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2022年皐月賞 出走馬についてPart1

有馬記念振りです。こんにちは。
ほんの少しですが心境の変化があったので、自分なりのアウトプットをする場所くらいの感覚で愛してやまない競走馬やレースについて、特に縛りを設けずここに書いていきたいと思います。

ちょうど週末は皐月賞という事で、前回と近い空気感で出走馬について書いていきます。

前回はこれ↓

https://note.com/1919pipi/n/nb53114b54ca9


追記:書いていく内に1つの記事だとクソ長文章になりそうな気がしたので皐月賞は2つに分けます。

※予想ではありません、出走馬についてどういう血統だ~とかどういうキャリアを辿っているか~と言った紹介の側面の方が強いと思います。

※1競馬オタクが仕入れられる情報と個人的な見解を含んでいるので、解釈の違いがあるかもしれません。情報の部分は特に気を付けていますが、間違いがあったらごめんね。


■ドウデュース

 
父ハーツクライ×母ダストアンドダイヤモンズ(Vindication)

昨年の朝日杯FS覇者。
父ハーツクライは国内で唯一ディープインパクトを破った馬として有名で、有馬記念とドバイシーマクラシックが主な勝ち鞍。
母ダストアンドダイアモンズはBCフィリー&メアスプリント(D7ハロン)2着などアメリカ短距離戦線で活躍。
母父VindicationはBCジュヴェナイル勝ちのアメリカ2歳チャンピオン。

新馬から高いレベルでレースが安定しているのも母系の早熟性とスピードを上手く受け継いだ形と思われる。
好位差しや中団待機も可能とレースセンスが高く、弱点の少なさにおいては世代No. 1と言っていいかもしれない、距離も母が短距離馬ではあるが弥生賞の走りからも2000mまでなら気にする必要はなさそう。

前走の弥生賞は若干の不利と踏み遅れが響いた形、それでも2着確保と地力の高さを証明したが、一方で展開一つで負かせるくらいには飛び抜けた存在ではない事の証明にもなってしまった印象。
もちろん前走は試走の意味合いもあったので、上昇の余地は十分にあるが、かつてのドゥラメンテのような「未完成ながらも破壊力のあるキレ味を持った馬」を持ち前の完成度で振り切る事ができるか、そこが問われる1戦になる。


■ダノンベルーガ


父ハーツクライ×母コーステッド(Tizway)
今年の共同通信杯覇者。

母コーステッドはBCジュヴェナイルフィリーズターフ(T8ハロン)2着。
母父Tizwayは6歳シーズンでアメリカGⅠ2勝という遅咲きのダートマイラー。ジャパンカップダートで来日経験もある。

追い出した後の首の使い方に少々伸び代を感じるが、キャリア1戦ながらゲート、道中の運びは粗さを見せず2歳重賞馬、重賞好走馬をまとめて差し切っての共同通信杯制覇は大きな才能を感じさせるものだった。

ドウデュースとはハーツクライ×アメリカ血統という意味で重なる部分があるが、こちらはハーツクライ寄りという印象で、前走は加速までに時間を要する部分が見受けられた。やはり直線の長い東京コースがベストなのだろう。

本馬に関しては共同通信杯後、皐月賞へ向かう事を明言されるまで時間を要した経緯がある、なぜそうなったかというと過去の右後肢の故障だ。
重賞勝ちをした現在なら完治してるのではと感じるかもしれないが現在も後遺症があり、爆弾を抱えた状態なのだという。
右回りは左回りと比べて右脚への負荷が掛かる点からも皐月賞はスキップし、左回りの日本ダービーに絞るプランがあったようだが、今回鞍上の川田が自信を見せている背景からも懸念については以前より進歩があったのかもしれない。
調教レベルでは右回りも無難にこなしているように見えるが実戦に行ってどうか。この懸念でオッズが過剰に甘くなるようであれば、本馬の才能に賭けてみても…。


■イクイノックス


父キタサンブラック×母シャトーブランシュ(キングヘイロー)
昨年の東スポ杯2歳S覇者。

父キタサンブラックは説明不要の名馬。
母シャトーブランシュはGⅢマーメイドS(T2000m)勝ちで主に牝馬重賞戦線で活躍。本馬の半兄ヴァイスメテオールはGⅢラジオNIKKEI賞(T1800m)勝ち。
最近はディープボンド、ピクシーナイト、ウォーターナビレラ等、母父キングヘイローを持つ馬が馬場や距離を問わず活躍してる点も含めて、今かなりアツい血統と言える。

外厩施設充実や育成ノウハウの蓄積により、トライアルレースを挟まない直行ローテはノーザンファーム系においてはもはや主流と言ってもいい段階にきているが、それでもこれまでは12月開催の2歳GⅠからの直行が大半であり、イクイノックスの11月2歳GⅡからの直行は珍しい。

間隔としては大体安田記念→天皇賞秋と同じくらいなので、ノーザンファーム系ではアーモンドアイ等で実績はあるが、キャリア2戦の若馬である点、日本ダービーでコンディションを最高に持っていく事を陣営が示唆している点からも皐月賞のタイトルへの熱量は他陣営と比べると低い方なのかもしれない。
ポジティブな点を挙げるとすれば、やはり時間を置いた事による馬体の充実だろう。
東スポ杯時は腰が甘く、飛節もブレていていい意味で伸び代まみれの状態だったので、前走と当日のパドックを確認して貰えたらと思う。
また、兄同様の道悪巧者である可能性もあるので、当日の馬場が荒れていた場合は警戒が必要だ。


■キラーアビリティ


父ディープインパクト×母キラーグレイシス(Congaree)
昨年のホープフルS覇者

父ディープインパクトは無敗の三冠馬で種牡馬としても長年日本のトップサイアーに君臨
母キラーグレイシスはアメリカGⅠハリウッドスターレットS(AW8.5ハロン)勝ち馬
母父Congareeはアメリカのクラシックレースでは善戦止まりも7〜10ハロンのダートGⅠ5勝。(現在格付けが降格したレースもあり)

これ以上無い理想的なポジションで運べたという部分はあるが、皐月賞と同一コースで行われるホープフルSの覇者という事で、今になってコースや距離適性について粗探しをする必要はないだろう。

ディープインパクト産駒らしい末脚のキレを持ちつつ、ゲートや立ち回りも無難、新馬と萩Sを取りこぼしているもののここまで目立った弱点は見せていない。

直近のレースにおいては、未勝利戦は後方からの外差し、萩Sは少頭数、前走ホープフルSは比較的縦長隊列の3番手と揉まれ込んだ事がない点は少々気掛かり。
鞍上から乗り難しいと評される点からも内枠で出負けした際、あるいは3コーナー以降の詰まった馬群に入った際どうなるかは未知で、穴馬であれば目を瞑れるところだが上位人気が確実と考えるとこの点は不安要素として挙げておきたい。


■アスクビクターモア


父ディープインパクト×母カルティカ(Rainbow Quest)
今年の弥生賞ディープインパクト記念覇者。

母カルティカはフランスGⅢで入着経験あり、母父Rainbow Questは繰り上がりの凱旋門賞馬で有名。関係ないが、同期は欧州の歴史的スーパーサイアーSadler's Wells

東京で善戦、中山で快走というキャリアを送っている通り、ディープインパクト産駒ではあるもののキレというより立ち回りと持久力で勝負する方が合っているタイプだろうか。
ディープインパクト×Blushing Groom系という大きい括りで言えばキラーアビリティと重なるが、本馬の母母Cayman SunsetからRobertoGraustarkなどタフな馬場や展開になって浮上する重厚な血が見える点からもパワー寄りにシフトしたイメージ。

東京で善戦という書き方をしたが、戦った相手がドウデュースやジオグリフであり、着差も僅かなので非常に高いレベルの善戦である点は誤解しないでほしい。

中山では弥生賞含め3戦3勝と無視できない好成績、下した相手も東スポ杯2着のアサヒ(東京では先着を許しているが)、すみれS2着のレヴァンジルと強敵を相手にしており、恵まれたものではない。

今回は同コースとはいえ相手強化、全体ラップも後続の追撃も厳しくなるが先行粘り込みでどこまでやれるか。週中の雨で時計が掛かる馬場なら出番はある。


■オニャンコポン


父エイシンフラッシュ×母シャリオドール(ヴィクトワールピサ)
今年の京成杯覇者。

父エイシンフラッシュは2010年日本ダービー、2012年天皇賞秋を制覇。
スマートファルコン、トランセンドと共にドバイワールドカップに参戦した事もある。
母シャリオドールはJRA未勝利、母母サプレザはフランス調教馬でイギリスGⅠサンチャリオットS(T8ハロン)3連覇の名牝。
母父ヴィクトワールピサはエイシンフラッシュと同期の皐月賞馬(この時エイシンフラッシュは3着だった)、2011年ドバイワールドカップ覇者。

叔父に2020年毎日杯勝ちサトノインプレッサがいる血統。

特徴的な馬名というだけであれば珍しい存在ではないが、前年の皐月賞馬エフフォーリアが勝った百日草特別を勝ち、2戦2勝馬として2歳GⅠホープフルSに駒を進めた実力者。
ホープフルSでは熱発等の調整不足があり大敗したが、次走同コースである京成杯できっちり巻き返し、父エイシンフラッシュとの京成杯親仔制覇、そしてエイシンフラッシュ産駒としては初めてのJRA重賞勝ち馬となった。

ホープフルSで力を出せなかった分、良くも悪くも力関係が不明で、馬券的には悩ましい1頭かもしれない。
京成杯では外を回してメンバー唯一の34秒台の末脚で差す競馬もこなせたので、先行も差しもOKで脚質の融通は効く方だろう。

ただ同一コースであるはずの京成杯→皐月賞のローテーションは10年エイシンフラッシュ、18年ジェネラーレウーノの3着までとなかなか本番の好走に繋がらない点、ここが本馬最大の不安要素だ。


■デシエルト


父ドレフォン×母アドマイヤセプター(キングカメハメハ)

重賞ではないが、今年の皐月賞トライアル若葉S覇者。
父ドレフォンはBCスプリントなどアメリカダート短距離GⅠ3勝の名馬で、ドレフォン産駒は現3歳が初年度産駒となる。

母アドマイヤセプターはJRAオープン馬でGⅢ京成杯、GⅡスワンSで上位入着とこちらは芝の短距離で活躍、母母アドマイヤグルーヴはGⅠエリザベス女王杯連覇。3代母は1997年のJRA年度代表馬エアグルーヴ
本馬から見て叔父には皐月賞、日本ダービー制覇の2冠馬ドゥラメンテがいる日本屈指の良血馬。

母父キングカメハメハはNHKマイル→日本ダービー制覇の変則2冠馬。種牡馬としても上記のドゥラメンテやロードカナロア、レイデオロ等多彩な活躍馬を輩出。

上記の通り眩しすぎるダイナカール牝系の末裔で実績が未知のドレフォン産駒ながらセレクトセールでは2億7000万円で取引された。

育成段階の頓挫や走りのキレ味への懸念からデビューは12月後半。これは皐月賞出走馬の中では最も遅く、更にダートでデビューしたのも本馬だけという特殊なキャリアを持った馬だ。

ダートでも芝でも持ち前のスピードでスムーズに先行し、そのまま押し切る競馬でトントン拍子で3連勝。僅か3ヶ月でクラシックに間に合わせた。異色の路線であるため相手関係の比較が難しい所ではあるが、京成杯3着のヴェローナシチー、ホープフルS4着のフィデルを抑えてる辺り、調子の良いダート馬という扱いはせず、この舞台で足りるだけの地力は持っていると考えた方が良さそうだ。
ここも先手を取りたい所だが、同型と思われるボーンディスウェイビーアストニッシドよりも外枠に入ってしまった点がどうか。やり直しの効かない舞台で先行馬が潰し合うなんて展開だけは避けたいところ。


■ジオグリフ


父ドレフォン×母アロマティコ(キングカメハメハ)
昨年の札幌2歳S覇者。

母アロマティコは秋華賞3着、クイーンS2着等牝馬重賞戦線で活躍。
牝系からは活躍馬が多数出ており、こちらも良血馬の部類に入る。

札幌2歳Sではノーステッキで4馬身差の楽勝。マイルへの距離短縮となった朝日杯FSでは序盤は追走に苦しみ、直線では前を他馬に割り込まれる不利を受けながらも上がり最速の5着。
結果論ではあるが、マイルGⅠの流れは本馬にはベストと言えなかった。

再度1800mに戻した前走は他馬より1キロ重い斤量57キロを背負い、序盤掛かる素振りを見せたが、以降はスムーズに運び2着好走、同斤量であれば1着ダノンベルーガとの差はもう少し縮まっていたはずだ。

本馬の半兄半姉の勝ち鞍は全て芝1800m以上である点からも、2000mへの距離延長はポジティブな要素である可能性は高いが、以前から喉に不安を抱えており軸にするには少しだけ勇気がいる、小雨が降る程度の天気が最も良い舞台設定か。


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