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キュンパス 使用感


はじめに

 今年2月~3月に販売された「旅せよ平日!JR東日本たびキュン♥早割パス」(以下、「キュンパス」と表記)を実際に利用したので、使用感について本記事でまとめた。
 投稿日地点では販売終了しているが、過去にも2・3月限定で新幹線・特急乗り放題の切符を販売している。有効期限や使える路線は変わるものの、多くの人が使っていたため、キュンパスに似たようなフリー切符は今後も販売される可能性はある。
 そのようなフリー切符を使う際に参考になることを期待して執筆する。

キュンパス 概要

 JR東日本が期間限定で販売していたフリー切符。(2024年3月地点では販売終了)
 1日1万円でJR東日本全線に加え、青い森鉄道線(青森~※1 目時)、いわて銀河鉄道線(盛岡~目時)、三陸鉄道線(盛~久慈)、北越急行線(六日町~※2 犀潟)、えちごトキめき鉄道線(直江津~新井)で利用することができる。
※1…青森県と岩手県の県境付近にある駅
※2…新潟県南部にあり、直江津駅から2駅長岡寄りにある駅。
 また、新幹線・特急の自由席に乗り放題でキュンパス1枚につき2回まで別料金なしで指定席を予約することができる
 このフリーパスの注意点は下記にまとめたが、来年以降はルールが変わる可能性があるため、最新の情報はJRのサイトで確認をしてほしい。

(2024年2月・3月発売)キュンパスの注意点

・利用日の14日前までにえきねっとで購入する必要があり、購入したキュンパスを指定席券売機で受け取る必要がある。
平日のみ使用できること。

今回のルート

 由利高原鉄道に乗車することが目的だったため、羽後本荘駅を目指した。
 行きは日本海側を通り、帰りは盛岡を経由して新幹線で帰るルートを組んだ。

東京 6:08→新潟 8:10  とき301号
新潟 8:22→羽後本荘 11:24  いなほ1号
この間、由利高原鉄道に乗車し、沿線で撮影を行った。
羽後本荘 17:53→秋田 18:30  いなほ7号
秋田 19:10→大宮 22:39  こまち48号
この後は首都圏の路線を乗り継いで帰宅

2回利用することができる指定席の予約枠はいなほ1号とこまち48号に使用した。

東京→新潟

 冬の時期なので、途中の越後湯沢までは多くのスキー客が乗車する。
そのため、事前に指定席を予約して着席保障を得たかったが、指定席予約枠が足りなかったため、自由席で行くことにした。
 大混雑を予想して、発車30分前から始発駅の東京で自由席の待機列に並んだ。
 早朝便のため、結果的に並ばなくても自由席には座れたが、後の便だと並ばないと座れなかったかもしれない。

窓側席に座れたので、雪景色を楽しみながら移動することができた。

新潟→羽後本荘

 乗車日は大雪の影響でダイヤが乱れていた。羽後本荘で由利高原鉄道に乗り継ぐことができるかという不安を抱えながら乗車することになった。
 終点の秋田まで3時間半程度かけて走り、現代の特急では走行距離が長い方になるだろう。
 なので、いなほに乗るときは指定席をとっておきたい。
 どうしても自由席で移動したい場合は新潟に前泊して早めにホームに並ばないと地獄を見る。
 いなほ1号の待機列の様子は下の写真の通りであり、直前に並んで自由席に座ることの無謀さを感じられると思う。

まるでラストランかのような賑わいだった

 新潟から秋田方面へいなほに乗って移動する場合、進行方向左側に乗車すると日本海の景色を味わうことができるので、欲を言えばA席を指定しておきたい。

羽後本荘駅には30分程度の遅れで到着。乗車予定の由利高原鉄道の列車にはギリギリ乗り継ぐことができた。

由利高原鉄道 写真

 今回はキュンパスについての内容がメインなので、由利高原鉄道については今回撮影した写真の中から良かったものを何枚か紹介するにとどめる。


1両の気動車がゆっくりと走っていくイメージがあったが、色が異なる気動車を3両連結して
来たのには驚いた。


大きくカーブをする区間を見つけた。
グーグルマップを見るとこの辺りは田んぼが広がっているっぽいので、田植えの季節に再訪してみたい。


暗くなると1両の気動車のライトでも心強く感じる。

羽後本荘→秋田→大宮

 暗くなり、景色を撮影するのが非常に困難だったので、羽後本荘から大宮までは車窓を一切撮影していない。

羽後本荘駅にて撮影。

使用感

 前提として、安い切符に制約があるのは当然のことである。なので、ダメ出しをするというよりは注意点を挙げ、今後似たようなフリー切符が販売されたときはこういうところに気を付けようというコンセプトで書いていく。

初心者向けではない

 破格の値段で販売されたキュンパス。狙いは閑散期(人があまり乗らない時期)に売り上げを少しでも上げることがメインだと考えられるが、普段鉄道旅行をしない人が気軽に鉄道旅行できる機会を与える狙いもあるだろう。しかし、このフリーパスは初心者向けではない。理由は以下の通りである。

1.購入方法が難しい


 前述の通り、この切符は14日前までにえきねっとで購入する必要がある。14日前までに買わなければいけないというルールを見落として使いたい日に使えなかった人は少なくなかったと予測する。
 旅行慣れすると、安いチケットは直前には購入できないことが多いのを知っているため抵抗はないだろう。
 しかし、そうでない人からすると事前にチケットを購入するという習慣がないので使おうと思っても使えなかった事態になるだろう。
 また、対面で販売していないので駅員さんの手助けなしに買わなければいけない。私はえきねっとのヘビーユーザーになったので、楽に買うことはできたが、今までえきねっとを使ったことがない人が突然「えきねっとで購入してください。」と言われたら困惑するだろう。

2.基本的に全車指定席

 近年、新幹線・特急の全席指定化が進んでいるので、ほとんどの列車は指定席を予約して乗ることになる。
 2024年から千葉方面の特急が全席指定となり、自由席がある列車がまた削減された。
 現在、JR東日本管内で自由席があるのは
<新幹線>

・やまびこ
・なすの
・とき
・はくたか
・あさま

<特急>
・いなほ
・つがる

のみである。

こうなると限られた指定席枠だけで乗り回すのは難しい。

3.混雑

 前述の通り、使いこなすのが難しい切符であるものの、破格なので平日にも関わらず多くの利用があった。
 朝に東京を出発する遠距離を走る新幹線は満席があたりまえという状態である。
 指定席は3日前の地点で満席の列車も多く、座席の確保が難しかった。
 自由席は飛び乗りができるものの、始発駅でかなり早い段階から並んでいない限り着席は難しい。ずっと立って移動することを覚悟しなくてはいけない。

4.早めに旅程を組めればOK

 14日前までに切符を買うと同時に指定席の予約をするのが理想である。切符の指定席枠を使っての座席指定はえきねっとで行うことができる。

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