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有馬記念出走馬の個人的短評?紹介?

身内向けに有馬出走馬をなんとなく把握してもらうために書いたもの。せっかくだから残しておきたくなったのでここに載せる事にしたよ。

(枠番確定前のものになります)

あくまでも自分が持ってる知識と印象をベースに書いているので若干の解釈違いは許して。

ウマ娘きっかけで馬券を買い始めた初級者〜中級手前くらいの方を対象に作ったものなので小難しい事は書いていません。

■アカイイト 牝4 
キズナ産駒。3歳まではもどかしい競馬が続いていたが、4歳1月に2勝クラスを突破から僅か10ヶ月でエリザベス女王杯(GⅠ)を10番人気で制覇、デビュー時から20kgの増量と素晴らしい成長力を見せており、4歳秋シーズンの今ピークを迎えた感がある。

ゲートは苦手のようだが末脚はどのコースであっても堅実、牝馬限定戦の前走より相手が強くなり距離も伸びるが、成長中の勢いに乗ってここでも激走を。

■アサマノイタズラ 牡3 
ヴィクトワールピサ産駒。3歳クラシック菊花賞の前哨戦の位置付けになるGⅡセントライト記念(中山・芝2200m)の覇者。
なによりも自分のリズムで走る事が重要な馬で、成績が不安定なのが欠点。

鞍上が変わってからの2戦は追い込み脚質に切り替え上がり3ハロンはいずれもメンバー最速。

他馬との比較で実績に劣るのは否めないが、重賞を制した中山に戻る事は間違いなくプラス、今回も自分の競馬に徹してどこまで通用するか。
道悪での好走歴もあるため、天気の助けがあるとなお良いのかも。

■アリストテレス 牡4 
エピファネイア産駒。3歳時は菊花賞で三冠馬コントレイルをクビ差まで追い詰め2着、その次走となる4歳初戦のGⅡアメリカジョッキークラブカップ(中山・芝2200m)で重賞初制覇。

菊花賞、AJCCの実績から中長距離路線の主役候補になるかと思いきや、年長馬が混ざるGⅠ戦線では期待に応える結果が出ていない現状。

エピファネイア産駒らしく少々気難しい所があるので内枠よりは外枠が欲しいかも。
経験豊富なジョッキー武豊の力と隠れ中山巧者であることに期待したい。

■ウインキートス 牝4 
ゴールドシップ産駒。クラシックには縁が無かったが4歳3月にオープン馬となり5月のGⅡ目黒記念(東京・芝2500m)を制覇。キャリア19戦中10戦が中山コースで2勝2着5回とコース適性はなかなか。

関東所属馬で前走は苦手な関西輸送があった分の凡走なのである程度参考外と考えても良さそう。このメンバーの中だと末脚は控えめな印象で、内枠を引いてポジション取りを含めた立ち回りの上手さを活かしたい。

■エフフォーリア 牡3 
エピファネイア産駒。今年の皐月賞馬であり秋の天皇賞馬。

キャリア6戦で5勝2着1回と抜群の安定感、唯一の敗戦となった日本ダービーもハナ差の負けなので勝ち馬との差はほぼ無かったと言ってもいい。

前走の天皇賞秋は2kgの斤量利があったものの三冠馬コントレイルを地力で完封。3歳の現段階でも芝中距離路線でトップクラスである事を示した。
末脚は瞬発力も備えているが理想のコースは中山より直線の長い東京のイメージ。

もちろん皐月賞馬なので中山コースに十分な実績はあるが、2500mは初挑戦、秋初戦で菊花賞やジャパンカップを使わずに2000mの天皇賞を選んだ背景からもこの距離に絶対の自信まではどうだろうか。
重箱の隅をつついてみたが、距離に対応するようであればスターホース揃いの有馬記念すらも通過点にしてしまう程のポテンシャルを秘めている。

■キセキ 牡7 
ルーラーシップ産駒。2017年の菊花賞馬、種牡馬入りが内定しておりこれがラストラン。

全盛期は粘り強さと高い先行力でGⅠ2着4回と実力の高さを示してきたが、近年は父同様の出遅れ癖や操縦性の難しさを見せ始め脚質が安定しない。
前走のジャパンカップは向正面からの大捲りで主導権を握りに行ったが10着敗退。

スタミナが武器で長距離も道悪も苦にしないが過去の有馬記念は3度参戦し5着、5着、12着。
上昇には一雨降って欲しいところ。

■クロノジェネシス 牝5
バゴ産駒。去年の有馬記念覇者。
来年以降の繁殖入りが決まっているのでこれがラストラン。
デビュー時との比較で3歳秋に20kgの増量、現在までで40kgの増量と驚異的な成長力と身体能力を武器にグランプリを3連勝中。

現役屈指の道悪巧者として前走はフランス凱旋門賞に挑んだが、日本との馬場の違いに苦しみ7着。良馬場においても現役トップ級のスピードと持続力を見せる事が出来るので、実績実力共にメンバー1と言っていい。

懸念を挙げるとすれば前走フランスでのダメージの有無、未対戦の3歳馬との力関係だろうか。

■シャドウディーヴァ 牝5
ハーツクライ産駒。右回り8戦(1勝、3着1回)、左回り16戦(2勝、2着5回、3着2回)。
重賞の好走歴が東京に偏っている東京巧者のサウスポー。
(補足すると阪神、札幌、京都の重賞で5着以内に入っているので右回りがダメという訳ではない。)

おそらく下位人気になる事が濃厚だが、ハーツクライ産駒の活躍馬の中には遅咲きの馬もおり、本馬も重賞初制覇は2ヶ月前の5歳10月。

前走ジャパンカップは11人気で7着。有馬記念出走馬の中では最先着している点からも全くの格下では無い。

今回は2500mなので更なる距離延長、右回りと強気にはなれないのは事実だが「右回りがダメな馬」と過小評価されるなら無欲の1発に期待を持ってみても。

■ステラヴェローチェ 牡3
バゴ産駒。ハイレベル世代と言われている3歳牡馬の中で皐月賞3着、日本ダービー3着、菊花賞4着と上位の力を見せてきた影の実力馬。
前々走に当たるGⅡ神戸新聞杯(中京・芝2200m)では同期のダービー馬シャフリヤールに完勝。

バゴを父に持つ点はクロノジェネシスと同じで、こちらもかなりの道悪巧者、重賞2勝はどちらも不良馬場で行われている。
前走の菊花賞はよく追い込んだが勝ち馬であるタイトルホルダーの作るペースに屈する形。
展開が向かなかった上に、不良馬場の神戸新聞杯の疲労が抜け切らなかった事を考慮すれば地力負けではないだろう。

距離を短縮し、馬場も荒れてくるこの舞台で皐月と菊のタイトルを譲ったライバルにリベンジを果たしたい。

■タイトルホルダー 牡3
ドゥラメンテ産駒。今年の菊花賞馬。
父ドゥラメンテは皐月賞、日本ダービーの二冠馬で、三冠目である菊花賞を故障のため出走する事が叶わなかった経歴のある名馬、後に種牡馬になったが、今年8月、9歳の若さで急死。
本馬は亡き父に代わり菊花賞のタイトルを獲得した孝行息子だ。

本馬は皐月賞の前哨戦となるGⅡ弥生賞(中山・芝2000m)の勝ち馬でもあり、本番の皐月賞も2着。中山コースへの適性の高さは既に戦績が証明している。

懸念点は好走時は逃げに近い戦術を取っているため、逃げ争いに巻き込まれないかどうかという点、菊花賞時のパートナーである横山武史がエフフォーリアに騎乗するため乗り替わりとなる点。脚質的にもここは内枠を引いてロス無く進めたい所だろう。

■ディープボンド 牡4
キズナ産駒。祖父はディープインパクト。本馬の馬名の意味は「深い絆」
今年のGⅡ阪神大賞典(阪神・芝3000m)、凱旋門賞の前哨戦に当たるGⅡフォワ賞(ロンシャン・芝2400m)の覇者。
GⅠ天皇賞春(阪神・芝3200m)の2着馬。

戦績から示すとおり現役トップクラスのステイヤー、1年前の皐月賞で18頭中18番人気、単勝360倍の評価だった事を考えると、本馬は成長力と長距離適性が大きな武器と言える。

フットワークが大きく、急加速するのがあまり得意ではないので、好走時は逃げか先行で自分から動きスタミナ勝負に持ち込むパターンが多い。

中山での好走歴は無いが、戦術を確立する前だったので、さほど気にする必要はないだろう。
フランス遠征の疲れが抜け、フォワ賞のような強気の逃げ、あるいは向正面での捲りが出来ればここでも見劣らない。


■パンサラッサ 牡4
ロードカナロア産駒。今年のGⅢ福島記念(福島・芝2000m)覇者。
4歳春まではオープン、リステッドでたまに好走する道悪巧者の逃げ先行馬と派手さに欠けるイメージだったが、長期休養を経て秋シーズンを迎え、馬のリズム重視で後続を離す逃げのスタイルを取ってからはオクトーバーS、福島記念と2連勝。
福島2000mを超ハイペースで逃げ切る点からもツインターボの再来を思わせる結果となった。

今回は相手強化、距離延長、急坂2回とハードルは多く、ツインターボのような急失速(いわゆる逆噴射)をする見方をするのが自然なところだが、他馬が放置してくれればメジロパーマーのような波乱を起こせるかも。

■ペルシアンナイト 牡7
ハービンジャー産駒。17年GⅠマイルCS覇者。

7歳の古豪、17年以降重賞勝利から遠ざかってはいるが、7歳シーズンの今年もGⅡで3着に食い込むなど、大きな衰えも無く堅実な走りを見せている。

中山コースは過去に4回経験があり、17年の皐月賞2着が最高着順、他は18年&20年のGⅡ中山記念の5着、20年の有馬記念7着と馬券圏内を外しているが、2回の中山記念は休み明け初戦。
本馬は休み明け初戦が苦手な傾向があるため、これを極端なマイナスと考える必要はないだろう。

しかし、年齢や近走使われている距離を考えると去年の7着以上を求めるのは少しハードルが高いかもしれない。

鞍上に短期免許で来日中のクリスチャン・デムーロを用意した辺り、陣営には何かしらの秘策があるか?そこが期待できるポイントになる。


■メロディーレーン 牝5
オルフェーヴル産駒。同レース出走のタイトルホルダーの半姉に当たる血統で、姉弟での有馬記念参戦となる。

470kgが平均、400kgだとかなりの小柄と言われる競走馬の世界で、本馬はデビュー時の馬体重が336kg、現在も354kgと超小柄の牝馬。

(ウマ娘で小柄のキャラ設定であるナリタタイシンでもモデル元のデビュー時は420kg)

通常この馬格では勝ち上がる事すら難しいのだが、父母から受け継いだ豊富なスタミナを武器に19年6月に阪神の未勝利戦(芝2400m)、9月の1勝クラス戦(芝2600m)を勝ち上がり、牡馬クラシックの菊花賞に挑戦し5着と激走。その後も長距離路線でキャリアを積み、2勝、3勝クラスを突破し自力でオープンクラスまで出世を果たした。

小柄な馬体と一生懸命な走りからファンが多く、今回はファン投票での選出。他馬との比較で実績に劣るのは事実だが、長距離適性が高く、立派なオープン馬である本馬がノーチャンスという事は無いだろう。


■モズベッロ 牡5
ディープブリランテ産駒。20年GⅡ日経新春杯(京都・芝2400m)の覇者。

ゲートが苦手でキャリア22戦中18出遅れ、基本的には後方からの競馬になる事が多い。

キャリア4勝は京都3勝、中京1勝と有馬記念に結びつく要素は少ないが、本馬の特徴であり最大の武器は極端なほどの道悪適性。

GⅠで馬券圏内に入ったのは20年宝塚記念と21年大阪杯の2回、どちらも大雨の影響でかなりの道悪馬場となったが、それを苦にせず大阪杯ではコントレイル、マイル女王グランアレグリアに先着しての2着という実績がある。

近走の大敗は相対的に苦手としている良馬場によるものなので度外視で問題ない。

上記からわかる通り、好走には大雨、あるいは極端なバテ合いの競馬になる事が必須だが、今回は珍しくタフな道悪巧者が集まってしまっているので、理想の馬場や展開となっても他馬を出し抜けるかどうか...

■ユーキャンスマイル 牡6 
キングカメハメハ産駒。20年GⅡ阪神大賞典覇者。

GⅡ1勝、GⅢ2勝の実力馬、3000m超の重賞勝ち鞍がある事から長距離適性の高さを窺える。
GⅠでの馬券圏内は18年菊花賞の3着のみとGⅠの壁に跳ね返され続けている印象で、今年も天皇賞春、天皇賞秋、ジャパンカップと3回挑戦したが7着、9着、12着。

メンバーレベルを考えると今回も厳しいレースが予想されるため、道悪馬場、逃げ先行総崩れ等、展開の助けが必須かも。

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