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Jリーグ筆おろし女王決定戦【J1編】

誰だって、忘れられない女性(ひと)がいるー

『866』 いきなりですが、皆さんはこの数字が何かわかりますか?王貞治の通算本塁打数?お爺ちゃん、もう時代は令和ですよ。朝ごはんはさっき食べたばかりでしょ。866、これは2020年のJ1で生まれた総ゴール数です。(※王貞治さんの通算本塁打数は868本)
866ゴールにはさまざまなドラマがあり、チームを優勝に導くゴールやステップアップへの転機となるゴールなどあるわけですが、そういうのはNumberあたりに任せて、ここでは「初めてのゴール」を取り上げていきたいと思います。


『凡人も歴史に名を遺す偉大な選手も、スタートは等しくみな0ゴールである』ーめちゃくちゃ当たり前のことを名言っぽく言ってみましたがいかがでしょう。


生涯1ゴール、たった一夜のワンナイトカーニバルから100ゴール斬りを達成したパリピなストライカーまで、誰もがきっと憶えてる初めてのトキメキ。そんな記憶に刻まれる”初めて”を与えてくれた貴女("クラブ"と読んでください)、その筆おろし回数(=Jリーグ初ゴールを与えた回数)を調べて、慈愛に満ちたその包容力を称えようじゃないかという、このnote。
思い付きで調べ始めましたが手作業なので死ぬほど後悔しました。冒頭の866(総ゴール数=調べる回数)に気付いてたら絶対やらなかった根性マイニングの成果をご覧ください。それでは行きましょう、J1筆おろし女王決定戦~!

(全てのデータは根性マイニングのお供、Jリーグ公式サイトを参照)

ルール
・対象は『Jリーグ初ゴール』とし、リーグ戦のゴールのみが対象。ゼロックス杯・ルヴァン杯・天皇杯・ACLは除外するものとする
・対象期間は2020年J1第1節~最終節
・J初ゴールが対象なので外国籍選手も対象とする
・2種登録選手も対象とする
※J1初ゴールではありません。
例:「2019年にJ2・J3でゴールを決めた選手」が「J1初ゴール」を決めても対象外、筆おろし済みです。

筆おろし女王決定戦~J1編~


第3位 

筆おろし人数:2人
第3位は7クラブ!それぞれ2人ずつ、計14人のJリーガーがこの7クラブを相手に”初めて”を経験しています。早速、内訳を見てみましょう。
※カッコ内はJ初ゴールを決めた選手の所属チーム、選手名。カッコ内の並びは試合日順。

川崎フロンターレ(湘南:タリク 横浜FC:小林友希)
横浜FC(仙台:ゲデス 札幌:ドウグラス・オリヴェイラ)
清水エスパルス(横浜マリノス:ジュニオール・サントス 広島:エゼキセウ)
セレッソ大阪(鳥栖:石井快征、樋口雄太)
ガンバ大阪(鳥栖:相良竜之介 清水:川本梨誉)
サガン鳥栖(清水:カルリーニョス・ジュニオ 広島:東俊希)
大分トリニータ(清水:ヴァウド FC東京:品田愛斗)

意外だったのは2020年J1王者川崎フロンターレがランクイン。これが王者の余裕でしょうか。しかも2人のうち1人、湘南FWタリクはこの1ゴールのみで日本から去っている。きっとタリクの胸の中で、川崎は甘酸っぱい青春の思い出として一生残ることでしょう。。(追記:こちら失礼しました。タリク選手、今季も在籍中だそうです。ピッチ上で川崎を見つめるタリク選手の眼差しに注目して今季はお楽しみください)
そして年間2位のガンバもしれっとランクイン。さすがJリーグ1の艶男、ツネ様。これが大人の余裕なのか。
その他、目を引くところでは「お相手は外国人選手だけ:横浜FC&清水」「お相手は鳥栖だけ:セレッソ大阪」などでしょうか。特に鳥栖の男子諸君には、セレッソ姉さんで卒業した先輩たちから「セレッソ姉さんは押したらマジでイケるからよ、お前らビビらずアタックしろよ!」と熱いアドバイスが送られていることでしょう。Jリーグには青春がある。


第2位

筆おろし人数:3人
第2位は4クラブ!それぞれ3人ずつ、大人への扉を開いております。

ベガルタ仙台(札幌:田中駿汰 ガンバ:山本悠樹 鳥栖:本田風智)
FC東京(鳥栖:森下龍矢 鹿島:ファン・アラーノ 神戸:安井拓也)
横浜マリノス(湘南:鈴木冬一 鹿島:エヴェラウド 札幌:金子拓郎)
サンフレッチェ広島(FC東京:安部柊斗 横浜マリノス:チアゴ・マルチンス FC東京:中村帆高)

川崎、ガンバ大阪に負けじとここでランクインしてきたのが、2019年J1王者の横浜F・マリノス。元王者の貫禄を見せつけております。鹿島エヴェラウドはこのマリノス相手の筆おろしを皮切りに、終わってみれば18ゴールと得点ランク2位の座をゲット。大人の色気を漂わせるマリノス姉さんの手ほどきがよほど良かったと見えます。
そしてもう1チーム注目はサンフレッチェ広島。FC東京の安部柊斗・中村帆高の2人にマリノスのチアゴ・マルチンスと、首都圏の男性に弱い。今は郊外のゆめタウンが精いっぱいだけど、いつか上京して港区女子を目指したい。そんな雰囲気を感じさせます。どうでもいいですが中村帆高、初ゴールより初アーチという言葉がよく似合う。名前の字面が、内角のストレートをうまく腕を畳んでレフトスタンドに高々とホームラン打ち込みそうなイメージしかないです。
あとはベガルタ仙台。17位と低迷しながらも、少年たちに尽くしてくれる献身性がたまりません。生活苦で始めたスナック勤務、少ない給料をいつの間にか転がり込んできた男に取り上げられてそう。そして男は国道沿いのパチンコ屋へスロット新台に並びにー。2021年、ベガルタ姉さんがヒモ男と縁を切り昼職に戻れるのか陰ながら見守っています。
FC東京がランクインしてるのも、「田舎から上京した主人公が、ヒロインのライバルである都会の女性に誘惑され大人の世界を教えてもらう」90年代の月9ドラマでありそうでなんかいいです。


特別賞

第1位発表の前に、特別賞の発表です。特別賞は、筆おろし人数とは別に「筆おろしした相手の運気がどれだけ上昇したか」で決定します。俗にいうアゲなんとか(自主規制)です。できるだけ露骨な表現を避けて書いてきたこのnote、アゲ(自主規制)に代わる言葉を早く誰か発明してほしい。
というわけで特別賞ですが、文句なしに

湘南ベルマーレの受賞です!!

湘南は筆おろし人数1人なのですがこの1人が、なんと川崎フロンターレ:三笘薫。湘南との一夜をきっかけに、みごとルーキーイヤーにJリーグベストイレブン受賞という少年マガジンのサッカーマンガみたいな成功を成し遂げたのです。Jリーグアウォーズの壇上で受賞の喜びを語った後、三笘の口が「(ベルマーレ姉さん、俺やりましたよ・・・)」と動くのを私は見逃しませんでした。2020年のJリーグで一番感動的なシーンでしたね。


第1位 

筆おろし人数:5人
いよいよ第1位の発表です!筆おろし人数はいきなり跳ね上がって5人!堂々の単独優勝!!2020年シーズン、栄えあるJ1筆おろし女王に輝いたのは、、

ヴィッセル神戸!!!!!!!おめでとうございます!!!!!!

さっそく内訳を見てみましょう。ヴィッセル姉さんに筆おろししてもらったのはこちらの男子たちです。
横浜FC:瀬古樹(2月23日)
鹿島:荒木遼太郎(8月16日)
浦和:トーマス・デン(8月23日)
川崎:旗手怜央(8月26日)
横浜FC:安永玲央(11月8日)

この中で特筆すべきは2月23日の開幕戦。横浜FCの瀬古選手に、2020年のJ1初筆おろしをキメてるのがヴィッセル姉さんなのです。
まさに、姫はじ(自主規制)。
8月には、わずか10日間の間に立て続けに3人。「夏があたしをそうさせるの」とばかりに開放的になったりと、小悪魔的な魅力を見せつけます。バルサ化というより、イビサ(スペインのリゾート島)化というべきパリピっぷり。ヴィッセル姉さんは2021年もそのノリで若人に夢を与えてほしい。

以上、筆おろし女王はヴィッセル神戸姉さんに決定です!おめでとうございました!ちなみに4位は札幌・鹿島・浦和・柏・湘南・名古屋、以上6クラブが1回ずつ。0回を守った身持ちの固いクラブはありません!適度に遊んでる感じがいいですね、さすがは華のJ1!!そういうの嫌いじゃないです!!


番外編:卒業No.1クラブ

みごとヴィッセル神戸姉さんが筆おろし女王に輝いた2020年J1リーグですが、逆に「最も多く卒業した選手が多かったクラブはどこなのか」がこの番外編です。たぶん雰囲気は、「地方から上京して大学デビュー狙う大学生が集まる飲みサー」みたいな感じです。ウェェ~~イ!とりあえず何かあったら駅前の和民で飲んでカラオケに行きそう。それではいきなり結果に行きます!!
2020年J1リーグ、卒業No.1クラブは、、、

サガン鳥栖です!!!!おめでとうございます!!!!

・石井快征(U-18出身:19歳)
・森下龍矢(明治大出身:23歳)
・本田風智(U-18出身:18歳)
・相良竜之介(U-18出身:18歳)
・樋口雄太(U-18出身:23歳)
の5人が見事にJリーグ初ゴールを決めています。これだけ若い選手、しかも大半は10代のユース出身者がゴール決めてるのは、Jリーグでも鳥栖くらいでまさに育成クラブの面目躍如。かなり凄いです。Jリーグの歴史でもこれだけ1シーズンにユース出身者が活躍してるのってなかなか無いのではないでしょうか(ゴール決めてない、初ゴールでないユース出身者含めるともっと多くの選手がトップチームでプレーしている)。

おまけ:~オ・ウンゴール選手の2020年~

おまけです。全試合の結果を調べてるといつも出くわす、サッカーの誕生と共に生まれ今なお活躍する現役最年長、永久不滅選手オ・ウンゴール選手。2020年J1リーグでの活躍も調べてみました。
2020年J1リーグでのオ・ウンゴール選手の総得点は22。得点王オルンガ選手の28点には及びませんでしたが、エヴェラウド選手を抑え堂々の2位。
現役最年長にも関わらず、驚異の得点力です。

2020年J1得点ランク
1位:28点 オルンガ(柏)
2位:22点 オ・ウンゴール(全)
3位:18点 エヴェラウド(鹿島)

被オ・ウンゴール

次は被オ・ウンゴール、文字通りオウンゴールを食らった回数です。
こちらは全クラブランキングです。

1位:4点 柏レイソル
2位:3点 横浜F・マリノス
3位:2点 浦和レッズ・横浜FC・セレッソ大阪・ヴィッセル神戸
4位:1点 鹿島アントラーズ・FC東京・川崎フロンターレ・湘南ベルマーレ・清水エスパルス・ガンバ大阪・サンフレッチェ広島
5位:0点 コンサドーレ札幌・ベガルタ仙台・名古屋グランパス・サガン鳥栖・大分トリニータ

これ、偉いのはもちろん5位なんですがこの項はあくまでもオ・ウンゴール選手の足跡を振り返るので柏が1位になっております。柏レイソルは2021シーズン、頑張ってオ・ウンゴール選手を抑え込んでください。たぶん、ゴール前の混戦がポイントだと思います。

得オ・ウンゴール

文字通り、オウンゴールを得た回数ランキングでこちらも全クラブ対象です。

1位:3点 横浜Fマリノス・名古屋グランパス・セレッソ大阪
2位:2点 鹿島アントラーズ・川崎フロンターレ
3位:1点 コンサドーレ札幌・ベガルタ仙台・浦和レッズ・FC東京・横浜FC・清水エスパルス・ガンバ大阪・サンフレッチェ広島・大分トリニータ
4位:0点 柏レイソル・湘南ベルマーレ・ヴィッセル神戸・サガン鳥栖

オ・ウンゴール4回も食らったのにノーウンゴルだったのか柏、、なんかもう、「いつもオウンゴール食らうのにこっちは1回も無ぇじゃねぇか!!!!!!」というサポーターあるあるをデータで証明してしまうとは。かわいそうなので何か特別賞を、、と思ったんですがそもそもオルンガが28点も決めてんだからそれくらいのバランス調整当たり前だろ、という怨嗟の声が聞こえてきそうなので我慢してください。オルンガも中東に羽ばたいてしまったことですし、今年は何としてもオ・ウンゴール選手を補強しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。見事ヴィッセル神戸姉さんが栄冠を勝ち取りました2020年J1筆おろし女王決定戦。今週末からはいよいよ2021年J1リーグが開幕します。今年はどんな熱いワンナイトカーニバルが繰り広げられるのでしょうか。皆さんも初ゴールの目撃者となった暁には、ゴールを決めた若人だけでなくそのゴールを導き出したお姉さま方の慈愛にも、そっと拍手を送ってあげてみてください。それではこの辺でお別れです。今シーズンも、ピッチ上で多くの若人が大人の階段を登りますように、、、

※J2編は好評だったらやるかもしれません(マジで大変だったからやりたくない)
2月27日追記:筆おろし好きな皆さんの熱い声にお応えしJ2編も書きました!

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