96、オリンピック、パラリンピックを終えて。

オリンピック/パラリンピックは興奮、感動、希望など多くの映像を与えてくれた。メダルを受賞した選手達、コーチや監督、関係者などの他受賞されなかったより多くの人達にもコロナ検査や厳しい状況の中でこの東京オリンピックに参加された人達にも大きな拍手を送りたい世界からの参加国は205カ国と難民選手団、参加人数11,092とある。殆ど1964年の東京オリンピックの倍数である。

開催前には日本のみならず世界でも反対者がかなりいたようだが、終わって見てやはり同じ気持ちなのだろうか?それでももう終わった。開催しても中止しても大損するのは誰にも理解出来た事である。

ちなみに1964年のオリンピックは世界から93カ国の参加があり5152人の参加者があった。やはり日本はアメリカ、ソビエトに続き3位だった。メダル数は金メダル16、銀メダル5、銅メダル8の計29であった。今回のオリンピックはコロナ感染の影響や参加国も多く世界の事情が57年前と大きく異なるがメダル数は金メダル27、銀メダル14、銅メダル17の計58で丁度57年前の倍の数になっている。
パラリンピックの歴史は第二次大戦後イギリスの傷痍軍人や被災者の為のリハビリ目的で行われ、アーチュリー競技を数人で始めたのが起源とされる。今回のパラリンピックに関しては参加国全体で11位だが金メダル13、銀メダル15、銅メダル23の計51の総数を掲げた。

若い人達は過去に見たことがない競技も見られたのではないだろうか、ボッチャ、ゴール・ボール、車イスラグビー、卓球ではラケットを口に咥えてプレーする選手もいたのに驚いた。
別にメダル数を問題にする事ではないが、特にパラリンピックに関しては障害度数によって平等化させ多くの競技が分別され、競技種目が多いのに驚いた。池上彰の番組で初めて知ったのは障害でも難聴者にはヨーイドンのピストルの音や球技でボールの中に鈴を入れた競技、ブラインドサッカーやゴールボールなどの資格がない事を知った。

日本オリンピック委員会の会長であった元首相森氏の女性差別発言は問題を起こし、結果森氏は辞め新たに女性の元スピードスケート、自転車競技の選手でもあった橋本氏に決まり、「雨降って地固まる」結果と他の分野でも女性の地位や役職が上がり増えた事に繋がった。

僕は1964年の東京オリンピックを見た後渡米したがあの感動は今も変わっていない。そして今回のオリンピックは世界中でコロナの影響下無観客で開催されたが、スタジアムの観客席の色違いの席が遠景でピントが外れると満員の客席に見えたのは不幸中の幸いとも言えるだろうか。

さてぼくのオリンピックの総評だが、とは言え誰も個人的評価など無関心だろうが、単に1人の意見として書き残しておきたい。
既に書いたが、競技場の観客席の色違いは目的は別にあっても無観客の客席は結果として上手い効果が出たと思う。ただ開会式、閉会式などあの大きな会場で平面的な演技や演出が多かったように思った。過去バルセロナやロスなど高い空間を使っての演出が記憶に残っている。今回の演出は歌、ダンス、バンド、など個人的な物が多く学校の講堂で行っても良いようなパフォーマンスだった。個人の歌やダンス、タップなどは大きなスクリーンに映し出されたが、それは観戦者が自宅で見る第二次的テレビと大差ないようだった。

ぼくとしては日本の祭りのような文化を紹介して欲しかった。
例えば徳島の阿波おどり、青森のねぶた祭、立ちねぶた、秋田の笠燈祭り、京都の祇園祭、群馬の館林手筒花火大会など縦の空間を満たして欲しかった。祇園祭の山車などはダンボールで会場に入った後に素早く組み立ててもできたのではと思うし、格安?での製作も可能だったのではと思う。群馬の手筒花火など高さを十分に効果的に表現できたのではと思う。

またオリンピックのロゴはぼくのデザインが落ちた負け惜しみになるが、遠くから見ると葬式の花輪に見えてしょうがなかった。華やかさがなく、寂しい感じがしたのはぼくだけだろうか。今年亡くなられたプッシュピンの創設者である巨匠グラフィックデザイナーのミルトン・グレーザー氏の過去のオリンピックロゴの評価はベストが1964年の亀倉雄策氏デザインのロゴだった。今回のロゴはマイナス評価だった。

ただぼくが良かったと思うのはドローンを使った地球儀が天空を十分に駆使した演出であり、どうやって?の疑問が消えなかった。閉会式の光の粒が寄せ集まり空に向かってオリンピックの5輪を作っていく様子だったがやはりどうやって?の疑問があり調べるとあれはCGによる製作でテレビの視聴者にしか見えなかったそうである。残念~!まだその時代は来ていない
会場にいた選手や関係者には全く見えなかった訳である。

とまれ、今回のオリ・パラ関連の新型コロナ感染は選手たちや関係者への厳しい制限で累計863人というが、日本全体では夏休み期間でもあり毎日記録更新の感染者が2万、1万人以上を超えていた。結局無観客で行われたが、世界からは今回の東京オリンピックへの感謝のお礼やオリンピックの成功に拍手が多く送られたそうだ。

この歴史は異常環境の最中に行われ、歴史にその記録が残るだろう。選手達、関係者、ボランティアなど数知れない人たちへの感謝と拍手をぼくも手が腫れるほど送りたい。有難う。

終。

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