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Conspiracy Theory と 陰謀論

前書き

昨今、また、この言葉…「陰謀論」又は「陰謀論者」を見かける事が多くなりました。
今回は、この言葉を深堀りしてみようと思いますが、その前に、この言葉に現在、どのような意味合いが内包(ラベリング)されているかを考えてみてください。

・・・おそらく、ネガティブや否定的な意味合いが強かったのではないでしょうか?

例えば、「ヤバい、キモい、妄想、無知、アホ・バカ、情弱、嘲笑」などでしょうか。つまり、この言葉の由来・意味を深く考えた事がない場合でも、「文字から連想されるニュアンス」や「他者の使い方」から認知され、罵倒/嘲笑的意味合いとして使いまわされているように思います。また、英語の"Conspiracy Theory"よりも、使うハードルが一段と低くなるような和訳であり、それが、「陰謀論」であり「陰謀論者」なのです。

この一言を他者に放つだけで
「話す価値はない=議論を強制終了」
「私は科学的で違うんで(知的でしょ?キリッ)」
に至る、「強烈な罵倒/ラベリング/レッテル」言葉であり、「他者を下げて違う私」の自己演出言葉でもあり、虚栄したい人にとっては都合よく使える言葉なのではないでしょうか。また、言論空間の縮小に繋がる言葉と感じますが皆さまはいかがお考えでしょうか?


「陰謀論」を一斉に拡散しだした大手メディアとビッグテック

大手メディアのネット記事の見出しに「陰謀論」が使われた記事数、その推移を調査してみました。

コロナ以降、また日本のmRNA-LNP製剤の接種開始時期(2021年2月)以降に増加傾向が見てとれます。なお、安倍晋三氏の銃撃事件は、2022年7月8日。ロシアウクライナ戦争は2022年2月24日。

2019年は1記事に対し、コロナ元年の2020年は16記事、mRNA-LNP製剤接種開始の2021年は29記事と、エラく出世した言葉のようです。

NHK、朝日、毎日のみ;2019年1月~2023年8月 Google検索 (当方調べ)
抽出した元データの一部

intitle:陰謀論 site:https://mainichi.jp/articles OR site:https://www3.nhk.or.jp/ OR site:https://www.nhk.or.jp/ OR site:https://www.nhk.jp/ OR site:https://www.asahi.com/articles/

用いたGoogle検索ワード(期間指定は2019年1月1日~2023年8月31日)

・2019年12月初旬に、中国の武漢市で新型コロナの感染者が報告される
・2020年6月に開催されたWEF(世界経済フォーラム)の第50回年次総会のスローガンは「グレートリセット」
・2021年2月から、日本でのmRNA-LNP製剤接種開始

トリガー疑惑のあるイベント

書籍タイトルの「陰謀論」

出版された書籍タイトル、サブタイトルに「陰謀論」があるものを調べてみました。(期間:1960年1月31日~2023年9月30日)

図A  タイトルに「陰謀論」が用いられた44冊(「陰謀説」は6冊)

ネガティブなワードと絡めたり、「真実」「検証」と"確からしい"言葉と絡めたものの、内容はただの批判本となっているものが散見され、著者被りのものもある事を確認しました。また、海外著者の書籍のConspiracy Theory を陰謀論と訳した本もありますが、翻訳家や編集者は、ビジネス的な側面を第一優先し、訳の正確さは後回しなのでしょうか。

図Aより作図

これらの世界的な旗振り、出来事と連動するかのように、「陰謀論」というネガティヴにラベリングされたワードが大手メディアの記事で使われ始めます。

ケネディ暗殺(1963年11月22日)後の、NYTimes とTimes紙の「Conspiracy Theory」の言及記事数の推移と同じく、何らかの「事象・イベント発生」がトリガーとなって増加していくと考えられます。抽象的(体制側)機能には「規律権力・政権への信用低下を防ぐ事」、具体的(大衆側)機能には「影響力のある者に使わせる事で、集団においての言論の自由を抑制する心理を植え付ける事」などでしょうか。

権力者の統治の論理として
「従順にして(飴と鞭を与えて)、思考停止をさせて、収奪しながら、管理する。疑問を抱くな」
が盤石安定なのは事実でしょう(統治手法は大きく、ソフトパワーとハードパワーに分けられますが)。故に、政権の論理を理解できずに、何も考えないで多用してしまう人は、認知戦でいう「被害者から加担者へ」という罠に見事に嵌っておられるのでしょう。

ケネディ暗殺(1963年)、ウォーレン委員会報告書の公表(1967年)から上昇トレンドに

「常識」「世論」を、いくら誘導・醸成・制御しても、あまりに非科学/非論理的な政策や、蓋然性が低い事象が頻繁に起きる場合など、情報拡散社会において、完全には隠し通せません。

そういう時に、至って冷静な疑問思考者までも、十把一絡げにプロパガンダ言葉で封殺する…世論を攪乱・誘導するために都合の良い言葉のひとつが「陰謀論」です。

安易に他者に向けて放つ言葉ではないのは、明白でしょう。

この言葉を他者に向けて使用する際に、多くの人は何気なく、どういった狙いのある言葉なのか知らずに使っていると思われますが(X(旧Twitter)やオールドメディアの記事をみる限り)、実態としては「ウザいから」「馬鹿にする」/「都合が悪い情報だから封殺する」/「自己の優秀性をアピールする」など、自己中心的で短絡的、嘲笑言葉であるケースが多いと思います。

しかしながら、その軽薄な意図とは裏腹に、第三者の描いた事実隠蔽や事実の封じ込めへの間接加担ラジコンとなっている構図を理解できるなら、極めて慎重に扱われるべき言葉ではないでしょうか。

たかがSNSにおいての虚栄(エゴ)のため、自らの倫理観を破壊し、プロパガンダ言葉を用いてしまった経験のある人は自省・自戒してみてください。

プロパガンダ手法

同じような、封じ込め系言葉として、戦中の「非国民」というレッテル・プロパガンダ言葉があります。また、戦後、鬼畜米英だったはずが、一瞬にして、ギブミーチョコレートの変わりようがある国民性(プロパガンダに弱い 又は GHQの3S・WGIPが強烈だったのか)で、「変わり身が早い」のは個々人の立場・都合もあり、是々非々な側面がある事ではありますが、「極」から「対極」への変わり身が早いのは

・道理、筋の重要度が低い(思考停止の傾向が強い)
・自己肯定感が乏しい(他者評価や人目の重要度が高い)

など、心理戦、認知戦への脆弱性があることを意味します。

また、競争・拝金といった価値観植え付け言葉として「勝ち組」「負け組」、主流に対する反論封殺言葉に「反〇〇」(ネームコーリング)、礼賛・権威系の事象としては「ノーベル賞」「(製薬会社から数千万の謝礼金を受け取った事は紹介せず)医者としてテレビに出演する御用医者」(証言利用)など、プロパガンダ観点で認識できる人はよいですが、プロパガンダを学んでいない人は、汚染言葉・汚染情報を浴び続け、思想・価値観まで汚染される事になり兼ねません(もちろん、当人には認知不能でしょうが)。

そうなると、現在の日本に向けての皮肉にもなりますが「善意でキラー言葉を使ったり、間違った認知や善意でキラー注射を受けたり、薦めたりする」何とも独善的社会、欺瞞に満ちた社会、表層で認識する社会、キレイゴトが跋扈する社会になり兼ねません。

製剤:認知グラデーションと反〇〇、推〇〇の例

世論や言論の「封じ込め手法」と「何かを崇めさせ無思考化させる手法」の二本柱が合わされば「民度低下と世論制御」が同時に可能になります。(SNSでは、"拡散制御アルゴリズム"に対して、"拡散を後押しするアルゴリズム"で制御する事がありますし、フィルターバブルも起きますし、そのSNS空間から存在自体を排除される、サスペンドもあります)

なお、これまでも、上述したような「(プロパガンダとしての)明確な目的」と、「実際に大手メディアがイベント後に多用し始める現象」により、テロや事件、自然災害と言われる事象への探求・追究が激しい場合の封殺、対抗言葉であったのでしょう。

しかしながら、当時(2000年~2010年頃)は、ジャーナリズム精神逞しい人の認知度は高くはなかったようで(というのも、マニアックな一方通行媒体…週刊誌やメルマガ、ブログなどが主戦場。SNSのような双方向媒体のユーザー数自体も少なかった)。しかしながら、2020年以降の明白な大手メディアの連動性、そのおかしさにより、興味を示す人が一気に増え、SNS 全盛期という事もあり、強烈なレッテル意図をもち拡散された言葉だという認識、仮説をもっています。

ビッグテックの「陰謀論」

米国でケネディ暗殺後、大衆の事実(真相)究明意欲は熱を帯びたと思われます。仮に実行犯が諜報関係者だった場合、体制側としては、鎮静化は急務だったでしょう。とはいえ、今はオールドメディアのような一方通行とは違い、ネット、SNSのような双方向情報拡散の時代です。
ビッグテック界隈における「陰謀論」のイマを少し探りましょう。

1.「陰謀論」の検索を試してみました。

・Google検索のサジェスト(検索候補)には「アルミホイル」
※いわゆる精神疾患者が妄想の症状がでて、電磁波を防ぐなどのために頭に巻いてしまうのがアルミホイル…という紐づけでしょうか?

2.Googleトレンドをみてみました

Googleトレンド

2020年から2021年にかけて大きなトレンドがでています。

3.検索結果をみてみましょう

検索結果の1位表示は
NHK「
親が陰謀論を信じ込んでしまった苦しむ子どもたち」の記事
・検索結果の5位表示は
笹川平和財団認知領域の戦いにおける陰謀論の脅威

こちらでもネガティヴなイメージが見事にラベリングされています。

興味深いのは、コロナ認知戦渦のインフォデミックにおいて「mRNA-LNP製剤がゴミである」風潮が高まってきている最中に、大手メディアやビッグテックが右へ倣えで「陰謀論」という"危うい言葉"を多用した事実と、書籍タイトル、検索(候補も結果)も同様に"危うい言葉"として紹介されている事が多い事実です。

言葉の説明も、定義も、経緯も、併記もせずに使用し、ぼんやりとした対象群に対し「陰謀論者」と貶める言い回し(2019年の数十倍使用したメディア)や、レポートが多数あったということです。「その対象群に入りたくない」と思った、人目や他者評価を気にする集団/個人において、言論の抑止効果も高まる事でしょう。

この「連動(共謀)性」や「タイミングの一致」はまさに"共謀性"の現れであり、プロパガンダの手法でよく見られる事象です。

では、一体、誰にとって"危うい"のでしょうか?
もちろん、論説や記事では、私達大衆が"危うい"としていますが、実のところはバラされたくない事実(真相)がある権力者の方でしょう。

対プロパガンダや対洗脳防御の脆弱さが顕在化された、また、空気を読むのが大好きで、仲間外れを恐怖しやすい、日本人への言論封殺効果は、世界平均よりかなり高いと思われます。

Conspiracy Theory の訳は「陰謀論」でいいのか?

さて語源からの考察をしてみたいと思います。

con-spir-a-cy の con

con-やcom-のように単語の最初に付属する決まった文字列をPrefixといい、各prefixにはそれぞれ意味があります。con-やcom-はwithの意味を持つラテン語のcumから由来しています。なので、このcon-やcom-から始まる単語にはwith(一緒に、共に〜)のイメージが付属されています。

【3分でわかる!英単語の覚え方】con−、com−で始まる英単語

con-spir-a-cy の spir

語源spir(呼吸)

語源spir (呼吸)の英単語の意味まとめ

ラテン語 spirare (息をする)


なぜ「精神」を意味する spirit が「蒸留酒」をも意味するのか?」 ([2020-06-08-1]) と「#4061. sprite か spright か」 ([2020-06-09-1]) の記事で,ラテン語 spīrāre (息をする)や spīritus (息)に由来する語としての spirit, sprite/spright やその派生語に注目してきた.「息(をする)」という基本的な原義を考えれば,メタファーやメトニミーにより,ありとあらゆる方向へ語義が展開し,派生語も生じ得ることは理解しやすいだろう.実際に語根ネットワークは非常に広い.
 spiritual, spiritualist, spirituous に始まる接尾辞を付した派生語も多いが,接頭辞を伴う動詞(やそこからの派生名詞)はさらに多い.inspire は「息を吹き込む」が原義である.そこから「霊感を吹き込む」「活気を与える」の語義を発達させた.conspire の原義は「一緒に呼吸する」だが,そこから「共謀する,企む」が生じた.

慶應義塾大学 hellog~英語史ブログ(堀田隆一(ほったりゅういち)氏)

conspire

conspire の原義は「一緒に呼吸する」だが,そこから「共謀する,企む」が生じた.

語源spir (呼吸)の英単語の意味まとめ

陰謀…「陰に隠れて、謀る」というより、共謀…「二人以上の者が謀る」の意味合いが強い言葉です。なぜか、いつの頃からか「陰に隠れて」の意味合いを包含する意味を表す訳が常識化され、特に2020年以降、晴れて「妄想者」…「その妄想者へのレッテル言葉」となったようです。プロパガンダ目的のために、意図的な誤用を誰かが仕掛けた可能性は排除できません。強烈なネガティブ言葉に改変されてしまった理由は何故なのでしょうか?大衆のせい?それとも諜報機関や、B層戦略で味を占めた政府、電通、メディアの狙い通りなのでしょうか?


続いて、theory に入ります。
原義は「瞑想、推測、見ること」の意味です。
1630年代に観察と推論に基づく「理解可能な説明」という意味になりました。

theory(n.)
1590年代、「概念、心の計画」という意味で、後期ラテン語の theoria(ジェローム)から派生し、ギリシャ語の theōria「瞑想、推測; 見ること、眺めること; 光景、ショー、見るもの」という意味で、theōrein「考える、推測する、見る」という動詞から派生し、theōros「観客」という名詞から派生し、thea「見ること」(theater を参照)+ horan「見る」という動詞から派生したものであり、これはおそらく PIE ルート *wer-(3)「知覚する」から派生したものです。哲学では、ギリシャ語の単語の意味の進化をピタゴラスに帰するとされています。この意味では、15世紀後半には theorical(名詞)が使用されていました。科学や芸術の「原則や方法」(実践ではなく)という意味は、1610年代に初めて記録されました(例えば、音楽の作曲の科学である music theory など、実践や演奏とは別の意味で)。観察と推論に基づく「理解可能な説明」という意味は、1630年代から存在します。

etymonline.com

現在の意味は

「理論」「意見」「学説」「原理」「仮説」「持論」「信条」
1.「理論、原理、学説」…十分な裏付けがある説明
2.「仮説」…本当だとすれば、ある事実や現象を説明することができる概念

英ナビ

theory は、原義としては「観察と推測に基づく理解可能な説明」というニュアンスが強い言葉です。ただし、科学の発展と共に、現代訳では、「裏付けのある理論」としても使われます。もちろん「仮説」としての意味も残っています。


現在、この言葉の和訳が「共謀仮説」「共謀原理」などであったなら、今のような危ういレッテル言葉、個人攻撃言葉に変化する事はなかったかもしれませんし、定着しなかったかもしれません。

そもそも、陰謀というのは「陰」で「謀る」のであるから、それらを把握、認知しようにも物証、言質はさほど得れない類のものです(特にネットの無い時代。学校のクラスでの陰口などは自分もその集団にいますので陰謀、陰口はバレやすいですが)。ですので、詐欺罪で捕まった詐欺師の詐欺の意図性を検察が組み立てるように、関係性や状況証拠の積み重ねの割合(調査)を高め、仮定・推論(知的考察)を交える事で、情報の背景にいる国家内権力者 又は 国家を超越した組織・団体を炙り出し、真実相当性を高めたものが「共謀仮説」です。

しかし、そうではない人(知的さが乏しく信仰先を変えるだけのようなメザメヨ民など)も大量に出現したのも事実であり、また不見識のインフルエンサーまでも使い始め、十把一絡げに「陰謀論者」とするような、ラベリング機能の強化、及び、使われる頻度も高くなりました。

今は、ネットにより情報が大量に出回りますので、「陰」は「陽」に炙り出される事例も多くなりました。であるから、なおのこと「陰陽」など重要ではなく「共謀理論」「共謀仮説」でいいはずです。

言ってはいけない分野やタブー視されると、どうしても参入者が減ります。それは、学識ある者や知的な探求者が減る事を意味します。
身体の自由、言論の自由が保障され、権力/圧力から切り離される事が、学問体系を成す十分条件で、満たされると、テーマ毎に事実の整理、多角的な分析をする者が増えるはずですが「そんな私たちの企みを暴かれるような学問は不要だ」と自己都合に考えるのが、権威ある立場の者(学者)であったり、権力者(為政者)であったり、世論に影響を与える集団(諜報機関やメディア)になるのでしょうか。

プロパガンダの目的

マッチポンプをする目的のひとつに大衆の「お金」の吸い上げがあります。
金という万人共通基準で競争をさせ、グローバル化し、大衆の金の吸引力を強めれば、大衆の労働時間が増えます。1日の内の自由時間…社会の仕組みなど思考する時間が削れますし、短時間で「ぽい」情報を得るためにメディアに依存しがちになります。こうして、当事(共謀)者は、情報を制御する事で、より隠れ蓑化した目立たない状態に仕向けることができますし、何度でも、プロパガンダが効く(防御ゼロの集団はプロパガンダを認知できない)ので、搾取や売国政策が繰り返される事にも繋がります。

その拝金/回収/洗脳/競争といった目的は、すべからく煩悩です。煩悩を持つ事は悪いことではありませんが、煩悩は膨らみ続ける類のものというのも、また真であり、過激になりすぎると、自分が利する為だけに情報を汚し、情報を創作する事も厭わず、他者の不利益などまるで考えず、やがて「大衆を調教しよう」「私たちは選ばれしエリート」などと、選民思想を抱き、エスカレーションしていくものです。会社組織でも、未経験の者がいきなり大組織の幹部になれば、そのような傾向がでやすくなりますし、民主的に選ばれていない高学歴官僚や、コネや血縁で業界参入した人も同様です。

現在もメディアによる情報の発信/流れは大きいですが、そのような枠組みで流れ着く情報の汚染度は高レベルであるものも少なくありません。多くの人は気にしないのか、認知できないのか知りませんが。そればかりか、汚染の原因を探ろうとする者を、汚染を認知できない者が「陰謀論者」などといってしまう傾向があり、その原因の一つとして、大衆の倫理や価値観も、長年の汚染情報により、汚染された倫理、価値観に染まっているのではないのか?という事も、認知しにくいながら深刻な問題であるかもしれません。

下図右側の背景、歴史、カラクリ(仕組み)、関係性を探求する者に対して、探求しない 又は できる能力が欠如した人が、理解不能・認知不能故、「陰謀論」と放ってしまう構図をよく見かけるようになりました。
無知の知を理解/意識していたり、言論縮小への懸念、レッテル言葉であるなどと理解している者は、少なくとも、このような言葉の使用に、極めて注意を払うはずでしょう。

【結論】Conspiracy Theory の訳は「陰謀論」でいいのか?

少し、テーマと逸れましたが、Conspiracy Theory の訳は「共謀仮説」や「共謀理論」などがふさわしいと考えられます。

情報の背後の推察と情報の流れ


では「共謀」が可能なのは誰か?という新たな疑問が生じます。
もちろん一般人が100人共謀しても、世の中を大きく動かしたりすることは通常できませんから、指示系統は、上図の右丸内の組織/団体に幹部として所属していたり、国際会議に出席していたり、設立に大きく寄与したような「権力者」又は「表の権力者(大統領や首相、国際機関の幹部など)を後ろから動かす事のできる権力者」ひいては「権力者による間接所有化された、間接権力の届く集団組織網」となるのです。情報汚染の実行系統は、諜報機関やグローバル企業、属国政府やメディアになる事でしょう。

「表の権力者を動かす背後の権力者」とは、例えば、国際的なものでいえば、キッシンジャー氏、エドワード・ハウス大佐(大佐は軍人の意ではなく敬称として)、ブレジンスキー氏、言わずと知れた巨大金融財閥の宗主などが該当し、国内的なものでいえば、首相を辞任してからの安倍氏や岸田首相の背後にいる麻生氏(キングメーカー)、日米合同委員会、ダボスの遣い…などが該当するかと思います。

実質的な意味合いとしてのConspiracy Theory(広義)は「権力者の(利己や独善に基づく、社会の仕組みを構築するための目標達成に係る人やその権力の影響がある集団の)共謀仮説」と言ってよいでしょう。

United Nations(連合国;WWⅡの戦勝国) を「国際連合」と誤訳するレベルではありませんが、「陰謀論」と「権力者の共謀仮説」ではニュアンスがかなり違うと思います。

例:和訳または日本で用いられる際に意味が歪められた言葉
「陰謀論」「国際連合」「ポピュリズム」「個人主義」など

補足ですが、言葉の構成を「非科学的(陰謀)+科学的(論)」にするような、真逆の意味、対極にいるようなニュアンスをもった対比言葉は、ネーミングのテクニックのひとつです。覚えやすくて、イケてる言葉と思った瞬間(歪曲されたゲス言葉であろうと)、顕示欲により使いたくなるのものです。

例:「地獄甲子園」「マッドサイエンティスト」「カルト哲学」「ギザギザハート」「聖☆おにいさん」「闇金うしじまくん」「世田谷一家殺人事件」「冷たい太陽」など。

対比言葉の例

大量情報氾濫社会とは、大量言葉氾濫社会でもありますから、対象者に認知的不協和を起こしたり、興味をもたせたり、各自に反芻させたり、といった意図的な違和感を抱かせる言葉は、現代のマーケティング戦略(Buzzワード作成なども含む)では日常的に行われています。

もちろん使用言葉や思想は本人の自由です。
ただ、あまりにも情報、言葉、プロパガンダ、認知戦に、無防備過ぎるのは欺瞞に満ちた社会になりますから、誰かがよく用いているなら「その言葉、私は好きではないねぇ」「どういう意味?どういう経緯の言葉?レッテル言葉は危なくない?」など共感せず、質問してあげたら良いと思います。

あとがき

以前は、権力者の小児性愛も「陰謀論」のカテゴリとされていました。
しかし、エプスタインの要人トラップ目的の島、ジャニー喜多川の歪な性的指向など事実となりました。ジャニー喜多川の件は、以前に週刊文春(1999年)の記事、裁判でもジャニー氏側が敗訴しています。もちろん、周囲の人間は当時から知っていた人も多かった事でしょう。でも誰も言いだしませんでしたし、大手メディアもダンマリなのでした。当人が死んでからでは、あまりに遅すぎます。もちろん、メディア自身が自省するような素振りはありません。

このような「絶対権力者による犯罪行為」と「お世話になった」「ボスには逆らえない」「スポンサーだから」「報道しない自由」などの構図、関係性により自縛/忖度する事も、幇助ではないでしょうか。また、児童虐待の通告は国民に課せられた義務でもあります(児童福祉法第25条、児童虐待の防止等に関する法律第6条)。

mRNA-LNP製剤でも、同様に、当初「陰謀論」扱いされた数々の作用の内、かなり多くの作用が、実際に論文でも数えきれない程、示唆されてきているのではないでしょうか?

凶悪性の高い犯罪行為を追放するために、必要なのは、

「事実を見抜く力」「倫理観・筋」「人目など気にせず、自縛せず、発信する精神」です。

「陰謀論」などといって、私たちの権利、健康、社会システムのデジタル変容、そして未来社会を脅かすような集団的自縛幇助言葉を使うのは、マスゴミ・メディアだけでよいでしょう。私たちまで真似する必要がどこにありますか?

その一方で、Qアノンや、アヌンナキ(シッチン→アイク)→レプティリアン(アイク)などの敢えて据えられた両建てのための工作された情報も多いでしょうから「陰謀論め!」などとネームコーリングせず、冷ややかに対処しましょう。

「権力者の(利己や独善に基づく、社会の仕組みを構築するための目標達成に係る人や集団たちの)共謀仮説」でも指摘されていたような説が、時代と共に現実となってきています。

しかし、今後も、メディア、AI化、真理省化という対抗手段、汚染情報によって展開する認知戦により、あたかも常識化され、真実化され…という流れは加速するのでしょう。そういう風潮を、多数が受け入れた社会は、従順ロボット社会、完全管理の家畜社会になり兼ねません。

権力監視の機能がないメディア、薬害を阻止できない厚労省、公共インフラを民営化する政府、コオロギ食をすすめる大手企業、監視化が進む交通インフラ…「真なる危うさ」も、メディアが伝えないと、無かったものになるような時代です。

その中に於いて、私たち大衆が望むのは、正常な機能に戻す事です。
出来る事は、一人ひとりが、思考力や抽象力、疑問思考をもって、その先にある社会リスクを自分で考え、リアルに観ないといけません。致命的なリスクが観えたなら、何事にも動じず主張し、また行動で示す必要がある場合もあります。

終盤になりましたが、言葉の定義を簡単にしましょう。

【陰謀論】
この言葉が付与された言説、論説は「全てデマの可能性が高いと見做す」という情報がラベリングされた烙印的な意味合いのある言葉。
また、プロパガンダ手法のネームコーリングにあたる言葉でもある。
CIAが多用し1960年代に米国で、その後2020年代に日本でもメディア主導で、国民も安易に使い始め、流行の兆しがある。

悪しき政策や腐敗メディアの汚染情報への対抗は、大衆の多くが、まずそれを認識し、一切、加担しない信念の人を増やす事なのです。

補足年表

●1870年
英国の精神医学ジャーナル、Journal of Mental Science (第16巻 P.141)に「Conspiracy Theory」 というワードが使われる。

●1967年
米国、ケネディ暗殺(1963年)、ウォーレン委員会報告書の公表(1967年)からNYtimesが「Conspiracy Theory」を使用し、上昇トレンド化。

↓ 日本に伝来?(導入期?)

●1974年
革マル派(日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派)、「権力謀略論」を展開し始める。
※敵対党派からの攻撃を国家権力へ向ける誘導/防衛的な意図のある言葉か?


↓ 反権力指向者、共産主義者、ユダヤコミュニティの影響力を察知する者、
↓ ノストラダムス終末論者、米国系Conspiracy Theory作家の訳者
↓※エンタメ性もあり、サブカル的なジャンル?

●1979年9月1日 「マルクス=レ-ニン主義批判」 太田龍/デビュー作
●1982年4月1日 「ノストラダムス予言の構造」 中村恵一/書籍で初めてノストラダムス
●1982年12月1日 「大崩壊へのシナリオ」 宇野正美/デビュー作

●1991年 バブル崩壊(楽観から、漫然とした不安社会)
●1993年5月 北朝鮮ミサイル「ノドン」発射(1998年8月テポドン)
●1995年 地下鉄サリン事件

↓ 「権力謀略論」は革マルの色があるので敬遠?

1999年11月
「ユダヤ陰謀説の正体」 松浦寛/書籍で初めて「陰謀説」

2000年6月
「「アメリカ陰謀論」の嘘」 川井健男/書籍で初めて「陰謀論」

●2001年9月  アメリカ同時多発テロ
●2004年6月 「ネオコンの正体」 太田龍/書籍で初めて「ネオコン」

●2011年3月 東日本大震災
●2012年9月
「陰謀論とは何か」 副島隆彦/サブタイトルで初めて「権力者共同謀議

↓ (成長期?)

●2020年(2019年12月)、新型コロナウイルス発生。
2021年mRNA-LNP製剤元年。日本においても否定的、懐疑的見解の者が増える中、「陰謀論」が対抗/レッテル言葉としてトレンド化

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