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100パーセントの幸福



こんにちは、じゃないです。



クリスマスはどのように過ごしましたか?って、なんでクリスマスだけ何をするかみんな気にしてくるんだろうね。いつだって自分の好きな過ごし方をしているんだから、もっと毎日「明日は何するの?」って聞き合う文化があってもいいだろ、と思ったり思わなかったりしています。ちなみに私は恋人と福岡へ1泊2日の旅行へ行ってきました。



「幸せな私」に対する需要はあるのかという不安は消えていないし、むしろその不安に対する答えはノーであることが明確になりつつあります。それは私自身、記事を書くときはひとつまみ以上の悲しみがあるときだから。


たまらなく嬉しかったことや楽しかったことを記事にすることもあるけれど、そのポジティブな感情にひとつまみ以上の悲しみや切なさが内包されているとき、なんとなく記事にしようという気持ちになります。反対に悲しみや切なさなしの100パーセントの喜びは記事にすることはあんまりない。noteはなんとなくそういう場所な気がしています。


でも、2年前くらいの100パーセントの幸福を抱きしめて毎日を生きていたとき、その幸福を失ってから「リアルタイムな熱があるままで記事にしておけばよかった」と酷く後悔しました。ぼんやりとした表現になるけれど、簡単にいえばそういうことです。今また、私は100パーセントの幸福を抱きしめて生きている。違う種類の幸福だけれど、間違いなく幸福だと思えるものを抱きしめている。失う前に、文字にしておこうと思います、失わないためにも。


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「今年の漢字は鬱だろ!鬱!」みたいな記事参照なのですが、1週間ほどひどく体調を崩してしまい、この福岡旅行も行けないかも、と不安になっていたのですが、発達した日本の医療と日頃のお医者さんや看護師さんの弛まぬ努力のおかげでなんとか元気になり、無事にほぼ全快で旅行に行けました。良かったすぎる、ありがとう、ありがとう医療。恋人も言葉にはしてなかったけれど、ぐったりな私を見て「旅行行けないかもな〜」と不安に思っていただろうからこの場を借りて謝っておくね、ごめんね。(見てないけれど)



私自身福岡へ行くのはほぼ初めてで、九州へ行くのが中3の修学旅行ぶりでした。2列×2列仕様の新幹線みずほが快適すぎてまた乗りたい。グリーン席みたいな優雅さがあって嘘みたいに熟睡しちゃった。



24日の福岡の天気予報は曇り時々雨で、昼前に到着したところ予報通りに空は暗く、風も冷たく吹いていました。だけれど、博多駅前はそんなことに見向きもしないほどクリスマスムードに溢れていた。至る所にサンタクロースがいて、天井を突き破る勢いでツリーがあった。夜になればこのツリーが輝き、閉じられている小さな小屋は窓を開けてホットワインやチキンを売るのだと思うと期待で胸いぱ(胸がいっぱい)でした。



とりあえずはじめの目的地の大濠公園(おおほり、福岡は地味に地名が難しかったです)へ。カモを始めとして青鷺や海猫などたくさんの鳥がいて、スタバがあって、ランニングコースも整備されていて、ほんとうに良い公園だった。私も恋人もお散歩大好きなので子どもくらい楽しみました。

ぶら下がり棒、足ツボマット、みたいな顔をして「腰振りサークル」という健康器具があったのがツボでした、絶対飲みサー



事前に2人で手作りしおりを作っていたものの、空腹具合から予定を既に前後させてしまっていたので、行くはずだった豚骨ラーメン屋さんと離れた場所だったけれど、思いがけず人気らしいお店を見つけてすんなり入店できました。恋人が「赤いどんぶりのラーメンは〇〇〜」と豆知識をくれたのですが、〇〇の部分を全部忘れてしまい、これを読んでくれているみなさんにお裾分けすることは叶いませんでした。すみません。

味玉をひとつくれたり、辛すぎた高菜を食べてくれたりする恋人、ありがたいな。



かための細麺に豚骨スープが冷えた身体に沁みて最高でした。ラーメンは冬のもの。うどんはギリ夏のもの。雨は降ったり止んだりだったけれど、福岡タワーとその近くの海は綺麗で、旅行らしい二大要素を堪能できてよかった。知らなかったのだけれどサザエさん発祥の地だそうで、カツオの銅像とかサザエさんのパネルとかが道路にたくさんあって、ちびまる子ちゃん派ですがテンションがあがりました。



この旅の最も大きな目的はクリスマスマーケットに行くことだったのですが、夕方ごろから雨が降り始め、クリスマスマーケット会場に着いた頃には悲しいほどの雨でした。私は自称することを許されているくらいの(誰に?)晴れ女なのにここで効果を発揮出来なくて悔しかった。雨に濡れ、他人の差している傘を伝う雨にも濡れ、髪も靴も服も濡れてしまったけれど、恋人が、雨が弱まるまでホテルに戻る、という名案を出してくれたおかげでM-1決勝1組目の令和ロマンを観ることが出来ました。



彼はお笑いオタクなのでかなり前から令和ロマンを追っていたらしく、色々とお笑い解説や裏話も聞かせてくれて楽しかったな。「ごめんけど俺はこのままM-1を観るからじゃないひとりで行ってくれ」と言われたらどうしようと不安だったけれど、雨が弱まったタイミングでM-1を切り上げてまたクリスマスマーケットへ一緒に行ってくれてよかったです。こういう理性の強いところ、偉いなと思う。私なら「先行っといて」とか言いかねないので。

ハリポタの呪文のように、さあ、ミネストローネ!(ハリポタ未履修)


チュロスやパンプキンスープも食べて帰りにコンビニへ寄ったらクリスマスケーキが半額になっていて、売り切ってみせる、という覚悟を感じた。横断歩道を早足で進む人たちがぶつからずに交差しているのを見てふたりで「日体大だ!」(令和ロマンのネタ参照)となったの、雨のせいでホテルに戻ってM-1を見ていなかったら生まれなかったくだりだから、なんだかすぐにこういうことを言ってしまうのは安易な気もするけれど、でもこれが人生だなあと思って嬉しくなった。悲しいことの後には必ず嬉しいことがあると言いたいわけではないけれど、でもきっと、伏線みたいに回収されるはず。



2日目の朝に恋人より先に起きて枕元にクリスマスプレゼントを置いて寝たフリをしていたら、恋人が起きて「サンタさん来てる〜」と言っていたのが教科書通りでよかった。自分が女だからなのか、それとも本当に個人的な好みなのかはわからないけれど、男の人の少年らしさ、みたいなものに強く惹かれる。「デュクシ」とか、ドラゴンのエプロンとか、ムシキングの話とか、そういう要素に溢れた確かな少年時代があったことが窺えるような行動にグッと来てしまう。


予め調べてあった有名パン屋さんは店名の由来に「パンの聖地になるように」という思いがあるそうだが、まさしく聖地だった。お金持ちなら全部一つずつ買って一口ずつ齧っていただろうから、悩む楽しさとお腹いっぱい美味しさに満たされる喜びを知れる庶民で良かったと思う。

クロックマダムがあるの珍しいよねえ


太宰府へはバスで行く予定だったけれど、道路が混んでいて遅延しているとのアナウンスがあり、電車に変更して向かう。「昨日バスに乗ったとき道が混んでたから今日ももしかしたらと思って調べてたんだよね〜」と彼が有能ぶりを発揮してくれたおかげで2度の乗り換えもすんなりできた。私は地図もインターネットも下手なのできっとひとりだったらいつになるかわからないバスを待っていたと思うから、本当に感謝しかない。



人生初太宰府は駅から近く、本殿は改修中ではあったものの賑わっていてとても楽しかった。受験生らしき高校生や海外の方がたくさんいた。おみくじは中吉でほとんど良いことばかりだったが、「病、一時良くなるが長引く」とあったのと、「旅、良し、騒ぐな」とあるのを見て彼が「じゃないっぽい」とケラケラしていたのだけ気がかりである。騒いでませんが。



食べ歩きをしてから早めに天神へ行き、名物の明太子を堪能。すごく並ぶと聞いていたので30分ほどで入店できてラッキーだった。店内にはあらゆる分野の有名人のサインが並んでいた。

わっ、わー!


お腹を満たして、昨日は行っていなかった別の会場のクリスマスマーケットへ立ち寄ると、思いの外イルミネーションが豪華で嬉しかった。大きなトナカイや歌を唄う熊のオブジェが置いてあって、その思い切りの良さが地元にはなくて良かった。ホットチョコレートを買って、飲みながらのんびりと博多駅まで歩いた。なんだか、2日間の終わりというシチュエーションだったからかもしれないけれど、少しだけ泣いちゃいそうなくらい幸せだった。輝く街を、好きな人の手を握って、甘い飲み物を飲みながら歩いている。こんな日、もう二度と来ないと思っていたから。



2年前のクリスマスは、少し前に記事にした。去年のクリスマスはひとりで京都へ行った。今年のクリスマスは、好きな人と福岡へ行った。来年は、10年後は、最期のクリスマスは何をしているのだろう。わからないけれど、いつも100パーセントの幸福を感じていると嬉しい。何かと比べて何番目に良いとかではなく、その日の自分にとって100パーセントの幸福を抱きしめていてほしい。



今日からお正月まではなんだか腑抜けたような空気が続くけれど、どうにか自分にとっての小さな幸せを見つけてあたたかく過ごしたいね。それではまたね。

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