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ふたり人生


4/26〜5/1の日記

(6日分なので少し長くなります、連休だしさ、ね、暇つぶしに読んでくれたら嬉しいです)



4/26の日記


勤務地が発表された。広島県だった。恋人との遠距離恋愛が確定した。寂しくて少し泣いた。少しは嘘だ。zoomのビデオをオフにして頬が赤くなるほど、子どもみたいに泣いた後、またオンにして勤務地の先輩から引越しの手配についての説明を受けた。「俺もね〜東京が良かった派だから同じだね」とラフに言ってくれたのが有り難かった。


引っ越しについては不明な点も多かったけれど、とにかく今日から5/6まで10連休だということはわかったので東京行きの新幹線へ飛び乗る。恩田陸の『麦の海に沈む果実』を読んだけれど、引っ越しのこと、配属のこと、とにかく数時間後に大好きな人に会えること、それと満員の新幹線の揺れのせいであまり集中出来なかった。酔いを誤魔化すために必死に目を瞑っていたらなんとか東京に着いた。彼が駅まで迎えに来てくれていた。


晩ごはんを食べる間もなく家を飛び出したため、お腹はぺこぺこだった。彼の家に着いたのはもう日付を回る頃で、「ああ、こんなに遠いんだな」という気持ちと「数時間で会えちゃうんだ」という気持ちが半分半分だった。彼が作り置いていたカレーを食べさせてくれた。「長旅おつカレーだよ」と彼はふざけて言っていたけれど、本当に色々な疲れが吹き飛ぶ味だった。また食べたい。お風呂に入って眠る頃には2時近くになっていた。同じシャンプーの匂いが嬉しかった。



4/27の日記


9時起床。今日はネモフィラを見に行くと決めていた。眠い気もするけれど、彼がホットケーキを焼いてくれていたあたたかな香りのおかげで布団から出ることができた。2枚と半分のホットケーキを食べた。半分のホットケーキがいちばん美味しく感じた。私がプレゼントしたコーヒードリッパーを使ってくれているのが嬉しい。


都内にはネモフィラを見られる公園がいくつかあったけれど、昭和記念公園へ向かった。家からは少し距離があるけれど、いちばん広くて綺麗そうだったから。こういうときに面倒くさがらずに楽しい方を選んでくれるところ、好きなところ。


大きな噴水があったり、ボートに乗れる池があったりしたけれど、それらを横目に一目散にネモフィラを目指した。遠目では目に映っているものが空か海かネモフィラか、どれなのかわからないほどに青かった。近づくと、小さくて柔らかな花がたくさん咲いていた。白いシャツを着た恋人が爽やかすぎて妖精かと思った。嘘、こんなことは思わなかったけれど、写真を見返して、今、そう思った。さすがに歩き疲れてソフトクリームとたこ焼きを食べた。彼氏はソフトクリームをズボンにいっぱい溢していて、好きだなと思った。

おばあさんが撮ってくれた写真、良すぎたのでプリントアウトして部屋に貼りたい
ネモフィラソフト(ラムネ味)


夜には池袋で激デカ餃子を食べた。皮がもちもちで美味しかった。彼は激デカ餃子5個と半チャーハンのセットにしていたので「おないぱ(お腹いっぱいの意)だよ〜〜泣」と言っていた。こういうときに食べてあげられる人ってかっこいいから、私もそうなりたい。普通体型普通食いってかっこよくないので。




4/28の日記


6時起床。仕事の彼に合わせて起きたけれど、はちゃめちゃに眠たくて布団でぐずぐずしてしまっていた。ドアまで見送るのが精一杯だったけれど、今度こういう状況があったら駅まで送りたいな。なんか楽しそうだから。会わない間に早起きの練習をしておこうと思う。


新居の引っ越し手配や水道やガスの電話をかけまくっていたらお昼になっていた。この連休中に引っ越しを済ませなくてはならない身分で東京に遊びに来てしまったのは間違いかもしれないけれど、今頃実家で引っ越し準備なんて、寂しすぎて泣いていたと思うからこれを正解にする。


彼のリクエストのポテトサラダを作るためにきゅうりを買いにスーパーへ。向かいの八百屋さんの方が野菜が安かった。自分が食べたいという理由でタコライスも作ることにする。それからダイソーで便箋も買って帰宅。オール電化育ちでガスには不慣れだったけれど、彼の家を燃やしてしまうわけにはいかないので全集中で料理。自分のためじゃないからかもしれないけれど、あんまり料理は苦ではない。きゅうりをまるまる一本入れたらポテトサラダかきゅうりサラダかわからなくなってしまった。


スタバへ行って、半分の時間は読書に、半分の時間で彼にお手紙を書いた。今月で付き合って半年になる。体感時間は短かったけれど、半年とは思えないほど色々なことを一緒にした。半年前には手も繋いでなかったこと、信じられないな。「もっとこの人と楽しいことをしたい」と思って付き合って、本当に楽しいことばかりだった。そういうことを書いていたらあっという間に紙が埋まってしまった。丁寧に折って封筒へ。


最寄り駅まで仕事終わりの彼を迎えに行って、一緒に帰ってきて私の作ったご飯を食べた。はちゃめちゃに喜んでくれた。なんだか料理上手だと錯覚しちゃいそうだし、もっと極めて美味しいご飯を食べてもらいたいと思った。バレンタインを除いて、手料理を恋人に食べてもらう経験は初めてだったけれど、初めて私の料理を食べてくれた恋人が彼で良かった。



4/29の日記


今日は彼もお休みなので吉祥寺へ。メインは本屋百年へ行くことだけれど、その前に四歩で定食を食べた。少し待ち時間があったけれど、雑貨や食器を見ていたらあっという間だった。彼のセンスが好きだから、こういうお店を一緒に楽しめるのが嬉しい。定食は優しい味で鱈の竜田揚げが最高だった。これを作れるようになりたい。


「百年」はピース又吉が宿泊していたことで知った本屋である。どの本を手に取ってもおもしろい。好きな本ばかりで悩んだけれど、一冊だけ買った。遠くなのでまた来るかはわからないけれど、絶対にまた来たいなという決意や覚悟に似た気持ちからポイントカードを作った。姉妹店の「一日」にも行った。



くぐつ草でお茶をした。地下にあるお店で、内装が洞窟みたいで嬉しかった。少し真面目な話をしたら、なんだか泣きそうになってしまった。今の私は、内定をもらったときとは考えてもいなかった場所に立っている。職種も、勤務地も、まさかの連続で、まさかと思う間もなくここまで来てしまった。本を読むこと、人と話すこと、文章を書くこと、そのどれもが好きで、どれかが出来たらいいなと思って決めた内定先だった。どれかどころが、全部できないかもしれないと思って、そう思っていることを彼に話すと鼻の奥がつんとした。私はどこまでいっちゃうんだろうと不安だった。「まあ俺は(一緒に)いるからね」と言ってくれた。どんな言葉がほしくてこんな話をしてしまったのかわからなかったけれど、私の欲しかった言葉はこれだったと思う。ありがとう。


帰り道に半年記念のケーキを買ってくれた。(別記事参照)彼はケーキを特別な日に食べるものだと思っている。私もそう思っているし、大抵の人はそう思っていると思うけれど、彼は人一倍そう思っている気がする。なんだか素直な感じがして好きだ。大事な日は他の何でもなく、ケーキでお祝いしていきたいな。
(このあと寝る前に爆泣きして(つらかった日々を思い出してしまったことと、今が嬉しすぎて)鬱記事を出してしまいました、デジタルタトゥーを刻む人生)



4/30の日記


9時起床。昨晩から風邪気味だよ〜と言っていた彼が少し復活していて良かった。前回東京に来た時は私が体調を崩して一日YouTubeを見るだけにしてしまったので、風邪のつらさも風邪で思うように動きにくい悲しさもわかるからほんとうに良かった。


この日は原宿へ。引っ越しに備えてIKEAで少し買い物をする予定だったのだけれど、目当てのものはあいにく売り切れていた。ポインティの揚げパン屋さんがこの日は原宿に出店していて、様子を見に行ったけれど、ポインティはいなかった。お腹ぺこぺこでアボカド丼屋さんへ。ワンオペらしく、バタバタしている店員さんで、正直少し怖かったけれど、想像よりアボカド丼が美味しくて嬉しかった。彼の誕生日の話や、今後一緒にやりたいことを話した。お店の前のアボカドのオブジェの前で「アボカドのポーズして」と彼に言うとでっかい丸を作ってくれた。


古着屋さんで夏物を見た。店内BGMがハルカミライで嬉しかった。淡い黄色のポロシャツを「似合うね」と言ってもらえて嬉しかった。彼にも似合っていた。2着あったらふたりで買っていたかもな。もっと可愛いって言ってもらいたいので今年の夏は本気で服を買うと心に決める。



竹下通りでクレープを食べた。デートすぎる。デートすぎる。デートすぎる!!!列で何度もクレープの番号を忘れてテンパる私に「並んどくからもう一回メニュー見ておいで」と言ってくれたおかげで無事に食べたいクレープを注文できた。彼はチョコバナナを、私はヨーグルトブルーベリーを。クレープを食べている恋人という図、良すぎてまだ有名絵画になっていないのが不思議なくらいだった。クレープもめちゃくちゃ美味しくて、今回は控えめのを選んだけれど、次はてんこ盛りクレープを食べたいな。


代官山の蔦屋書店へ行った。もはや本屋ではなかった。そりゃ〜こんなとこで育てばセンスも磨かれますよね〜〜と思った。私の中の代官山は、知らない種類の犬がたくさん散歩されている街というイメージになった。知らない街並みをおしゃべりしながら歩いた。地元を出ても、昼でも夜でも、彼と散歩するのは相変わらず楽しいなあと変わらないことを嬉しく思った。気づけば30分くらいで渋谷に戻っていた。少し暑かったのでうどんを食べた。渋谷のつるとんたんは他のつるとんたんとは訳が違うことを学んだ。家に帰って駄菓子パーティーをした。彼氏がぱーてぃーちゃんのポーズを教えてくれた。



5/1の日記


4:30に彼がトイレに行く音で起床。私は寝ぼけていたけれど、彼がなんか嬉しいことを言ってくれた気がする。何を言ってくれたかは内緒。


この日は彼が仕事だったのでそれに合わせて6時に起床。隣でダラダラと話して、見送って、二度寝。9時半に二度目の起床。雨のせいか頭痛がする。いつからか低気圧に弱くなってしまった。ダサいので嫌だなと思う。基本的に体調を崩すキャラではないので恥ずかしさもあるから、今日は家に一人でよかった。


彼の好物のオムライスとコンソメスープを作って帰宅を待つ。オムライスの卵は少し焼きすぎてしまったり破れてしまったりしたけれど、及第点くらいの見た目になってよかった。コンソメスープにはありえないくらいキャベツを入れた。一緒に健康でいたいので爆野菜食べをすることにした。


本を読んだりサーヤの個人チャンネルを見たりしていたら彼の帰宅時間になった。駆け足で最寄り駅へ向かうと雨に濡れたマンホールですっ転びそうになった。彼が「エクレア食べたくない?」とコンビニに寄ってデザートやお酒を買ってくれた。なんかめっちゃ生活っぽくて嬉しいな〜〜〜とニヤニヤしていたら彼もマンホールですっ転びそうになっていた。これもなんだか生活っぽい。


オムライスもスープも喜んでくれた。「ケチャップで何か書くからリクエストない?」と聞くと「遠距離頑張れそうなことを書いてほしい」と言われたので、悩んだ果てに、彼のオムライスに「ふたり人生」と書いた。私の人生は私のものだし、彼の人生は彼のものだ。私はこういう意識が人一倍強い。だから、色んなことを諦めたくないし、思い通りにしたいし、周りの人に頑固だねと言われることも多い。人生に対するやる気がありすぎるし、「置かれた場所で咲く」なんて無理だ。土を選ばせてくれ。それでも、彼と出会って、私の人生と彼の人生とが交わっている時間が長ければ長いほど嬉しいなと思った。私の人生は私のものだけれど、彼のものにもしちゃいたいくらい。嬉しいこともつらいことも一緒に出来たらいいなと思って、ふたり人生と書いてみた。

彼はわるものを描いてくれたよ🚩


毎日これがいいね〜と何度も言い合った。毎日これがいい。それでも、この先一緒に暮らすことがあったら、毎日これが出来るんだ。私たちの夢は叶えられる夢なんだ。その事実が嬉しくてまぶしい。光すぎていて見るのが怖くなるときもあるけれど、目の前が暗く見えてしまうこともあるけれど、それでも未来を信じていたい。絶対また会いに来るからね〜〜。あなたのおかげで生きていけるよ。またね。おやすみ。


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