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ウィズコロナの落とし穴と誘う側の責任

緊急事態宣言が解除され、友人や職場での会食も増えている。忘れてはならないのは、万一濃厚接触になったときのインパクトがそれぞれで、職場でも友達でも誘う側の責任は重いということだ。強すぎる誘いは、万一の感染時には相手の家庭と人間関係を崩壊させることになる。 

1 子供のいる家庭では幼稚園保育園がお休みに

  PCR検査に熱心でないと言われる幼稚園や保育園でも、登園時には熱を 測り、高いと預かってくれない。クリニックで万一陽性となれば、子供を家で見なければならない(幼児と一緒に在宅勤務などできない。つまり、飲み会の誘いのせいでその後仕事ができなくなる)。さらに、クラスごとお休みになれば、園の行事が中止になったり、濃厚接触の可能性のある友達の保護者も仕事を休んだりと、親子ともに抱えきれない精神的負担になる。

2 人生のかかった試験が受けられなくなる

  同居の家族が、入学試験、留学、資格試験など人生がかかった試験を控えていることがある。万一陽性になり、1年間努力したのに試験自体が受けられないとなると、家族のせいで人生を狂わされたということにもなりかねない。

3 介護施設ではなく自宅で介護が必要になる

 オミクロン株が拡大してから、各地の介護施設でのクラスターが問題となっている。介護施設では、予防を徹底し、少しでも陽性の疑いのある家族は預かれない。そうすると、家族は、働きながら要介護の家族の排泄・入浴・食事を自宅で介助しなければならなくなる。ショートステイや平日のデイサービスを最大限利用しながらぎりぎり日中仕事を続けていた場合、両立ができなくなる。

4 ウィズコロナは家庭ごとの事情の尊重が必須

 重症化しないオミクロンは、症状自体よりも、陽性の可能性で隔離されることによる社会的インパクトが大きく、その重大さは家庭によって異なる。
 共働きで子供を預けている、長男が国家試験直前、家で親を介護している、そういった家庭の事情は他人に話さないことが多い。
 コロナ前のような「一杯だけ付き合え」「付き合いが悪い」との強い誘いは、万一の感染時には、本人の症状の軽さにかかわらず、相手の離職や家庭の崩壊を引き起こすこともある。
 飲食、会食が増えるウィズコロナの時代。コロナ前と異なり、家庭ごとに感染防止の必要性や意識に違いがあることを配慮した上で、節度ある誘いが求められる。

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