合は抽選」と明記しておけば断りやすい。なかなか無いケースだとは思うが、全員がストレスなく過ごせるよう配慮するのも主催者の務めだ。まぁ俺なら気に食わなかったらメキシコ国境に置き去りにしてサボテンの養分にでもするんだがお前じゃそうもいかないしな。

そうそう、主催者の務めとして金の計算も主催者がやったほうがいい。出発時にガソリン満タンにし、往路が終了した時点で再度ガソリン満タン。ETCの表示金額も控えて置く。これらを片道分として合計し2倍して往復分とする。これにスタジアム周辺での駐車場代も足して人数割りだ。お金は復路出発前に徴収がよい。復路帰着後だと寝起きで忘れたまま解散してしまうぞ。

念のため4人での金額計算のイメージは
出発前:ガソリン満タン3,000円(これは旅費に含まない)
道中:給油1回目4,000円
現地到着:給油2回目2,000円
高速代:8,000円(往路)
駐車代:800円
の場合、
(4,000円+2,000円+8000円)×2+800円=28,800円(往復交通費)
これを4人で割って7,200円/1人 となる。

ただし、これは高速代が同じ場合なので、ETC夜間割引・休日割引などの適用が往路・復路で変わる場合は帰着時に精算するといい。その場合、くれぐれも精算を忘れるなよ。金の恨みはチュパカブラより怖いぞ。


4:車選び

さて、じゃあ次は車選びだな。うん?どうしたニヤニヤして。なに?車はもう持ってるから大丈夫?そりゃぁ都合がいい!どれどれ車種は・・おい。
ハチロクじゃねーか!!!!どこの峠攻めるつもりだこのポテト野郎!!!
「ド・ド・ドリフト大爆走~♪」ってか!豆腐投げつけんぞ小僧!

いいか、遠征の車選びで重要なのは、
①燃費②燃費③広さ④クルコン(あると楽)
※ETC割引を適用しないと車遠征の意味ないためETC装備は必須

で、とにかく燃費が重要だ。①②が同じだって?だから燃費が重要だっつってんだろ。安上がりにしたい車遠征でガソリン代かかってたら意味ないぞ。というわけでハイブリッド車推奨だ。とはいえ、SUVのハイブリッドやミニバンのハイブリッドは高速でも燃費15km/lとかだから普通車、できれば小型車のハイブリッドがいいな。

俺の車は1500㏄ハイブリッドでパワーと燃費のバランスが良い。遠征中の平均燃費は25~26km/lってとこだ。日産のe-Powerなんかはミニバンでも非常に燃費良いけどそのあたりは別途詳しい人に聞いてくれ。なに?ハチロクだと小型車なんてぶっちぎれる??ケツにショットガンぶち込むぞこの野郎!!

車遠征はペースを崩さず安全運転するのが一番大事なんだよ!!!!
楠みちはる先生だって言ってるだろ!!!!
(参考:楠みちはる「湾岸MIDNIGHT」※みんな読もう!)

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というわけで車選びのポイントはまず燃費、そして後部座席で寝やすいからできれば車内の広さがある事(ただし広さと燃費は反比例する)、クルコン(クルーズコントロール)はあると超便利だが必須ではない!!ということだ。なに?クルコンなんてハチロクにはついてないが便利なのかだと?

当たり前だろこのコンニャク野郎。クルコンってのは「アクセル踏まなくても一定スピードをキープし走行してくれる機能」で高速道路で大活躍だ。お前のドリドリ仕様ハチロクでいつ使うんだよ馬鹿。ボンネットハチの巣にするぞ。クルコンはあると疲れ具合が全然違うので使える場合は積極的に使えよ

以上の点を踏まえ、参加者の車から選ぶ・レンタカーを借りる等選択するように。参加者増えて一見、1人あたりの費用が抑えられそうでも人数多くてレンタカーでミニバン借りたので結局費用はそれなりにかかった、ってのはよくある話だ。

よく、「軽自動車は疲れる、普通車は楽」と考えてる人が多いが福岡から関東まで軽自動車・小型車・SUVでそれぞれ走ったことある俺に言わせると、疲労は車の大きさでは変わらん。車の大きさより、疲労は速度に比例する。感覚的には速度が10km/h上がると疲れも10%増す。だから飛ばすな。飛ばしたところで疲れるだけでその疲れを取ろうと休憩してる間に差なんて縮まるし、事故なんて起こしたら最悪だ。楠先生の言う事を聞け。
とにかく常に意識すべきは、一定速度で安全運転、だ。
わかったら10回復唱しろ、1回復唱するごとに「サー!」と言え!

5:保険に入れ

さて、レンタカーの場合は関係ないが誰かの車で行く場合は保険加入が必要だ。制限なしの保険だったとしても、万一の場合保険使ってもらうのも心苦しいだろうし、短期保険に加入しておくのがベストだ。スマホで申込みコンビニ支払いで簡単に入れるので、なるべく保険は入れよ。無保険は論外だぞ、そんなやつはガラガラヘビの巣に放り込むからな!

6:交通情報を調べろ

保険も確認したし、ここまできたらあとは出発時間を決めるだけだ。公共機関と違いざっくりの時間決めでOKなのが車遠征のメリットだな。行きたいスポットがあるならその時間を加味して考えたらいい。スタジアムから多少遠いスポットや、なんなら隣県のスポットだって立ち寄れてしまう身軽さが売りだ。出発・帰着時間を決める際に絶対確認しとかないといけないのがネクスコ西日本ドラぷらなどのサイトで交通情報確認だ。

特にGW・盆・シルバーウィークなど遠征は大型連休や週末と重なるのが常なので必ず事前に渋滞予測を確認しろよ!そうしないとTVのニュース、「高速道路帰省ラッシュで50km渋滞」にお前のマヌケ面が映し出されることになるぜ・・!渋滞予測のある日は余裕をもって出発するんだな!
渋滞以外にも高速は常に保守工事を行っているのでキチンと確認しておかないと工事通行止めで思わぬところで高速降りることになるからな。時期によっては雪によるチェーン規制・通行止めも考慮しないといけない。
これ以外にも、渋滞を考慮しない所要時間ならgoogleマップもかなり参考になる。休憩時間・食事時間なんかを考慮して、だいたいgoogleマップの計算時間の1.3倍くらい時間を見とけば十分だろう。

ちなみに時期によっては「同一エリア高速乗り降りETC定額プラン」などもあるので「高速 周遊券」などで検索して調べるとお得だから覚えとけ!
「東北3県2日間高速乗り放題6000円」「九州全域2日間高速乗り放題10000円」など使い方はお前次第だ、空っぽの頭でよく考えるんだな。

7:車遠征に必要なもの

さて、ここまできたらもう車遠征には行く準備はできたも同然だな。なに?何を持って行ったらいいかわからない?どこまでポンコツなんだお前は。
好きなもの持って行きゃいいんだよ!!最悪、チケットだけあればいい!!

あ?でも不安?しょうがねーな、、あったら便利なものを並べるぞ。
・歯ブラシ
・タオル(銭湯用も)
・サングラス(運転用)
・サングラスケース(意外と車中で置き場に困る)
・ブランケット等(車中は、夏場でもクーラーで朝方は特に冷える)
・サンダル(車内で寝るとき用)
・アイマスク、ネックピロー、耳栓代わりのイヤフォン(お好みで)
USBポート増設ハブ(充電ケーブル差し込み用)
・夜食(夜間の地方高速は食事に困る場合が多い)
・エナジードリンク

それから、遠征先の銭湯で「シャワーをいちいちボタン押さなくても出しっぱなしになるところ」はポイント高いぞ。来年も利用するために場所を覚えとこうな。俺は試合後、疲れてるときにシャワーが途中で止まるのが嫌なんだよ。わがまま?うるせえ、イグアスの滝に放り込むぞ。

おっと忘れてた。運転は「疲れたら交代」より「1時間半~2時間ごとに運転交代」したほうがいいぞ。疲れは居眠り運転の元だから疲れる前に交代、そして人間は「終わりの見えない作業」が一番疲れるので、時間をあらかじめ決めておけ。

それと、行きばかりで帰りの話を全然してないが基本的に同じことを繰り返すだけだ。ポイントがあるとしたらスタジアム出て銭湯入って晩飯食ったら、一番手のドライバー以外はとっとと寝ろってこった。試合後で疲れてるからな、そのままのテンションで全員起きてたら全員眠くなるタイミングも一緒で地獄だぞ。自分が一番手で運転して眠くなったタイミングで残り全員も眠たいとか言い出して見ろ。本気でブッ飛ばしたくなるからな。

そうそう。帰りと言えば日曜日の試合の場合、遠征先によっては帰り着くのが月曜朝8時とかになる。試合が終わったらその時点で通勤開始、片道12時間以上のエクストリーム出社の始まりだ。通勤手当が欲しくてたまらないぜ。これに関しては特にアドバイスはない。強いて言えば月曜午後にややこしい仕事を入れるな。マジで眠くてショットガン咥えたくなるが一日頑張ればどうとでもなる。もし昨日の勝ち点がゼロなら先発メンバーと監督を呪い続けろ。以上だ。

ついでに参考情報として俺の2019年遠征実績を貼っておこう。
※出発地は全て福岡


8:最初の遠征先を決めろ

さあ、これで【アリゾナハイウェイ親父による初心者のためのアウェイ車遠征講座】は終了だ。これでお前はどこにでも車遠征できる。あとは目的地を決めるだけ。これが俺から最後の教えだ。


最初の車遠征は、一番遠いアウェイに行け


どうした?ビビったか?ふざけてると思ったか?まあよく聞け。
いいか、一番最初に一番遠いところに行っとくとそれ以外の場所は、「ま、あそこに比べたら近いか」ってなるんだ。ぶっちゃけ楽勝だ。

逆に近いところから距離を伸ばしていくと、毎回行き先が過去最長距離になってまぁまぁしんどい。俺の場合、2回目の車遠征で福岡-大宮だったからな?しかも2人遠征だぞ?あれに比べりゃだいたいどこ行ってもキツイことはない。

どうした?なにか言いたそうな顔して。なんだと?やっぱりそこまでして行きたくない、遠征は飛行機か新幹線がいいだと?・・・それもいいだろう。

意外か?でも最初に言った通り、美味いもんは体に悪い。でも、美味いもんを食うためにわざわざ体を悪くする必要はないってこった。しなくていい苦労ならしないほうがいい。目的はあくまでもアウェイで勝つこと、手段が目的になるのは本末転倒だ。

アウェイにはホームとは違う最高がある。それさえ味わえるなら手段は何だっていいんだ。飛行機だって、車だって、自転車だってな。それに本筋から逸れるから言わなかったがたとえアウェイ現地でなくDAZNだっていいんだぞ。無理してアウェイに行くのは当たり前じゃないし、偉くもない。割にも合わないしな。

それでもお前が車でアウェイに行きたくなったらまたアリゾナハイウェイ親父を訪ねてくれよ。じゃあその時まで達者でな。そうそう。最後にもう一つだけ。くれぐれもJ3には落ちるなよ、車遠征がハンパなく遠いぞ・・


おまけ:アウェイ遠征モチベーション用に、過去一緒に車遠征したきょんもり氏の遠征格言noteを貼っておく。


↓アリゾナ親父に代わり感謝申し上げます。




なんと、「あちらのお客様からです」が出来ます!